【授業見学レポート】共有ノートで実現 協働的な学びと個別最適な学びの実現ーロイロバースーー城南学園小学校授業見学レポート
ロイロ認定イノベーターの荒濵先生は、共有ノート上で児童が相互参照を行いながら複線型の授業を進める「ロイロバース」を実践されています。
2024年10月16日に荒濵先生の授業を見学させていただけました。
参考リンク 【ロイロ認定校】城南学園小学校(大阪府)
参考動画 「相互参照で協働的に学べる 共有ノートdeロイロバース」
目次
共有ノートで複線型の授業を実現ー個別最適な学びと協働的な学びの両立ー
前時までの復習と目当ての提示
前の時間までに学習した内容と本日の目当てが提示されました。
前時で学習した平均の求め方を確認するとともに、本日取り組む課題が提示されました。目当ても最初から提示するのではなく、ロイロバース上の前時までの学習カードや、振り返りカードを確認しながら児童と対話を進め、興味を引き出しながら提示していきました。
ロイロバース上で考える
「みかん500個あたりから、みかんジュースは何mL作ることができるのか?」という課題に対して、児童は共有ノート上で考えていきます。
共有ノートは4つのセクションに分かれており、自分の段階に応じてノートを移動していきます。
自己解決のスペース
まず最初は自分で問題について考えます。自分で考えている間は共有ノート上の「自己解決のスペース」で解いていきます。児童は「解法を閃いた=ピンクのカード」・「まだ迷っている=緑のカード」・「どうしていいかわからない=白のカード」といった形で自分の理解度を色で示しながら進めていきます。
つなげるスペース
次に解法がわかったら、「つなげるスペース」にカードを移動します。ここでは、児童同士がお互いに考えを共有し、解法を深めていきます。
お互いに直接話し合って、考えを深める児童もいれば、他の児童のカードを見て、独自に考えを深める児童もおり、協働的な学びと個別最適な学びを両立させることができていました。
白いカードを出した児童がいたら、ピンクの色の児童に質問に行ったり、逆に、すでに理解を深めている児童が教えに行ったりなどの双方向の学びが実現されていました。
深めるスペース
児童同士の考えの共有が終わり、解き方への理解が深まったら、「深めるスペース」にカードを移動します。ここでは、児童が類題を考え、問題を作成する活動を行います。
児童は、「題材を変えてみる」「数値を変えてみる」などのヒントをもとに、独自で問題を作成することで、算数の見方考え方がより身についていきます。
振り返りスペース
最後に振り返りスペースに、本時の活動の振り返りを記入していきます。
児童は本日の取り組みへの自己評価と、本日で学んだことを自分の言葉で振り返り、次回の学びへとつなげていきます。
ロイロバースの実践でどう変わったか
荒濵先生から、ロイロバースの実践を通じてどのような変化があったかお話しいただけました。
ロイロバースのメリット
ロイロバース実践のメリットとして、「クラス全体の様子を先生も児童も見とることができる」「児童が相互に関わりながら自走するようになる」という2点を挙げられました。それぞれのメリットと、それに伴う児童の変化についてご説明いただけました。
クラス全体の様子を先生も児童も見とることができる
ロイロバースを使うことで、クラス全体の児童の様子をみとることができます。
先生がクラス全体の様子を見とって、全体向けに説明を加えることができるだけでなく、児童同士もお互いの進捗を見とれることで、自然と児童同士の対話を生み出すことができます。
また、お互いの進捗を見れることで「わからないのは自分だけではない」「困ったら他の児童に聞けばいい」という心理的安全性が生まれ、教科の学びだけでなく、学級経営にも大きなプラスになるそうです。
児童が相互に関わりながら自走するようになる
荒濵先生は授業を通じて、児童に「自走する力」「他者を巻き込む力」「自分の考えを他者に表現する力」を身につけてほしいと考えておられます。
ロイロバースの実践では、わからないところがあった児童は自分から他の児童に聞きに行ったり、逆に、すでに解き終えている児童がまだ解けていない児童に働きかけ、「全員が理解できるようになる」ことを目指すようになっていきます。そのため、ロイロバースの実践を通じて、自走しながら学びを深める集団作りが進み、児童一人一人も他者と関わり学びを深めたり、他者との対話を通じて合意形成をしていく力を身につけていくことができるようになりました。
授業における先生の役割
荒濵先生の授業では、先生の役割は「今まで持っている力の確認して、新たな学びに出会う伴走者」であると考えておられました。授業中もロイロバースを使って、児童の理解度を見とった上で、全体にヒントを出したり、考え方のまとめを行なうなど、あくまで、学びの主体は児童であり、先生は児童の取り組みを確認し、気づきを与える役割に徹していました。
先生が教え込むのでも、放任するのでもなく、児童の主体性を伸ばしながらも、児童の新たな学びを支える役割を担っておられました。
今後の展望
今後の展望として、荒濵先生は、「児童にさらに「学び方」を学んでほしい。授業の外でも、協働的に他者に関わりながら自走していけるようになってほしい」とお話しされていました。
現在のロイロバースの実践では、児童は「まずは自分で考える(=自己解決のスペース)」「他者に自分の意見を共有する(=つながるスペース)」「得た学びをもとに、新たなものを作り出す(=深めるスペース)」「自らの実践を振り返り、次につなげる(=振り返るスペース)」という4つのフェーズで活動しています。
これは、授業だけでなく、さまざまな活動に応用できます。授業での協働的な学びと個別最適な学びを両立した実践を軸に、児童がより自走した「学び方を学ぶ」ことを今後一層目指されるとのことでした。
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