コールセンターを立ち上げる際は、まず目標を設定します。一般的な目標管理手法としてKPI/KGIとOKRがあります。
まずは目指すべきものを指し示して目線を合わせ、オペレーターに具体的な運営方針、達成すべき数値目標を示し、改善サイクルを回しながら、対応品質を向上させていきます。
KGI(Key Goal Indicator/重要目標達成指標)を設定します。KGIとは、コールセンターを立ち上げる目的や方針で、具体的な数値を含んだ指標です。
たとえば、「対応満足度90%を達成する」や「解約率を5%以下にする」など、具体的な数値を含んだ目標が一般的なKGIの例です。まず、KGIを設定することで、運営方針を明確化します。そして、KGIを達成するために必要な指標をKPI(Key Performance Indicator/重要業績評価指標)として設定します。
どのようなKPIを設定するかは、コールセンターのKGIによって異なりますが、以下の項目が一般的です。
コールセンターのKPIについては、下記のコラムで詳しく解説をしているので、あわせてご一読ください。
コールセンターの新たな目標管理手法として、OKR(Objectives and Key Results/目標と主要な結果)も注目されています。OKRはアメリカの企業が生み出した目標管理手法で、Objectives(目標)とKey Results(主要な結果)という、2つの要素で構成されているのが特徴です。
目標達成までのプロセスを数値化して定量的に計測するKPIと異なり、OKRでは定性的な目標を設定して、達成率60~70%程度を目指します。
コールセンターでのOKRの導入については、下記のコラムで詳しく解説をしているのであわせてご一読ください。
目標を決めたら、次は業務内容を設計します。コールセンターでの業務を洗い出し、通常の業務フローはもちろん、下記の項目も一緒に設計します。
そして、業務工数からどれだけのオペレーターが必要か、どのような組織体制で運営していくのかなど、組織体制を決めます。特に大規模なコールセンターを立ち上げる際は、効果的な運営のために、しっかりした組織体制の設計が必要です。
どのような役割の人員を何名配置するのか、それぞれにどのような役割を与えるのかを設計し、組織図を作成します。
組織体制が決まったら、どのような人材をどのような条件で採用するのか、業務規模に必要な人数のオペレーターやスーパーバイザー、管理者の採用計画を設計します。
スーパーバイザーや管理者はコールセンター運営において非常に重要なポジションであり、その後の人材育成にも関わるため、慎重に採用条件を設定する必要があります。
コールセンター業務をおこなうためには、システムの導入が欠かせません。コールセンターでは、オペレーターが使用するパソコンや電話のほかにも、多くのシステムが必要です。
多くのコールセンターでは、CRM(Customer Relationship Management/顧客関係管理)を使って顧客情報を管理します。
CRMは、顧客情報や顧客との過去のやり取り履歴を記録することが可能です。顧客に関する情報をCRMに集約しておけば、次回の対応がスムーズに運ぶことから、業務効率化や顧客満足度の向上といった効果を得られます。
CTI(Computer Telephony Integration/コンピューター電話統合)は、電話とパソコンをつなぐシステムです。
CTIを利用すれば、顧客から着信があった際にCRMから自動で顧客情報を引き出すことが可能です。顧客情報を手動で検索する必要がなくなるため、コールセンター業務の効率化には欠かせないシステムです。
PBX(Private Branch eXchange/電話交換機)は、顧客からかかってくる電話以外に、発信や内線通話ができます。また、前述したCTIの顧客情報を検索する機能は、PBXとの連携が必要です。
コールセンターの運営には、目的に合ったネットワーク環境の整備が必要です。コールセンターでは多くの個人情報を取り扱うため、ネットワークに対する厳しいセキュリティ体制が求められます。
オペレーターの対応品質をチェックする際、コールセンターでは通話録音システムを利用します。録音された内容をスーパーバイザーや管理者が確認し、オペレーターへフィードバックを繰り返すことで、対応品質の向上が可能です。
顧客の対応方法に関する情報を、社内マニュアルとしてFAQ(Frequently Asked Questions/よくある質問)に集約します。顧客対応に必要な情報が素早く見つかるFAQを設置すれば、経験の浅いオペレーターでも一定の対応品質を保つことが可能です。
コールセンターでは、管理者向けのマニュアルと、オペレーター向けのマニュアルが必要です。それぞれのマニュアルは、以下のような内容に分かれます。
管理者用のマニュアル
オペレーター用のマニュアル
管理者用のマニュアルは、業務プロセスの円滑な管理に必要なもので、主にマネジメントを円滑に行うための内容となります。オペレーター用のマニュアルは、新人からベテランまで誰でも理解できる、わかりやすい内容にする必要があります。
コールセンターの研修は、実際の顧客とのやり取りを想定したロールプレイング研修が一般的です。顧客役とオペレーター役に分かれて、さまざまな問い合わせへの対応をシミュレーションします。
マニュアルを読むだけでは、現場でスムーズに顧客対応できないおそれがあります。そのため、実践を想定しておこなわれるロールプレイング研修は、コールセンターにおいて重要かつ有効な研修となります。
コールセンターの立ち上げには、主に以下のような費用がかかります。
コールセンターを立ち上げる場合、電話機やパソコン、インターネット回線などを用意しなければなりません。また、CTIやPBXといったシステムの利用料が発生します。
さらに、コールセンターを設置するオフィスの賃料、オペレーターや管理者などの人件費も必要です。また、人材募集をおこなう際の広告費も必要です。
コールセンターを立ち上げるには大きな初期投資が必要です。また、コールセンター業務はクレーム対応や激務のイメージから、応募が集まりにくく、離職率も高い傾向にあります。時期や曜日などによって繁閑の差が激しいケースがあるため、闇雲にオペレーターの数を増やすことは得策ではありません。
コールセンターを立ち上げる際は、まず問い合わせ数の削減を検討するのがおすすめです。FAQやチャットボットを活用して問い合わせ数を削減できれば、少ない人数でコールセンターを運営できるため、立ち上げや運営にかかるコストを削減できる可能性があります。
弊社が開発・提供するFAQシステム「Helpfeel」は、ユーザー向け公開FAQと社内FAQの2種類があり、問い合わせ数削減を目的とした活用と、社内マニュアルとしての活用が可能です。
Helpfeelは導入時のFAQサイト構築やコンテンツ移行などを、専任のチームが担当します。さらに、運用中の分析から改善提案まで手厚い伴走支援が付帯しているため、工数が増える心配もありません。
ユーザー向けFAQの導入事例としては、ペット保険「わんデイズ・にゃんデイズ」を提供するリトルファミリー少額短期保険株式会社があります。
リトルファミリー少額短期保険株式会社は、サービスをローンチして以降、想定よりも早いペースで契約数が増加していました。FAQコンテンツを公開していたものの、顧客が必要な情報を見つけられず、多くの問い合わせが発生する状況でした。
そして、問い合わせに対応するためにオペレーターを増員した結果、コールセンターの運用コストがかさんでしまうという課題に直面しました。
Helpfeelを導入したところ、問い合わせ数は20%以上減少し、課題となっていたコールセンターの運用コストを削減することができました。顧客を自己解決へ導くことが可能なFAQを構築して問い合わせ数の削減に貢献します。
社内FAQの導入事例としては、美容や健康にまつわる商品ブランドを展開する株式会社アイムが挙げられます。株式会社アイムのコンタクトセンターでは、複数拠点におけるナレッジ共有に課題を抱えていました。
社内FAQとしてHelpfeelを導入した結果、オペレーターが必要な情報をどこの拠点からでもスムーズに取り出すことができるようになりました。情報の更新や新しい情報の公開が容易になり、低工数でナレッジの共有ができるようになりました。
コールセンターの問い合わせ数を削減したい、社内のナレッジ共有をスムーズにおこないたいとお考えの方は、ぜひHelpfeelについてお気軽にお問い合せください。