ビジネス領域に特化したグローバルなナレッジプラットフォームを運営する株式会社ビザスク。1時間単位で業界業務の経験者に相談できる“スポットコンサル”「ビザスクinterview」「ビザスクlite」をはじめ、BtoB Webアンケート調査「ビザスクexpert survey」や、社外のプロの業務委託マッチング「ビザスクpartner」など、さまざまなサービスを展開。国内外45万人を超えるアドバイザーが登録(※)し、あらゆる地域、業種、職域で最適な知見のマッチングを実現しています。
そんな同社は、ビジネス課題を抱える法人や個人がアドバイザーと直接やりとりしてインタビュー(Web会議/電話/対面)できるセルフマッチング型の”スポットコンサル”サービス「ビザスクlite」のFAQサイトにHelpfeelを導入しました。今回は、同社 カスタマーサクセスチームの田鍋様・水島様から、Helpfeel導入の経緯や選定理由、効果などを伺いました。
※2022年1月時点
──はじめに、御社のカスタマーサクセスチームの体制や業務内容について教えてください。
水島様 社員とパートを合わせて10名弱の人員で、電話やメール、チャットによるユーザーからの問い合わせに対応しています。
そのほか、依頼内容や登録情報の健全性チェックや、アドバイザーと依頼者のマッチング率を向上させるためのフォロー施策、各種キャンペーンの運用なども行っています。
──さまざまな業務範囲をカバーしているのですね。カスタマーサクセスにおいて以前はどのような課題を抱えていたのでしょうか?
水島様 ユーザーが自分で解決できそうな、いわゆる“よくある質問”が多く寄せられるという状況が前々からあり、事業の成長に比例してさらに増加していました。
多い月だとメールと電話とチャットを合わせて約700件の問い合わせが入っていました。
──対策として何かシステムなどは使っていましたか?
水島様 サービスの提供開始当初からWordPressでFAQを作成し、約160のFAQページを公開していました。
しかし、検索の精度が低く、あまり活用されていなかったんです。例えば「報酬」と「謝礼」のように、同じものを示す言葉でも、ユーザーによって異なる言い回しをすることが多々あります。こうした“表記揺れ”にも対応するために、複数の言い換え表現をハッシュタグとして各ページに登録するなどの工夫もしました。しかし、そうすると今度は関係のないページまで表示されてしまうなど、なかなかうまくいかず…システム自体を見直す必要がありました。
──課題を意識し始めたきっかけがあれば教えてください。
田鍋様 2013年にサービス提供を開始してから2〜3年目の成長フェーズの段階ではあまり課題と感じておらず、むしろ問い合わせを積極的に受けてユーザーの声を拾い集め、サービスの改善に役立てたいと考えていました。
しかし、5年目を過ぎてサービスも成熟してくると、ユーザーからヒアリングしたい内容の方向性が定まってきました。同時に、先ほど水島が話した「サービスの健全性チェック」や「アドバイザーと依頼者のマッチング率の向上」といった他の業務に軸足を置いて、顧客体験の改善や売上の向上につなげたいという機運が高まっていったのです。
こうした背景から、カスタマーサクセスとして事業を次のステージに押し進めるためには、ユーザー自身による問題の自己解決率を高める必要があるという結論に至り、システムのリプレイスを本格的に検討し始めました。
──課題解決に向けて、どのようなサービスを求めていましたか?
水島様 主に2つのポイントを重視しました。
1つ目は、実用的な検索機能でユーザーのニーズに合わせて適切なFAQページを提示できるサービスであること。2つ目は、サポートに問い合わせをする前にFAQサイトを経由する仕組みであることです。
──ポイントを押さえた理想的なサービスを導入するために、他社製品との比較検討はされましたか?
水島様 Helpfeelを含めた3製品を比較検討しました。
事前に評価の指標を設定しました。具体的には、「検索のヒット率」「検索ワードに対する検索結果の精度」「編集や設定のしやすさ」「費用対効果」といった指標です。
──比較の結果、3製品のなかでHelpfeelを選んだ決め手とは?
水島様 まずは機能面です。ユーザーのさまざまな言葉選びに対応でき、ヒット率98%を実現できるということで、検索性能が非常に優れていると感じました。さらにHelpfeelのオプション機能である「問い合わせフォーム機能(※1)」を活用すれば、ユーザーが問い合わせフォームに入力した自然文に対して、Helpfeelの検索をかけることができます。これによって、私たちが求めていた「サポートに問い合わせをする直前にFAQで自己解決を促す仕組み」を実現できると思いました。
また、導入検討時の提案力や、導入後の伴走支援体制にも安心感がありました。こちらが抱える課題に寄り添って、細かい質問にも丁寧に答えていただくことができましたね。
──Helpfeel導入後の効果はいかがでしたか?
水島様 導入前の問い合わせ率(依頼者の数に対する問い合わせの数の割合)は67%でしたが、導入初月には約45%と、1か月で全体の3分の1を減らすことができました。実は、導入4か月後に問い合せ率50%を目標にしていたのですが、早々にクリアしてしまいました。特にチャットにおいては、FAQで解決可能なお問い合わせを約50%削減と、非常に大きな効果を生んでいます。
Helpfeel導入前は、サービス利用中の画面上にチャットでの問い合わせ導線を作っていて、困りごとをすぐに解決できるよう裏では有人対応をしていました。Helpfeel導入後は、チャットの代わりに「ポップアップ機能(※2)」を利用して「お困りの場合はこちら」からいつでもFAQの検索画面を表示できるようにしました。FAQでユーザーが自己解決していただく仕組みを整えることで、現在はHelpfeelで一次解決をし、解決できない場合はチャットや問い合わせフォームへ誘導する導線になっています。このようにチャットでの問い合わせ前にFAQを経由させることで、FAQで解決可能な問い合わせを約50%も削減することができました。
また、先述の「問い合わせフォーム機能」によるところも大きいですね。「ポップアップ機能」でFAQにアクセスしやすい環境を作った上で、さらに問い合わせフォームでも送信間際にFAQのサジェストがありますから、2段構えで自己解決を促進できていると感じています。
この仕組みによって、導入前に課題として感じていた「ユーザーがFAQを見れば自分で解決できそうな“よくある質問”」に関する問い合わせの割合を約30%から17%に減らすことができました。問い合わせの割合も少しずつ減っていくのではなく、想定よりも早い期間で大きな効果が出たと思っています。
運用しながら調整を繰り返し、徐々に良くなっていくイメージをもっていたので、これだけ早く効果が現れるというのは予想外で、本当に驚きました。
──導入後のサポートはいかがですか?
水島様 期待していた通り、手厚い伴走支援でとても助かっています。導入以前はデータを分析してFAQサイトの改善に繋げるということができていませんでしたが、その方法も時間をとってしっかりと教えていただけました。同時に「検索ヒット率」や「問い合わせ率」などのさまざまな分析指標において、どのくらいの数字が適切なのかも説明いただき、改善の目標も立てやすくなりました。
──今回大きな改善効果が得られたのは、水島様の熱心な取り組みがあったからこそだと思いますが、どのようなことを心がけていらっしゃいますか
水島様 一人ひとりのユーザーと深く関わる中で得た気づきをプロダクトにフィードバックし、全体の顧客満足度の向上につなげることがカスタマーサクセスの役割だと思っています。ユーザー一人ひとりのニーズを理解することと、プロダクト改善のPDCAをスピーディに回すこと。両者を同時並行で進めるためにも、まずは問題の自己解決率を高める必要があると強く感じ、本施策には精力的に取り組ませていただきました。
──ありがとうございました。最後に、Helpfeelへの感想や、御社事業における今後の展望などをお聞かせください。
田鍋様 スタートアップの企業でプロダクトが洗練されていない段階では、ユーザーへの情報提供が不足してしまったり、逆に過多になって煩雑化してしまったりといったことが起こりがちです。そうした課題を解決するサービスとして、ユーザー自ら情報をとりにいった際にスムーズにコンテンツにたどり着けるHelpfeelは非常に有効だと思います。これを社内で実現しようと思うと大変なため、社外に専属の検索エンジニアが増えたような感覚です。
また、Helpfeelは伴走支援の手厚さも魅力のひとつですね。水島が高いモチベーションで効果的にFAQの改善活動を進めることができたのは、Helpfeelのみなさんのご支援があったからこそだと思います。
水島様 Helpfeelを導入することで、ユーザーが困ったときに自己解決しやすい環境がようやく整いました。これから事業がさらに成長し、ユーザー数も増えていく見込みですが、Helpfeelをうまく活用し、カスタマーサクセスの限られた人数でも効率的に対応して、より良い顧客体験を目指していきたいです。