ブログ: 色盲と絶対音感.

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(2019/1/19)

絶対音感という能力があると言われている。 ドミソ の音を聞いたときにそれを ドミソ だと判別できるような能力を絶対音感と言うようだ。 ドミソ を聞いたときそれが ドミソ だと判別できるので、絶対音感が有るのだと思う。

ドミソ を聞いたときそれを ドミソ と判別できるのはあたりまえのことだと はずっと思っていた。黄色いものを見たら誰でも黄色だとわかるし、甘いものを食べたら誰でも甘いとわかるし、音を聞いたときどういう音か判別できるのはあたりまえだと思っており、 ドミソ を聞いて ドミソ と判別できない人がいるということを大学生になるまで知らなかった。 は小学生のときはピアノを習ってたし、高校のときは軽音バンドやブラバンをやっていたし、いたって普通の音楽練習環境の中にいたのに絶対音感というものの存在を知らなかったわけである。もちろん絶対音感を習得する練習などやったことがない。

音感に限らず、他人の感覚というのはわからないものである。色盲なのだが色盲じゃない人の感覚は全然わからない。紅葉て何? みたいな。同じように、絶対音感が無い人がどういう感覚で音を聞いているのか全然わからない。匂いの感覚や味の感覚、数学感覚や語学的感覚、すべてそういうものなのだろう。色盲に関しては小学生のとき検査されたためになんとなく認識していたのだが、他の感覚については認識したことはなかった。世の中には味盲の人や匂盲の人も沢山いるのだろうが検査が無いから気付いていないのだろう。

匂いの感覚とか味覚とかで悩んでいる人は多くないと思うが、絶対音感が無いために悩んでいる人は結構いるらしい。音楽家を目指す人の場合、聞いた音が何なのか判別できないと困ったりするからなのかもしれない。しかしすべての音楽家が絶対音感を持ってるわけでもないし、激しく困ることもないのかもしれない。レンブラントやゴッホは色盲だったらしいが素晴らしい絵を残している。

とはいうものの絶対音感があると便利なことがあるのは確かなので、絶対音感が欲しいと思う人は多いようである。子供のときに訓練しないと絶対音感は身につかないという説が有力らしいが、成長してからでも訓練すれば身につくという説もある。塩澤一洋先生は訓練で絶対音感を身につけた経験があるのだそうで、Facebook記事でその経験を書いていた。

成人してから絶対音感を身につけられるかとのご質問にお答えします。できると思います。成人してから新たな外国語を身につけられるのと同じです。
まず前提として、絶対音感が先天的獲得形質か後天的獲得形質か。これは僕の経験から申し上げて、後天的獲得形質です。幼少時に、作曲家の三枝成彰先生からソルフェージュを習ったとき、一緒に絶対音感の訓練も受けた結果、身につきました。【追記:下記のような方法なので、実際に日々、訓練してくれたのは母です。三枝成彰先生からは、その方法論を母が習っておりました】
方法は単純で、一日中何度もなんども「A(442Hz)」の音をピアノなどで聞いて「A(アー)」と答える。その音を声で出してみる。そのうちに、聞かなくてもAの音を自分で声に出して、正確に音程が取れるようになったらOK。
それを1オクターブ、繰り返します。音を聞いて音名を答えられることはもちろんのこと、しばらく経って音の記憶がない状態で、その音を正確な音高で声に出せるか、がポイントです。
あとはオクターブを広げ、重音、三重音、4音、5音と増やして、和声の要素をすべて音名で言え、分解した音を順に自分の声で出せるよう訓練します。
さらに、ピアノで適当にジャーンと複数の鍵盤を押して、鳴ってる音をすべて言えるようになれば、アガリ、です。

塩澤先生はこの他にも絶対音感の不思議という記事も書いている。

というわけで、絶対音感というものはよくわからないものなのだが、興味深い現象には違いないのでいろんな本が出ている。最相氏の本はよく売れたようだが中身はよくわからなかった。絶対音感はクソだと主張する本まであって大変である。身長が高い奴はクソだと言ってるようなもので、あぁそうなんですかーと言うしかない。話題としては面白いので、完全に解明されるまではいろんな説が出たり消えたりするのだろう。

ちなみに、絶対音感がある人は何でもドレミに聞こえるので大変だろうという人がいるようだが、そんなワケはないと言いたい。色盲じゃない人は何でも赤緑青が気になって大変だろうというようなものである。

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