2009年に創業したラクスル株式会社。ネット印刷・集客支援のプラットフォーム「ラクスル」をはじめ、物流のプラットフォーム「ハコベル」、運用型テレビCMサービスの「ノバセル」、ソフトウェア管理とハードウェアの調達から保管・キッティングまでのオペレーションをワンストップで担うコーポレートITのプラットフォーム「ジョーシス」など、幅広い領域で事業を展開しています。
そんな同社は、事業成長と顧客対応品質向上を両立するためにネット印刷「ラクスル」のウェブサイトにHelpfeelを導入しました。今回は、同社 ラクスル株式会社 執行役員 ラクスル事業本部COO 高城 雄大 様に、Helpfeel導入の経緯や効果についてお話を伺いました。
── はじめに、「ラクスル」ではお客様からのどのような問い合わせに対応しているのかを教えてください。
初めてラクスルを利用される方を中心に、基本的な注文の仕方やデータ入稿の方法などに関する問い合わせが多いですね。
これまで長きにわたって、印刷はオフラインサービスとして提供されてきました。そのため、オンラインで注文可能なEC型の印刷サービスを利用するのが初めてという方が少なくありません。このような方にとっては、例えば印刷用紙1つをとっても、厚みや艶感が異なる非常に多くの種類が存在しているため迷ってしまいます。また、データ入稿についても指定されたデータ形式や手順にしたがって行う必要があります。
そして、このような初めてご利用いただく方にとって、ストレスなく「ラクスル」のサービスをご利用いただくために、カスタマーサポートは非常に重要な役割を担っています。
── カスタマーサポートの一貫として、以前から利用者向けのFAQを公開していたと伺っています。以前のFAQにはどのような課題がありましたか?
約700ページのコンテンツを用意していたものの、キーワード検索時にFAQページが1件もヒットしない no hit 率が約40%にものぼっていました。そのため、FAQ上での“お客様自身”による疑問やトラブルの解決にはつながっていませんでした。
no hit 率 が高かったのは、印刷業界特有の多岐にわたる表現を従来のFAQでは吸収しきれていなかったからだと考えています。例えば「チラシ」のことを、「パンフレット」「フライヤー」「ペラ」などと言い換えることってありますよね。また、「シール」も「ステッカー」「ラベル」といった表現に言い換えることも珍しくありません。
さらに、従来のFAQは検索ワードに対して完全一致する表現がコンテンツ内に含まれていないとヒットしなかったので、こうした言い換え表現を吸収できずに no hit になってしまうケースが多かったんです。
そのため、FAQ上でお客様を適切なページに誘導できず、カスタマーサポート部門が有人対応すべき問い合わせも削減できなかったので、業務負担が大きい状態が続いていました。
── FAQが充実していたにも関わらず、それぞれのページに対してお客様を適切に誘導できておらず、問い合わせ削減につながっていなかったのですね。
おっしゃる通りです。こうしたなか、TVCMをはじめとする様々なマーケティング活動によってお客様の数も増えており、これまで以上に事業成長が加速していました。
お客様が増えれば、当然ながら問い合わせ数も増えます。サポートメンバーを増員して対応することも選択肢の1つですが、事業成長に比例してサポートメンバーを増員し続けるというのは経営上理想的な状態とは言えません。一方で、お客様側も、すべての方が電話やチャットによる有人対応を求めているわけではありません。「できるだけ自分で問題を解決したい」と考える方もいらっしゃいます。
そこで、サポートメンバーを増員することなく、限られた人的リソースでより高品質なカスタマーサポートを実現するために部門横断的なプロジェクトを立ち上げて、まずは既存のFAQページを徹底的にブラッシュアップしました。
FAQページをリニューアルした結果、有人対応を要する問い合わせの割合を約20%削減することに成功しました。一方で、FAQページのブラッシュアップだけではこれ以上の問い合わせ率削減は難しいということがわかり、FAQシステムの導入を模索することになりました。その中で出会ったのが、Helpfeelです。
── Helpfeelを知ったきっかけを教えてください。
とあるイベントで、Helpfeelさんの代表取締役である洛西さんとご一緒する機会があり、その際にHelpfeelをご紹介いただきました。実際に導入している企業のFAQサイトも拝見して、すぐに「これならFAQをもっと有効に活用して、事業成長と顧客対応品質向上を両立できる!」と直感しましたね。
── Helpfeelに対して、具体的にどのような印象を受けましたか?
私自身も実際にHelpfeelを導入している企業のFAQサイトでいろいろと検索をしてみたのですが、検索キーワードを入力した際のレスポンスの速さやフレキシブルさに本当に感動しました。また、弊社と同じEC領域の名だたる企業をはじめ、数多くの導入実績があることも安心材料になりました。
また、カスタマーサクセスによる手厚い伴走支援が付帯していることもHelpfeelに魅力を感じた理由の1つです。FAQの分析や改善に相当な手間がかかることはよくわかっていたので、そこを伴走支援してもらえることは渡りに船だと思いました。
── Helpfeel導入後の効果について教えてください。
Helpfeelを導入してからわずか1週間で、検索ヒット率が50%も向上しました。同時にno hit率が約32%減少しました。Helpfeel導入によって、お客様をより確実に適切なFAQページへと誘導できるようになったと感じています。
「PDCAを回しつつ、導入してから半年後くらいから少しずつ効果が出てくるかな?」と想定していたので、非常に短期間で高い改善効果が創出されたのでとても驚きました。
── Helpfeel導入後、TVCM放映期間中のカスタマーサポート業務の負担に変化はありましたか?
TVCMはやはり反響が非常に大きく、放映時には新規のお客様が急増します。それに伴って当然問い合わせ件数も増えるわけですが、昨今は新型コロナウイルスによる緊急事態宣言の発令や解除など、情勢の変化によって新規発注あるいはキャンセルなどが頻発して、想定以上にお客様からの問い合わせが増えました。
一方で、Helpfeelを導入していたことでお客様自身による疑問やトラブルの解決を促進できたので、有人対応すべき問い合わせの増加を抑止できたと思っています。このタイミングでHelpfeelを導入していなかったら、カスタマーサポートに問い合わせが殺到してオペレーションが回らなかったかもしれません。
── ありがとうございました。最後に、Helpfeelへの感想や、御社事業における今後の展望などをお聞かせください。
Helpfeelの導入により、顧客体験を大きく前進させることができました。課題を自己解決し、スムーズに利用できることはリピート率の向上にもつながるはずです。
Helpfeelは、カスタマーサポートをコストセンターと捉えるのではなく、オペレーション品質を事業価値にしていきたいと考えている企業にとってはとても有力な武器になるのではないでしょうか。
今後のカスタマーサポートにおける展望として、オペレーションの質と効率を向上させるとともに、利用者のニーズに合わせて対応チャネルの多様化も検討し、より良い顧客体験を目指していきたいです。