予防ヘルスケア×AI(人工知能)に特化したヘルステックベンチャーである株式会社 FiNC Technologiesは、ダウンロード数国内No.1(※1)のヘルスケア/フィットネスアプリ「FiNC」のほか、「FiNC Plus」「FiNC MALL」の計3サービスのFAQサイトにHelpfeelを採用しました。
※1:日本国内 App Store / Google Play「ヘルスケア(健康)/フィットネス」カテゴリにおける1年間(2019年1月~12月)のダウンロード数の合算です/出典:App Annie
今回は、同社でHelpfeelの導入・運用に関わっている3名の方に、Helpfeelを導入した経緯やその効果についてお話を伺いました。
お話いただいた方
プラットフォーム本部 技術開発部 CREグループ
河口 海野 様
プラットフォーム本部 運営推進部 カスタマーサービスグループ
福島 良平 様
小室 美咲 様
──Helpfeelを導入いただいた3サービスの概要について教えてください。
福島様 『FiNC』は、パーソナルトレーナーAI(人工知能)を内蔵し、歩数や食事、体重、睡眠、生理を記録できる基本無料の健康管理アプリです。そして、『FiNC Plus』は『FiNC』の基本機能に糖質管理やアドバイスレポート機能などが追加された有料版となっています。『FiNC MALL』は『FiNC』と連動し、アプリで貯めたFiNCポイントを利用できるウェルネスセレクトショップです。
──カスタマーサポートはどのような体制ですか?
福島様 サービスごとにサポートチームを配置しており、それぞれメールやチャット、FAQサイトでユーザー様からのお問い合わせに対応しています。
──Helpfeel導入前には、カスタマーサポート業務でどのような課題を感じていましたか?
福島様 サービスごとにFAQサイトを設けていたものの、なかなかユーザー様自身による自己解決にはつながらず、結果的にアプリの操作や設定といった基本的な内容を中心に多くのお問い合わせが発生していました。特に、メディアに『FiNC』を取り上げていただいた際には新規ユーザー様が大きく増えることもあり、それに伴ってお問い合わせが多くなり、カスタマーサポートの業務負担が膨らんでしまっていて…。限られた人員でカスタマーサポートの品質を維持・向上していくには、FAQサイトでのユーザー様自身による自己解決を促してお問い合わせ件数を減らしていく必要がありました。
──お問い合わせ件数の削減によってカスタマーサポートの業務負担を軽減するために、FAQシステムの導入を検討されたのですね。一方で、従来、3サービスそれぞれのFAQサイトにはどのような課題がありましたか?
福島様 『FiNC』は他社のFAQシステム、『FiNC MALL』はオープンソースのCMS(※2)、『FiNC Plus』はサービスサイトにコードを直接記載、といった形でそれぞれ異なる方法でFAQサイトを運営していました。そのため、運用が煩雑化してしまっていることが課題でした。
河口様 『FiNC』のFAQサイトで利用していたFAQシステムについては、『UIが使いづらい』『キーワード検索が完全一致のため、検索ヒット率が悪い』といった問題がありました。さらに、契約しているライセンスの都合で特定の担当者しかFAQページを更新することができず、担当者に大きな負担がかかっていました。
福島様 このような状況の中で、3サービスのFAQサイトの運用を、ユーザー様側と弊社側の双方にとってユーザビリティに優れたFAQシステムに統合することで、ナレッジの蓄積を加速させるとともに、日々の分析を通じてFAQサイトを継続的に改善できる環境を構築することが、『お問い合わせ件数30%減』という目標の達成に欠かせないと考えました。
※2:Contents Management Systemのこと
──FAQシステムの移行に向けて、Helpfeelを選ぶまでにどのような検討をされましたか?
河口様 当初は2社のシステムを比較・検討しました。一方は、管理画面が英語のみで導入・運用の手間が懸念されたことから導入は難しいという判断に至りました。もう一方は、商談の過程で想定以上のコストが発生してしまうことが判明したことで導入を断念しました。このような状況を経て、『3サービスそれぞれのFAQページを短期間で移行できる』『FAQシステムとしてもカスタマーサポートのナレッジ共有ツールとしても利用可能で、ランニングコストの低減につながる』という条件にマッチしたFAQシステムを再び探すことにしました。そうした中で候補として浮上したのが、Helpfeelでした。
──どのようなきっかけでHelpfeelのことを知ったのでしょうか?
福島様 当社では、社内のナレッジ共有を目的として以前からCosense(※3)を利用していました。そういった経緯から、担当者さんからHelpfeelをご紹介いただきました。
──Helpfeelの管理画面には御社にご愛用いただいているCosenseが採用されているので、運用しやすいというメリットも導入の決め手になりましたか?
小室様 仰る通りです。打ち合わせの議事録を作成したり、ちょっとしたことをメモしたりする時など、あらゆる場面でCosenseをフル活用しています。そのため、同じような感覚で手間なくFAQページを作成したり、ナレッジを共有したりできると感じました。
河口様 実際にユーザー様視点でHelpfeelの操作性を確認してみると、キーワード検索性能がとても優れていると驚きました。正直なところ、既存のFAQシステムの使い勝手に問題を感じている反面、どのシステムも機能面ではそれほど差はないだろうとも思っていました。しかし、Helpfeelは、実際に使ってみてすぐに他のFAQシステムとの違いが分かり、現場としてはすぐに『Helpfeelを導入したい』という雰囲気になりました。
※3:Cosense(コセンス)は、Helpfeelが開発したあらゆる情報を整理することができる画期的な知識共有サービス
──Helpfeelをお選びいただいてからどのくらいの期間で移行が完了できましたか?
小室様 2020年7月初旬にキックオフを行い、3サービス合計176のFAQページを従来システムからHelpfeelに移行して2020年8月中旬にリリースしました。
──移行にあたって御社側で対応しなければならないことはありましたか?
福島様 弊社側で作業を行うことはほとんどなく、手間はかからなかったです。『こんなに何もしなくていいの?』と驚くほどでした。導入にあたって弊社側で必要だと見込んでいた工数を大幅に下回ったので良かったです。文章の調整や単語帳の作成など、丁寧に対応していただきました。
──導入後はどのような成果が創出されましたか?
福島様 導入後わずか1ヶ月で、お問い合わせ件数を前月比で約40%削減もすることができました。『2020年中にお問い合わせ件数を30%削減する』という目標を、早々に上回る成果につながりました。曖昧な言葉の表現や、感覚的な言葉の表現、スペルミスなどにも対応した優れたキーワード検索性能はもちろん、デザインがシンプルで使いやすいので、FAQサイトのユーザビリティが大きく向上してユーザー様の自己解決に貢献した結果だと思います。
──お問い合わせが減ったことで有人での対応にも変化はありましたか?
小室様 カスタマーサポートのリソースに余裕が生まれたため、メールやチャットで寄せられるお問い合わせに対して、1つ1つ丁寧に、かつ迅速に対応できるようになりました。以前は1次回答をするのに3〜4日を要することもありましたが、Helpfeelの導入後は即日回答できるようになりました。また、複数の担当者がFAQページを編集できるようになったことで、ユーザー様からのお問い合わせを素早く反映できるようになりました。
──3つのサービスのFAQを統合したことにはどのような効果がありましたか?
福島様 メンテナンスがしやすくなったのはもちろんのこと、『FiNC』を無料で利用するユーザー様が、有料サービスである『FiNC Plus』や、『FiNC MALL』のことを知る導線ができるようになったというのも大きな成果の1つです。FAQサイトをきっかけに、無料会員から有料会員への転換が加速することも期待しています。
──Helpfeelを導入後はどのような取り組みをされていますか?
福島様 月に1回、Helpfeelのカスタマーサクセスの方と定例ミーティングを行っています。検索ヒット率や離脱率など、細かな指標でレポートをあげていただけるので、数値ベースで次のアクションを検討することができます。また、検索結果はユーザー様のニーズを知る上での貴重な情報でもあるので、今後アプリの改善や新規事業にも役立てることができると考えています。
──ありがとうございました。最後に、Helpfeelの感想や今後の展望をお聞かせください。
河口様 最近のユーザー様の傾向として、チャットや電話で直接人が対応するよりも、自分で問題を解決する『セルフサービス型』の体験を求めていると言われています。Helpfeelはまさにセルフサービス型の顧客対応を実現する上で最適なツールと言えるのではないでしょうか?お問い合わせが減ることで、企業は顧客対応から解放され、浮いたリソースでサービスのアップデートを行うことで顧客満足度の向上が実現できると思います。
福島様 システムの移行を検討する際、機能性やコスト面に注目することも大切ですが、Helpfeelはそうした導入メリットに加えてカスタマーサクセスが非常に丁寧で優秀でした。こちらのリソースが足りなくても問題なく移行できますので、同じような課題をもつ企業にはおすすめのFAQシステムです。