FAQは「Frequently Asked Questions」の略で、ユーザーからのよくある問い合わせとその回答をまとめたものです。FAQは主に質問内容・回答・参考URL・関連する質問の4つから構成されており、ユーザーは自分の質問したい内容を探して回答や参考URLを参照します。
FAQと混同されやすい用語にQ&Aがありますが、Q&Aは「質問と回答」という意味です。FAQは「よくある質問と回答」という意味なので厳密には異なるものですが、今日では同じ意味で用いられることも少なくありません。
FAQは顧客向け・社内向け・コールセンター向けの大きく3つの種類があり、いずれも質問者が問題を自己解決できるように促す役割があります。
▼FAQについては以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ併せてご覧下さい。
FAQを設置すると、企業にとって多くのメリットがあります。ここではFAQを設置する6つのメリットを紹介するので、FAQの導入を検討している人はぜひチェックしてみて下さい。
FAQを設置して問題を素早く解決できるようになれば、顧客満足度の向上につながります。
「メールをしても返信が来ない」「電話がなかなかつながらない」など、問い合わせて回答を得るには手間と時間がかかるケースが少なくありません。このような状態では、顧客にストレスを与えてしまいます。
FAQを公式サイトなど顧客がアクセスできる場所に設置しておくと、困りごとや不明な点があった時に顧客自身で解決する手助けになります。これにより、電話やメールで問い合わせをしなくても手軽に問題を解決できるようになるため、顧客の利便性向上につながります。
FAQを導入すると、ユーザーが自身で問題を解決できるようになります。これにより問い合わせ件数の減少が期待でき、問い合わせ対応を担当するスタッフの負担が軽減されるのが企業にとっての大きなメリットです。
また、コールセンターの場合は問い合わせ件数が減少することで少人数のオペレーターで対応が可能となり、人員確保や人材育成にかかるコストを削減できるというメリットもあります。
人が対応する場合、24時間対応は人員確保やコストの面で難しいケースも少なくありません。例えば「オペレーターの数が足りず、営業時間を短くせざるを得ない」というコールセンターもあるでしょう。
夜にサイトへのアクセスが多かったり、商品の故障など突発的な問い合わせが生じたりする場合も、午前から夕方までの一般的な営業時間では対応が困難です。
公式サイトにFAQを設置しておけばユーザーはいつでもアクセスでき、営業時間に関係なく問題を解決できます。このように24時間対応を実現できるのも、FAQを導入する大きなメリットのひとつです。
FAQは顧客からの問い合わせ対応だけでなく、社内のナレッジやノウハウを蓄積・共有するツールとしても役立ちます。例えばFAQに業務に関する情報をまとめておくことで、担当者が不在でも対応できる範囲が広がり、業務効率化につながるでしょう。
これは、「特定の人でなければ対応できない」という属人化の防止にも役立ちます。担当者のナレッジやノウハウが一箇所にまとめられていれば、異動や退職があってもナレッジが失われず、引き継ぎがスムーズに行えます。
FAQシステム・ツールを導入することで、よく閲覧されている質問や検索されることの多いキーワードを特定できます。これらのデータを分析することでユーザーの困りごとやニーズを可視化でき、商品やサービスの改善のヒントを得られるのもFAQのメリットです。
例えば多くのユーザーが同じ質問を検索している場合、「操作が複雑」「マニュアルが分かりづらい」といった課題が隠れているかもしれません。このように、FAQには商品やサービスの品質を向上させる効果も期待できます。
公式サイトにFAQを設置するとFAQページへのアクセスが増え、サイト全体のPVも増加します。また、FAQの内容を充実させることでユーザーが複数のページを閲覧するようになり、サイトの回遊性が向上します。
これらは検索エンジンからの評価を高める効果があり、SEO効果が期待できるのもFAQ設置の大きなメリットです。検索エンジンの上位に表示されることで、ユーザーからのアクセスが増え、公式サイトの集客効果が高まるでしょう。このように、FAQはSEO対策にも有効なツールといえます。
先ほど紹介した通り、FAQを設置するとさまざまなメリットがあります。ただし、FAQシステム・ツールを導入する際にはいくつかの注意点があることも把握しておきましょう。
ここでは、FAQシステム・ツールを導入する際に意識しておくべき注意点を5つ紹介します。
FAQシステム・ツールを導入しても、ユーザーに使ってもらえなければ意味がありません。多くのユーザーにFAQを活用してもらえるように、見やすく、分かりやすい箇所に設置しましょう。
顧客向けのFAQなら、公式サイトのトップページの分かりやすい場所にリンクを設置すると効果的です。社内向けやコールセンター向けのFAQなら、FAQを導入したことを従業員やオペレーターに周知し、社内ポータルサイトなど日頃からアクセスする場所に設置すると良いでしょう。
FAQに掲載する質問の数が増えると、目的の情報にたどり着くのに時間がかかります。ユーザーがFAQの存在を知っていても、情報が探しにくいとあまり活用してもらえません。
積極的にFAQを活用してもらえるように、ユーザーが知りたい情報にすぐたどり着けるよう工夫することが重要です。例えばキーワード検索に対応したFAQシステム・ツールなら、検索するだけで目的の情報をすぐに見つけられます。
その他、特にアクセスが多い質問をトップページに表示したり、分かりやすいカテゴリ分けをしたりするのも効果的です。
FAQに掲載するコンテンツは、数を増やし過ぎないことも大切です。コンテンツ数が多過ぎるとユーザーが目的の情報にたどり着きにくくなったり、更新作業の手間が増えたりするおそれがあります。
ユーザーが使いやすく、管理者が管理しやすいFAQを構築するために、重要度の高いコンテンツに絞って掲載するようにしましょう。FAQに掲載するコンテンツを決める際は、オペレーターなど実際に問い合わせを受け付けているスタッフに過不足がないかチェックしてもらうのもおすすめです。
コンテンツの追加を進める際は、内容の重複がないかもチェックしましょう。「ほとんど同じ内容を解説しているページが複数ある」といったケースも珍しくありません。このような場合は、どちらかに統一するといったコンテンツの整理が必要です。
FAQは、一度作成して公開したら終わりというものではありません。アクセス数や検索されたキーワードなど、FAQシステム・ツールはさまざまなデータを確認できます。これらのデータからFAQの活用状況をチェックし、必要に応じて更新やメンテナンスを実施することが大切です。
例えば、「FAQに掲載されている内容なのに電話で問い合わせをする人が多い」という場合、「FAQの存在が知られていない」「該当の質問を見つけづらい」「回答内容が分かりづらい」といった原因が考えられます。掲載場所の変更や検索機能の調整、回答内容の修正など、必要な改善策を実施しましょう。
このように、FAQを公開したら運用しながら定期的に活用状況を確認し、更新・メンテナンスを繰り返して質を高めていく必要があります。
FAQシステム・ツールを導入するには、初期費用やランニングコストがかかります。かけたコストが無駄にならないように、自社に合ったシステム・ツールを導入することが大切です。
まずは、どのような目的でFAQを導入したいのかを明らかにした上で、必要な機能や予算などの条件を洗い出しましょう。その条件に該当するシステム・ツールを複数ピックアップし、性能や費用対効果など比較して導入する製品を選んで下さい。