FAQの記事を改善するポイントの1つ目は、質問に対して「端的に答える」ということ。
悪い例としてよく陥りがちなのが、「余計な情報を詰め込んでしまう」ケースです。親切心で例外的なケースなどを書きすぎてしまい、それが逆に本題をわかりづらくさせてしまうということもあります。
担当者の立場としては、「マニュアルに記載の備考欄の情報もFAQに入れておかなきゃ」といった思いもあるのかもしれません。しかしユーザーの目線に立ち、できるだけ「1つの記事につき1トピック」を意識し、疑問に対して即答するような記事を心がけましょう。
改善ポイントの2つ目は、サービス特有の専門用語や固有名詞の説明を丁寧にするということです。
例えば「ロードサービス」という言葉の意味をご存知でしょうか?これは自動車保険に関する専門用語ですが、車を運転しない私には意味がわかりませんでした。
その用語がどれくらい身近なものか、どれほど内容を理解しているかは、ユーザーによって異なります。例えばサービスを利用したばかりの初心者や、その業界への理解度が低いユーザーがいることを想定すると、専門用語を説明することは必須といってよいでしょう。
記事を改善するポイントを2つご紹介しましたが、「余計な情報は書かず端的に答える」ことと「専門用語の説明を丁寧にする」ことというのはなんだか矛盾していると感じる方もいるでしょう。
この矛盾を解消するのが「リンク」を使うという手法です。文中にリンクを貼り、例外的な内容や専門用語の解説を別ページに外出しすることで、回答本文はシンプルにしつつ、必要な人だけ関連情報にもアクセスできるという、ユーザビリティに優れたFAQになります。
こちらは日本最大級のチケットフリマサイト「チケットストリート」様のFAQにHelpfeelを導入した実際のページです。青字で表示された箇所をタップすると別ページに移動できます。
こうした疑問にリンクで答えられています。
▼FAQシステム「Helpfeel」では、編集画面で外出しする情報のページを作成したうえで、本文中の該当箇所を[ ]で囲むだけで、リンクの設定が簡単に行えます。
FAQの記事を改善するポイントとして、最後にひとつ伝えたいのが、本文中のちょっとした“気配り”です。
例えば、ECサイトを利用していて「今日までに商品が欲しかったのに、まだ届いていない」というユーザーの場合、焦っていたり、苛立っているかもしれません。しかしながら、FAQの回答としては「ご注文後〇日以内に発送します」と簡潔な表現になってしまいがちです。
FAQは基本的には端的な表現で書くべきですが、コールセンターでユーザーに直接対応することをイメージし「もうしばらくお待ちください」「問題ございません」「ありがとうございました」など、ユーザーを安心させたり、お詫びや感謝を伝える一言も添えてみても良いでしょう。
これは各社考え方はさまざまで賛否はあり、書き方も慎重に検討する必要があると思いますが、私たちはFAQにおいて、「ユーザーの目線に立つこと」が何よりも大切だと考えます。