【LEGイベントレポート】AI時代の学習指導~生成AIの教育・校務活用~LEG Fukuoka & ALL Kyushu 2026
2026年6月20日(土)に、福岡県北九州市の敬愛小学校で、LEG Fukuoka & ALL Kyushuの対面イベントが開催されました。
今回のテーマは、「AI時代の学習指導~生成AIの教育・校務活用~」
生成AIの利用が日常的になりつつある現代において、忘れてはいけない心構えや最先端の活用方法まで、幅広く学べるイベントでした。
集合写真
イベントを盛り上げたLEG Fukuoka & ALL Kyushuの龍先生・梅下先生・黒川さん
L1 Fukuoka グランプリ
オープニングイベントとして、ロイロノートを活用した授業実践を4分間でプレゼンする「L-1 Fukuoka グランプリ」が開催されました・
5名の先生方による熱いプレゼンバトルが繰り広げられました!
ロイロの良さをAIで加速させる社会科授業(エキシビジョン)
登壇者 坂本秀一 先生
教科書画像の上に気づきを書き込み、シンキングツールに切り替えるなど、ロイロノートならではの活用法をご紹介いただきました。また、あらかじめプロンプトを仕込んだ生成AIを子どもたちに共有し、歴史上の人物にインタビューを行う体験など、生成AIを使うことで子どもたちの学びが広がる様子をお話しいただきました。
単元目標を意識させる外国語学習~スキット活動を通して〜
登壇者 重藤 拓也 先生
言語活動と単元目標を大事にした外国語活動の授業デザインについてご紹介いただきました。特に単元のゴールを子どもたちが意識し続けることが難しいため、最後の言語活動(創作物)や言語材料を子どもたちに共有していると話されました。この2つを押さえておけば、そこから先は班ごとに共有ノートを使って活動を進めることを促し、自律的に進めることができると語られました。
特別支援における ICT 活用〜知的学級での個人の発達に合わせた指導について〜
登壇者 石橋 真帆 先生
特別支援学級の子どもたちだけでなく、通常学級でも実践することができる活用についてご紹介いただきました。「カードがバラバラになる」という子どもたちの課題感を解決するために、学習内容を1枚にまとめるデジタルポートフォリオの実践をご提示いただきました。単元ごとにまとめ、領域ごとに整理していくことで自分ならではの参考書となり、いつでも自分の学びの足跡を振り返りながら学びを進めることができると語られました。
スタディログと AI を活用した社会科授業実践について
登壇者 吉村 祐介 先生
歴史分野の中世の日本の実践について、ご紹介いただきました。登場人物が多く様々な人間関係が蠢く時代を子どもたちが武将カードでバトルしながら楽しく理解できる活動をご提示いただきました。楽しく活動するだけでなく、カードの中身を編集したり、年表を背景にしたスタディログにまとめたりする活動を通して、時代の流れや歴史的事象を関連づけながら、思考することができると語られました
教務必携としてのロイロノートの活用
登壇者 岩﨑 敬 先生
先生がロイロノート上で、どのように単元構成を練り上げるのか、どんな資料を入れておくと便利なのか、実際のノート画面をご提示いただきながらご説明いただきました。特に体育科の授業においては、子どもたちの実際の動画や写真を教材に組み込むことができるため、子どもたち一人ひとりに沿った教材を提示できると話されました。また、撮り溜めた記録を次年度以降も使うことができる学びの連続性についてもお話しいただきました。
「次なにやる?」が止まらない! 鉄棒 × ロイロノートのゲーム化実践
登壇者 田村 和也 先生
鉄棒運動にゲーム要素を取り入れることで、待ち時間が多い・苦手な子が止まるという課題を解消できると話されました。スキル(技)だけでなく、コンボ(組み合わせ)・セーブ(動画撮影)など、様々なカードを用意しておくことで、子どもたちは「カードを集めたい」という意欲を持つことができます。この工夫を通して、技を教える授業から、子どもが自ら選び取る授業への転換が図れると言及されました。
[L1 Fukuoka グランプリ初代チャンピオンは、田村和也先生でした!]
講演1:AI時代の学習指導グランドデザイン―「調べる」の高速化の先にある大学の人文学研究の深まり
登壇者 都留文科大学 教授 野中 潤 先生
生成AIが生み出す学生の思考と談義〜AI時代における大学講義〜
生成AIの活用を前提とした大学の講義デザインをご紹介いただきました。「国語教育学概論」という授業で、学生がシラバスのテーマに基づきAIでディープリサーチを行い、音声入り解説教材を自作して反転学習に活用している事例が紹介されました。また、ゼミでは、GemなどのAIと対話しながら、学生が授業案を練り上げている様子をご提示いただきました。
特に反転学習の事例では、「AIの活用によって知識を持った状態で議論や講義に臨むことができる」「ライティングの技量も高めることができる」という良さについても述べられました。
AI時代における卒業研究・論文の作成
生成AIを前提にした卒論指導の実践をご紹介いただきました。研究テーマをディープリサーチすることで、文章自体は簡単に作成することができます。AIを使えば長文レポートの作成も可能になる一方で、「自分はどうしたいか、どう考えるのか」を起点に探究を深めていくことが大切だと語られました。
さらに、学生ごとの個別Gemを構築し、資料をもとに継続的な助言を行っていると話されました。これにより、専門外のテーマに対しても多角的なフィードバックを送ることが可能となります。一方で、対話によるフィードバックも大事にされていて、中間発表では、事前に発表動画を作成・視聴し、講義の多くの時間を相互フィードバックに充てているとのことでした。
講演2:授業における「生徒が使う生成AI実践例」と「先生のための生成AI活用術」~ロイロノート連携で実現する、現場のリアルな実践~
登壇者 大商学園高等学校 中村 天良 先生
AI活用を学校の仕組みにするために越えるべき壁
生成AIを活用するにもかかわらず、業務が楽にならないという声があります。学校現場が越えるべき3つの壁として「属人化」「陳腐化・偏重」「出しっぱ」の3つが提示されました。
改善のためにまずは、共有ドライブや共有フォルダなど、所属先で最も使い慣れた場所に成果物を保存し、5秒で蓄積できる状態をつくることが大切だと話されました。また、最新情報や過去の資料、生徒の提出物などをAIに参照させるグラウンディングの必要性や、目的に応じたAIの使い分けが大切だと語られました。
生徒も意識するFast AIとSlow AI
先生も生徒も、Fast AIとSlow AIを使い分けていくことが大事だと語られました。AIには、作業を速くするFast AIと、思考を深めるSlow AIがあります。速いAIで時間をつくり、遅いAIで思考を深める流れが理想的だと語られました。
例えば、スライド生成はFast AIの得意分野であり、資料作成にかかる時間を短縮することができます。大切なのは、Fast AIの活用で時間が生まれるため、授業の多くの時間を内容の吟味・対話によるブラッシュアップ・質疑・振り返り等、授業の最も大事な部分に時間を費やすことができると語られました。
講演3:【教師が主導権を握る生成AI】Briskで実現する「安全な生徒のAI活用」と「校務の時短」
登壇者 東奥義塾高等学校 塾長 井上 嘉名芽 先生
Briskを用いた個別フィードバック
教育に特化した生成AI、Brisk Teaching AI(以降Brisk)とロイロノートを組み合わせた事例をご紹介いただきました。BriskはGoogle Chromeの拡張機能であり、ロイロノートと組み合わせることで効率的にテストカードや学習資料を作成できます。
生徒が書いたレポートやエントリーシートなどのドキュメントに対して、個別のフィードバックを送る様子を実演いただきました。裏側でルーブリック評価を仕込んでおくことで、狙いに応じたコメントが作成されることを紹介されました。
スライド作成や小テストも、学習ガイドも簡単に作成!
授業のワークシートを元に、小テストを作成できることもご紹介いただきました。また、授業内容をまとめたドキュメントを元に、授業で提示するスライドも簡単に作成できるとお話しいただきました。他の生成AIで作成した画像などと比べて、文字や内容の修正が容易に行えます。。
また、ワークシートを元に、AIと対話しながら自分で学びを進めることができるガイドラインも作成できることをご紹介いただきました。子どもの既存知識を掘り起こしながら対話を通して学ぶことができるだけでなく、理解度を生成AIが分析し進捗を確認できるなど、様々な機能があることをご紹介いただきました。
分科会
最後は、3名の講師によるワークショップが実施されました。
講話を聞く中で、さらに深く実践を聞きたい先生の部屋に参加者が分かれ、ワークショップが実施されました。
手書きの温度、AI の速度―すべての校種、すべての教科で使えるふりかえりのニュー・スタンダード
登壇者 都留文科大学 教授 野中 潤 先生
【明日を変える 30 分ワークショップ】先生のための生成 AI 活用術 ~実践編~
登壇者 大商学園高等学校 中村 天良 先生
【教え合いハンズオン】Brisk を " 自分の端末 " で体験してその場で授業準備しよう
登壇者 東奥義塾高等学校 塾長 井上 嘉名芽 先生
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