和と平均

和と平均

(2018/4/25)

入試などでは教科の合計点で合否が決まることが多く、これは妥当な採点法だと考えられていると思うが、合計点を教科数で割ったものが平均点なのだから、合計点で評価することは平均点で評価することと同じである。もし「教科の平均点で合否が決まる」と言われたら、「平均で評価するの?」とちょっと疑問を感じないだろうか?
実際、教科が複数ある試験に合格するためには、得意科目の点数を上げるよりも不得意科目の点数を上げる方がはるかに効果的である。80点レベルの数学を90点レベルにするのに比べると、30点レベルの国語を50点レベルにする方がずっと楽だと思われる。得点の和を使うと、特定の科目だけすごく得意な人は試験に落ち、まんべんなく点が取れる人が通ることになる。
試験でなくても何かを比べるとき合計点で比較しがちなことが多いと思うが、それは平均を比較しているのと同じなので、結果的に無難なものが高得点になってしまう可能性が高い。(c.f. 和で評価するとジェネラリストが選ばれる - 西尾泰和のScrapbox)

乱数を10個足したものはなんとなく乱数になるような気がするが、乱数の平均をとると中心値が多くなるように感じられる気がする。もちろん後者の感覚が正しいのだが、うっかり間違えないようにしたいものである。

#ブログ 2018/4/25
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