立命館守山中学校・高等学校「公開授業・ロイロノート公開研修会」2026

1. イベントの基本構成
開催日と場所: 2026年6月17日、ロイロ認定校である立命館守山中学校・高等学校にて開催されました。
目的: 1人1台端末の導入から10年以上の歴史を持つ同校の授業公開と、全国の実践者によるワークショップを通じて、ICT活用の知見を共有することです。
当日の流れ: 午後に中学・高校の公開授業が行われ、その後16時から「公開研修会」としてセミナーやワークショップが実施されました。
2. 公開授業におけるICTの実践
授業では、ロイロノート・スクールなどの端末が、単なるツールの枠を超えて日常的に活用されています。
教科での活用: 英語の文法構造(句や節)の分析、数学の係数計算や確率(Cの計算)、地理の地形確認など、多様な場面で生徒が端末を操作しています。
能動的な学習: 教員は「座学の時間を減らし、アクティブな時間を増やす」ことを意識しており、生徒の回答をリアルタイムで共有・添削する場面が見られました。

3. セミナー・ワークショップの主要トピック
研修会では、より高度で理論的なICT活用の手法が紹介されました。
SGベンズ(ステンドグラスベンダイアグラム): 3つの円が重なるベン図を、教員が「SGベンズ」と命名し、複雑な社会問題の構造化に活用することを提案しました。これは、2つの比較では不十分な事象を分析するための「最高峰のシンキングツール」として紹介されています。
自己調整学習と「レギュレート・フォーム」: 生徒が自ら学びを管理する力を育てるため、授業前後にメタ認知を促す「レギュレート・フォーム」が活用されています。これにより、生徒が自ら次の課題を見つけ、宿題を出さずとも自律的に学習を進める姿が報告されました。
生成AIの利活用: AIを使ってテスト問題を自動作成(4択形式など)したり、生徒の振り返りシートに対して個別にフィードバックを行ったりする、校務・授業の両面での実践が共有されました。
AR(拡張現実)の活用: 3D構造物の可視化や、空間的な配置を用いた意見共有など、AR技術を授業に組み込む試みも紹介されました。

4. 教育哲学:「ワクワク」と「救済」
イベント全体を通して、以下の教育理念が強調されていました。
ワクパ(ワクワクパフォーマンス課題)と三方よし: 近江商人の「三方よし(先生よし、子供よし、社会よし)」を教育に適用し、生徒の内面から湧き出る「ワクワク」を重視した課題設定が推奨されています。
「救われる」授業の実現: 挙手をする勇気がない生徒でも、ICTを通じて意見が可視化されることで、クラスメイトや教師に自分の考えを認められ、内面が「救われる」ような体験を創出することが大切であると説かれました。