中学 総合 障害のある方と共に暮らす社会について考えよう【実践事例】(守山市立守山北中学校)

中学 総合 障害のある方と共に暮らす社会について考えよう【実践事例】(守山市立守山北中学校)

守山市立守山北中学校
赤穂 史陽教諭
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ロイロノート・スクールを活用して、見る側を意識した資料の制作と、プレゼンテーションスキルを育成します。

福祉体験活動として視覚障害をもつ方からお話を聞き、またアイマスクを装着して学校内を歩き、その不安の強さや不便さに気がついた中学1年生の生徒達。体験を元にして、「視覚障害とは」、「視覚障害のある人を支える道具」、「自分たちにできる支援」などのテーマに沿って班ごとに調べ学習を行い、学びの出口としてロイロノート・スクールでスライドを制作し、全校生徒の前で発表を行いました。
1番目の班は、視聴覚障害者の生活について、主に不便さの観点からまとめ、聞き手を意識した発表を行っていました。2番目の班は、視覚障害者の生活を支える道具を紹介し、主に健常者が使用している道具との差異について発表を行いました。写真を利用し、部分拡大機能も活かしながら伝わりやすい発表でした。3番目の班は、視覚障害者を支える盲導犬の実態をまとめ、短い制作時間の中で豊富な情報量を伝えることができていました。最後の班は、街で視覚障害者に出会ったとき、自分たちにできることは何かについて発表し、声のかけ方、先導のしかた、道の伝え方などについて、生徒が健常者役と視覚障害者役で短劇を行い、その映像を教材としてポイントの説明をしました。すべての班の発表が終わった後、お互いの発表を見合い、資料の作り方や発表の形態について評価をし合いました。
そして、本時の学びを元に、全校での発表に向けて資料の練り直すことを確認しました。

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ロイロノート導入のメリット

最大のメリットは、中学1年生の生徒でも最低限の説明だけでスライド制作が進められる操作性の高さです。「これを伝えるのに、こんなスライドが良いな」という気持ちをすぐに実現することができるため、意欲的な態度で取り組むことができました。

手描き、テキスト入力、写真、動画、インターネット上の画像など、多様な表現が可能なのでプレゼンテーションの形態に合わせた資料づくりが可能な点です。校舎内のバリアフリーを取材する体で動画を撮影し、ニュース番組のように「現場からどうぞ」とつなげるなど、生徒のアイディアが自由に広がる素地を持っていると感じました。

学びの共有を目的に活用することが多かったロイロノート・スクールですが、生徒の表現能力を育成するツールとしても活用できると良いと感じています。


実践の目標

自らの学びを体系的に整理し、発信する能力を育成することができる。

聞き手を想定した発表資料を制作させる。文字の大きさや視覚資料(静止画、動画)の有無、発表の順序立てなどが意図的なものになるよう指導することができる。

情報機器を適切に用い、効果的に聞き手に対して伝えるための技術を身につけることができる。


実践の場面

1. 最終打ち合わせを行う
前時までに制作完了している発表資料をグループごとに確認し、発表の内容の最終確認を行う。スライドを動かしながらリハーサルを行い、聞きやすさを評価し合う班など、発表に向けて最後の準備を行った。

2.【班発表①】視覚障害者の生活について発表する
1番目に発表した班は、視聴覚障害者の生活について、主に不便さの観点からまとめた発表を行った。手描き機能を利用してタイトルをポップな雰囲気で製作し、親しみやすさを演出したり、クイズ形式で視覚障害によって得ることができなくなる情報について問いかけたりと、聞き手を意識した発表を行った。

3.【班発表②】視覚障害者の生活を支える道具を紹介する
2番目の班は、視覚障害者の生活を支える道具を紹介した。主に健常者が使用している道具との差異について発表を行った。点字用パソコンはキーボード部分が点字になっており、ポインタの代わりにボタンが浮き上がって選択部分が分かる仕組みや、文字盤を触れる時計、白杖などの紹介を写真を利用し、部分拡大機能も活かしながら伝わりやすいように発表した。


4.【班発表③】盲導犬の実態について発表する
3番目の班は、視覚障害者を支える盲導犬について、その実態をまとめて発表した。盲導犬の生育、求められる能力、ユーザー以外の人間が盲導犬に接するときの注意点などについてまとめた内容だった。解説図やフローチャート、イラストを入れた手描きの資料を写真に撮って取り込んで活用しており、短い制作時間の中で豊富な情報量を伝えることができていた。

5.【班発表④】私たちにできることは何かについて発表する
最後の班は、街で視覚障害者に出会ったとき、自分たちにできることは何かについて発表した。声のかけ方、先導のしかた、道の伝え方などについて、生徒が健常者役と視覚障害者役で短劇を行い、その映像を教材としてポイントの説明をした。列車に引率した際に座席へ案内しようとすると、座席へ移動すると出入り口の場所が分からなくなるので、と入り口付近に障害者役の子が立った場面では「なるほど」と納得の声が上がっていた。


6. 発表の評価と練り直しを行う
お互いの発表を見合い、資料の作り方や発表の形態について、①見やすさ、②聞き取りやすさ、③理解しやすさの観点に沿って評価をしあった。
生徒の実感として、長文を画面に出すよりも、図表にまとめたり写真・映像で具体を示したりする方が分かりやすい、キーワードを絞って示すべきだ、などの声が出ていた。本時の学びを元に、全校での発表に向けて資料の練り直すことを確認した。

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