色覚異常

色覚異常

(2013/10/1)


色盲」という言葉が差別語と思われているためか、最近「色覚異常」という言葉をよく聞くようになった。目が見えない人や状態を「盲」と呼んだり色の区別ができない人や状態を「色盲」と呼んだりするのは、人間の特性を表現しているだけであって、本来差別的な意味は無いはずである。「髪が黒い」とか「背が高い」とかと同じである。「盲」な人間を差別する人がいてはじめて差別になるわけで、「盲」という言葉自体が差別的なわけではない。実際英語では「blind」や「color blind」のような言葉が普通に使われている。

一方、人間に対する「異常」という言葉は言葉自体が差別的である。少数派でありかつ劣っていると思うから他人のことを「異常」などと呼べるのであって、自分が正常だと思ってる多数派が少数派を見下す意味しか存在しない。近視の人間は視覚能力が劣っているのに「視覚異常」と呼ばれないのは、近視の人間が大量にいるからだろう。絶対音感のある人間は少数派なのに「音感異常」と呼ばれないのは、絶対音感がある方が得だと思われているからだろう。IQが200有っても「頭脳異常」とは呼ばれない。色盲の人間を「色覚異常」と呼ぶのは、色盲は少数派でありかつ問題があったり劣っていたりするという一般的な意識を差別的に表現したものである。お前は異常だと言われて嬉しい人などいない。

というわけで、「色覚異常」のような言葉を平気で使う人間は感性が異常なのだと思う。「色盲」と呼びましょう。

(追記 2019/11/9)
「色盲」とか「色覚異常」とかのかわりに「XX型色覚」と呼ぶのが広まってきつつある。良いことだと思う。

#ブログ 2013/10/1
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