【LEGイベントレポート】LEG Niigata City「ICTパーフェクトセミナー2024・Autumn」in新潟

【LEGイベントレポート】LEG Niigata City「ICTパーフェクトセミナー2024・Autumn」in新潟

2024年9月7日に開催された「ICTパーフェクトセミナー2024・Autumn」in新潟のイベントレポートです。
新潟県内のみならず、県外からもたくさんの先生方にご参加いただきました。

子どもの姿から学ぶ授業公開
授業公開
中野 裕己先生(新潟大学附属新潟小学校)
課題の確認
オノマトペと比喩表現を軸に、自分の文章を推敲するという課題を確認します。「あなただから書けること」を大事にしながら、自分の文章をより良くしていくことを意識します。
前時の自分の文章を読み直し、上記の表現をどのくらい使えているのか、使えそうなところはないかを考えます。先生は、教室の前方・後方・子どもたちの間と立ち位置を変えながら、子どもたち一人ひとりの思考を見とっていきます。つぶやきを拾いながら、「友達と話してみてもいいかもね」「どの部分に注目したの?」など、思考を広げる言葉掛けを行なっています。
問題意識の共有
難しかったポイントを共有する「オノマトペを入れるポイントが難しかった」
モデル文を提示して、
表現が浮かばないときにアイデアを 全部ではなく、特に修正して欲しい部分だけをAIに投げかけて、文章を考えてもらいます。しかし、AIは比喩表現やオノマトペを文章の中にただ入れることはできても、良い文章にすることはできず、自分の伝えたい思いとかけ離れていくため、子どもたちの中から新たな課題意識が芽生えます。
全く使わない・使えないではなく、使えそうなポイントを考え、共有します。子どもたちからは「使えそうなところを2〜3個選んで使う」など、AIとの付き合い方のポイントが指摘されていました。さらに、次のプロンプトを組む場合、どんな指示をすればいいのかを考えることで、思考力・判断力を育むことができます。
生成AIを活用し、文章を推敲する
先生は、上手くAIとの対話ができていない子どもの声に耳を傾け、「この部分だけを切り取ってみては?」と必要に応じて個別の支援を行います。
表現のアイデアが膨らむ一方で、自分の思いとはかけ離れた表現を提案してくることもあり、モヤモヤし始める子どももします。そのような子どもの「体験したのは自分だけだから」という発言を見逃さず、全体に広められました。教師が視点をもって生成AIを使わせるということが現れた一場面でした。
共有・リフレクション
どんなところが有効で、どんなところが有効でなかったのか、子どもたち同士で考えたことを共有します。
「自分にはなかった表現を提案してくれる」といった効果を述べる子どもたちがいる一方で、「元の文章では〜」など、自分の文章の良さや人間だからこそできることを感じている子どもたちも多くいました。
ICTシンポジウム
片山 敏郎先生(新潟市立大野小学校 校長)
中野 裕己先生(新潟大学附属新潟小学校)
高野 和明先生(新潟市立真砂小学校)
梶山 雄太先生(新潟市立上所小学校)
公開授業の振り返り
授業者からは、「子どもたちにどのように活用場面に出会わせるか」が重要だと話されました。ただ使ってみようではなく、一人ひとりが思いを込めた文章の中で、必要感をもって使えるように、少し慎重に扱うことを意識したと語られました。
参加者からは、「AIを使うことによって、教師主導ではなく、子ども自らが思考しながら」「AIを活用することで、子ども一人ひとりに良質なコンテンツを持たせることができる。先生が一人ひとりにフィードバックを与えることはできない。まさに、個別最適・複線型である」といった感想が寄せられました。

子どもたちが生成AIを使うために必要な要素とは?
「トラブルが起きるから使わない」ではなく、「トラブルも経験の一つとして、その中で使い方を考えていく」ことが、まず最初の心構えとして必要だと語られました。
国語と生成AIは、同じ言葉を紡いでいくものとして、とても相性がいい。自分の限界まで取り組んだ上で、それを超えるために使うことが重要ではないかと提案されました。
生成AIは単なる記号の配置のため、教師が子ども自身の意見や感情・感性をまず尊重し、「表現の手助け」という視点をもって授業に取り込むことで、批判的に見る力も育成されるのではないかと提案されました。
超実践的ワークショップ
Room1:ロイロノートの活用
山上 拓郎先生(新潟市立桃山小学校)
南 暁大先生(新潟市立大野小学校)
長谷川 拓海先生(新潟市立白山小学校)
はじめの一歩コース
ロイロノートの特徴や基本的な使い方を、実際のやり取りを交えながらご紹介いただきました。
共有ノートコース
共有ノートの設定の仕方から、具体的な事例まで、実践的な内容をご紹介いただきました。
Room2:Googleツールの活用
御子柴 直之先生(長岡市立阪之上小学校)
櫻井 諒先生(長岡市立阪之上小学校)
長谷川 仁先生(新潟大学附属長岡小学校)
Googleスライドの体験
Googleスライドを使って、意見の共有・共同編集を簡単に行う方法をご紹介いただきました。
問いの提示場面での活用
詩の一部の空欄に合う言葉をピンクの付箋に、その理由を緑の付箋に書くことで、自分の意見と他者の考えを共有し、すぐに比較→再思考を促すことができます。
Room3:附属新潟式ICT活用
田邊 玲奈先生(新潟大学附属新潟小学校)
槙田 泰彦先生(新潟大学附属新潟小学校)
江口 和紀先生(新潟大学附属新潟小学校)
道徳における活用
心情ジレンマのある問いに対して、カードの色で意思表示をする活用を紹介いただきました。色を使い分けるだけで、簡単に考えのズレを明確にすることができます。
体育における活用
鉄棒で動きを生き物に見立て、生き物図鑑を作成する実践を紹介されました。回答共有を使い、友達の考えた動きを見ることで、自分も挑戦したいという意欲を自然ともたせることができると語られました。
社会における活用
生成AIの人格を設定することが重要だと紹介されました。
全国のスペシャリストから学ぶ
算数科における自立した学習者を育てるカード実践
樋口 万太郎先生(中京大学現代教育学部准教授)
自由進度学習・カード実践について
まとめたものを次の時間に使うことが何よりも重要だと話されました。「自分の考えをまとめる」↔「︎新たな問題でそのまとめを使う」というサイクルを回していくことで、算数の授業を劇的に変えることができると話されました。
また、子どもたちが問題との出会いから自己決定を繰り返す「カード実践」についてもご紹介いただきました。自己選択・自己決定を繰り返すことで、自律した学習者を育てることができると述べられました。
プロフェッショナル評価の流儀〜いい問いの立て方編〜
大崎 貢先生(瀬戸SOLAN学園)
「いい問い」とは?「評価」とは?
いい問いを立てられるようになるためには、「答えがある問いを立てること」「みんなで問いを考えること」「問いを立て続けること」が大切だと提案されました。
評価においては、わかるようになったこと(知識)やできるようになったこと(技能)だけでなく、思考・判断・表現などのプロセスにもポジティブな評価を返すことが重要だとされています。また、正しい観点でフィードバックを返すことも大切だと指摘されました。
小学校における「探究」のあり方ー理科と総合を事例にー
吉金 佳能先生(宝仙学園小学校)
振り返り・フィードバックで自己調整力を
小学生が自ら夢中で取り組む探究活動について、総合と教科(理科)それぞれの実践をご紹介いただきました。
特に、振り返り・フィードバックの重要性について言及されました。活動中・中間発表・イベント当日と複数回行うことはもちろんのこと、自己評価だけでなく、先生・保護者・参加者と様々なポジションの人からフィードバックをもらい、多角的・多面的に自分たちの活動プロセスを見つめることが大切だと語られました。振り返り・フィードバックの経験を積むことで自己調整力が育成され、次の探究活動に生かされると語られました。
探求で自分のトリガーを引く〜パブリックリレーションズの活用を通して〜
三浦 学先生(星の杜中学校・高等学校)
なぜ探求が必要なのか?
急速に世の中が変わる中で、生涯学び続けることが重要と言われています。高校だけでなく小中学校から、 総合的な探求の時間だけでなくどの教科においても、子どもたちの探求的な学びを意識しなければならないと述べられました。
探求の本質は、学習者が問いを作ること・リフレクションであると話されました。この2つがなければ、ただの調べ学習で止まり、深い学びにはつながらないと言及されました。

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