チャットボットとは、ユーザーからの質問に対し、ロボット(bot)がチャット(chat)による回答・対話をしてくれるツールです。24時間365日、時間を問わずにリアルタイムでユーザーの課題を解決してくれることから、多くの企業が導入を進めています。
近年では、コールセンターのコスト増加が大きな問題となっています。軽微な問い合わせに対応するための人員確保が必要となり、結果として企業全体のコストを圧迫するという事例も少なくありません。そのため、人的負担増の大きな要因となる軽微な疑問は、ユーザー自身での自己解決が望まれており、チャットボットは疑問の自己解決による問い合わせ件数削減の手段として、大きく期待されているのです。
チャットボットについては、下記のコラムで詳しく解説をしているのであわせてご一読ください。
チャットボットは、大きく分けて「ルールベース・シナリオ型」と「AI型」に分類されます。
ルールベース・シナリオ型は、想定される質問とそれに対する回答をあらかじめ登録しておき、ユーザーの選んだ選択肢に対する回答を返します。
「○○の使い方を知りたい」「○○を実行したい」などの選択肢からユーザーが答えを知りたい質問を選ぶと、それに対応する回答をチャットボットが自動的に返答します。また、一問一答で答えられない質問に対しては、さらに答えを絞り込むための次の質問が提示されるように設計できるため、高い精度でユーザーの求める回答を返せるのがメリットです。
比較的安価なコストで導入できますが、機能は登録された質問に回答するのみであるため、例外的なトラブルや想定外の質問には対応できません。
AI型は、搭載したAIが対応を繰り返しながらデータを蓄積・学習するチャットボットです。データを取り込むほどAIの学習が進み、精度が高い回答を返せるようになります。また、学習の結果によっては例外的なトラブルに対する対応も行います。身近な例では、iPhoneの「Siri」やAndroidの「Googleアシスタント」がAI型のチャットボットです。また旅行会社や観光地のスポット案内、就職活動における学生へのQ&Aといった場面で、AI型のチャットボットが活躍しています。
ルールベース・シナリオ型に比べると導入のコストは高めですが、長期運用による学習が進むことで、大きな導入効果が期待できます。
チャットボットの導入には、質疑応答のシナリオ作成や教師データによる基礎学習など、事前準備が必要です。
たとえ顧客対応の履歴やマニュアルなどの資料が揃っていても、未経験者が適切なシナリオを作成することは困難です。また運用開始後も、分析と改善を繰り返しながら回答の精度を高めなければなりません。そのため、チャットボット運用の経験者を中心に、導入・運用体制を作る必要があります。
もし社内にチャットボットの導入・運用に精通した経験者がいなければ、チャットボットを提供するベンダーなど専門家に代行してもらう必要があります。
チャットボットは数多くのベンダーが扱っており、それぞれ異なる機能を持っています。自社が求める要件を備えているツールを導入しなければ、十分な成果は得られないでしょう。
例えば、チャットボットの利用状況をマーケティングに活かす目的なら、CRM(顧客管理ツール)との連携を検討する必要があります。また顧客の年齢層が若いようなら、スタンプでの返信やくだけた口調での対応など、顧客層の特性にあった対応を設定するための機能が必要です。自社が顧客対応に求める機能を事前に洗い出したうえで、要件を満たすツールを選びましょう。
実際にチャットボットの運用を開始した後、時には予期せぬエラーが発生します。自社の担当者だけで問題の解決ができない事態に備え、導入前にベンダーのサポート体制を確認しておきましょう。
導入コストが安い一方で「サポートは別料金」「サポートはメールのみ」「導入後のサポートは対象外」など、サポート体制はベンダーによって様々です。また、日本語によるサポートを行っていない海外製ツールもあるので注意が必要です。
さらに、導入後電話でのサポートを宣言しているベンダーであっても、実際にはコールセンターに全く繋がらない場合もあります。あらゆる問題を自社だけで解決できる体制が整っていれば問題ありませんが、もし導入後のサポートを必要とするならば、比較サイトの口コミを含めたサポート体制の調査を行いましょう。
社内に専門的な知識を持つスタッフが在籍しているなら、オリジナルのチャットボットを構築するのも選択肢のひとつです。近年では、以下に紹介するような、数多くのチャットボット開発フレームワークが登場しています。
また、以下のようなメッセンジャーアプリをチャットボットとして組み込むAPIも登場し、より手軽にチャットボットを導入できるようになっています。
自社開発のチャットボットは、企画段階からすべて自社で行う必要があります。希望に合ったデザインや機能を備えたチャットボットを開発しやすいという点は、自社開発の大きなメリットです。しかし、開発にはプログラミングの専門知識が必要なうえ、トラブル発生時のサポートを期待できません。チャットボットAPIは、自社開発できるほどの知識がなくても導入できるようにサポートが充実しています。そのため導入しやすいというメリットがありますが、LINEやFacebook Messengerなどベースとなるメッセンジャーアプリは変更できないため、自由度という点では自社開発よりも劣ります。
また、前述したツールそのものは無料で利用できるものの、開発にあたっては人件費や外注費などのコストが発生します。
チャットボットを自作するのが難しいなら、無料トライアル可能なチャットボットを導入することも選択肢の1つです。トライアル期間の制限はあるものの、一定期間、費用をかけずにチャットボットを運用することでその効果を検証することができます。無料トライアルを経て一定の費用対効果を期待できることを把握した上で有料の正規版を導入することで、チャットボット導入に伴うリスクを低減することが可能です。ベンダーからのサポートを受けられるため、開発の知識がない企業でも安心して導入できるでしょう。
一方で、ツールごとに異なる機能を持っているため、選んだツールに自社が希望する機能が搭載されていないケースも考えられます。
※以降の情報は、2022年8月末時点で各製品サイトに掲載されている情報にもとづきます。最新の情報は必ず各製品サイトでご確認ください。
チャットボットの導入を検討している企業の多くは、問い合わせ対応にまつわる業務の効率化、軽微な問い合わせの削減といった課題を抱えていると考えられます。
チャットボットの導入には膨大な量のシナリオを用意する必要があり、AIの学習にも一定の時間がかかります。また利用者側は、質問を全文記入する必要があるため、負担がかかるという側面があります。問い合わせ対応の工数を削減する手段はチャットボットだけなのでしょうか。
チャットボットの導入・運用が心配な方にご検討いただきたいのが、FAQシステムの導入です。
FAQは「Frequently Asked Questions」の略語であり、Webサイト上などでは「よくある質問」として扱われています。頻度の高い質問に対して回答をセットにしたQ&Aをまとめ、一覧したページがFAQページ、またはFAQサイトと呼ばれるWebページです。
FAQサイトは、質問と回答を並べただけでは使いやすいページにはなりません。FAQシステムは顧客が求める回答を分析し、回答をより顧客が求める内容に改善できるのが魅力です。また、単語入力による検索にも対応しており、利用する顧客の負担を減らした結果、カスタマーサポートの対応にかかる時間も削減できるのです。
「Helpfeel(ヘルプフィール)」は、独自技術である「意図予測検索」により、あいまいな文章や単語による検索を幅広くカバーし、検索ヒット率98%を実現しました。この高い検索ヒット率はFAQを利用する顧客の疑問の多くを解消し、最大で60%以上の問い合わせ件数削減に貢献しています。
さらにHelpfeelは、直感的なUIにより誰でも簡単な操作が可能です。あまりITツールに慣れ親しんでいない顧客層や、FAQの利用に不慣れな社内部門でも安心してご活用いただけます。積極的に質問をしたい方向けのチャットボットと併用すれば、双方の得意分野を活かした手厚いカスタマーサポートの実現が期待できます。
こうしたご希望をお持ちの企業様は、ぜひHelpfeelについてお気軽にお問い合せください。