チャットボットとFAQシステムには、どのような特長があるのでしょうか。それぞれの特長や機能について解説します。
チャットボット(Chatbot)は、顧客がチャット上で送信したメッセージに対する自動応答を実現するツールです。
すでに顧客向けのWebサイトにチャットボットを設置している企業が少なくありません。あるいは、LINEをはじめとするチャットアプリ上での顧客対応でチャットボットを活用している企業も見受けられます。
チャットボットは大きくシナリオ型とAI搭載型の2種類があります。
チャットボットは、当初はシナリオ型と呼ばれるものが主流でした。その名の通りあらかじめ人間が設定したシナリオに沿って応答するという仕組みです。
顧客側は「資料を請求したい」「料金を知りたい」「契約方法を知りたい」といったいくつかの選択肢から当てはまるものを選んでチャットボットにメッセージを送るのが一般的です。
一方で、最近ではAIを搭載したチャットボットが出てきました。AI搭載型チャットボットは、実際の顧客応対を通じて学習を繰り返すことで、自ら回答の精度を高めていくことができます。
また、自然言語処理技術を活用することで、選択肢を選ぶだけではなくテキストでのやり取りにも対応したチャットボットも出てきています。
チャットボットについては、下記のコラムで詳しく解説しているので併せてご一読ください。
そもそもFAQ(Frequently Asked Questions)とは、「よくある質問」のことです。実際には質問だけではなく、それに対応する回答(Answer)も含んだ意味合いで使われています。
FAQシステムとは、FAQページの作成・管理・分析といった機能を持ったツールです。FAQサイトそのものの管理はもちろん、カスタマーサポート部門やコールセンターにおける顧客対応ナレッジの一元化を目的に活用している企業も少なくありません。
FAQシステムは、主に下記のような機能を備えています。
▼下記のコラムで最新のFAQシステム14製品の機能や価格を解説しているので併せてご一読ください。
チャットボットとFAQシステムの代表的な違いについて解説します。
FAQはWebページに質問と回答を記載するケースが多く、複雑な質問に対しては長文で解説できます。また、必要に応じて図や表、写真や動画などを用いた回答も可能です。
一方、チャットボットは専用のトーク画面でユーザーとやりとりをします。回答は基本的にテキストのみで、長文にも向いていません。このように、FAQとチャットボットはユーザーに提示できる情報量に大きな違いがあります。
チャットボットの場合、質問を入力すれば回答を瞬時に提供できます。対するFAQは、ユーザー自身で質問と回答を探さなければなりません。検索機能やカテゴリ分類がうまく働けば比較的短時間でほしい情報にたどり着けますが、なかなか目的の情報が見つからないこともあります。
このように、FAQはチャットボットと比べて回答までの時間がかかる可能性が高い点に注意が必要です。
FAQとチャットボットは、想定するターゲットにも違いがあります。
FAQの主なターゲットは、情報収集に慣れていて、問題に対して的確な回答を得たいと考えている人です。FAQは提供できる情報量が多いため、問題に対して詳細な回答を提示できます。
一方、チャットボットの主なターゲットは、日頃からスマートフォンで情報収集をしている人や、チャットの操作に慣れている人です。スマートフォンやチャットを使い慣れている人は、チャットボットも抵抗なく利用してもらえるでしょう。
FAQはユーザー自身で質問と回答を探す必要があり、自分が何に困っていて何を知りたいのかが明確になっていなければ使いこなすのが難しいツールです。問い合わせ内容の解像度が高いユーザーなら、迷わずに目的の情報にたどり着けるでしょう。
一方チャットボットは、チャットでやりとりしながらユーザーがほしい情報に誘導できるのが特徴です。ユーザーの問い合わせ内容への解像度が低かったとしても、適切な回答を提供できる可能性があります。
検索機能やカテゴリ分類が使えるFAQシステムなら、掲載するQ&Aの数が多くなっても目的とする情報を探し出せます。一方チャットボットの場合、Q&Aの数が多くなり過ぎると目的の情報にたどり着くまでに何度もチャットでやりとりしなければなりません。
上記のような特徴から、より多くのQ&Aを扱うならFAQの方が適しています。
最近ではノーコード、ローコードで導入できる製品も増えてはいるものの、チャットボットを導入する場合には専門知識を持ったIT人材が必要になるケースが珍しくありません。また、AI搭載型のチャットボットの場合には、AIや機械学習にも精通した人材が必要です。
一方でFAQシステムは、プログラミングのような専門的な知識を持たないカスタマーサポート担当者であっても、FAQページの作成やアクセス分析などを直観的な操作で行うことができるように設計されているものが少なくありません。
一見するとまったく異なるように見えるチャットボットとFAQシステムですが、特にカスタマーサポート領域での活用という面では下記のような共通点があります。
チャットボットとFAQシステムは、カスタマーサポート領域ではいずれも主に「顧客自身による自己解決率を高めることで、オペレーターが有人対応すべき問い合わせ件数を削減すること」を目的に活用されています。
チャットボットの場合には、チャット上でいくつかの選択肢を提示したり、顧客が送ったテキストメッセージに応答をしたりしながら、顧客の課題を明らかにしつつその課題の解決策を自動的に提示します。
一方でFAQシステムも、FAQページのカテゴリー分類、キーワード検索、アナリティクスといった各種機能を通じてFAQサイト内での顧客自身による問題の自己解決率の向上を実現します。
このように、顧客が持つ課題の解決策を提示することで自己解決を促し、問い合わせ件数を削減することを目指すという点で両者は共通しているのです。
チャットボットとFAQは、いずれもオペレーターの対応が不要です。不明点や疑問があれば24時間365日いつでも利用でき、時間に縛られずに回答を得られます。そのため、顧客の不満解消につながるのも両者の共通点です。
また、問い合わせ件数が多いと電話がつながらなかったりメールの返信に時間がかかったりするケースも少なくありません。チャットボットもFAQも質問に対して即時回答を表示できるため、回答を提供するまでにかかる時間を短縮できます。これも、顧客の不満解消に効果的です。
チャットボットで問い合わせを受け付けるには、あらかじめ質問と回答のデータを登録する必要があります。FAQの作り方も同様に、よくある質問と回答のデータを用意してテンプレートに入力するといった作業が必要です。
運用開始後も、新しい質問を登録したり回答内容を修正したり、定期的なメンテナンスをしなければなりません。このように、データの用意やメンテナンスが必要となるのもチャットボットとFAQの共通点です。
チャットボットはユーザーの質問に対して瞬時に回答でき、問い合わせ内容が曖昧でも適切な回答に誘導できるのがメリットです。一方デメリットとしては、基本的に短いテキストでしか回答できないことや、扱えるQ&Aの数が多くないことなどが挙げられます。
上記のようなメリット・デメリットから、チャットボットの活用がおすすめなのは次のようなシーンです。
FAQのメリットは、長文や図、表や画像などを使って詳しく解説できる点です。また、比較的数が多いQ&Aを扱いたい場合には、FAQシステムが適しています。一方、ユーザー自身で質問と回答を探す必要がある点には注意しなければなりません。
これらの特徴を踏まえると、FAQシステムは以下のようなシーンで活用するのがおすすめです。
FAQシステムとチャットボットにはそれぞれメリットとデメリットがあり、どちらがより優れていると断定できるものではありません。そこで、FAQシステムとチャットボットを連携させ、両者の強みと弱みを補完し合う仕組みを構築する考え方も有効です。
例えば、チャットボットでは対応しきれない複雑な質問や情報量の多い問い合わせに関しては、該当するFAQへのリンクを案内することで、顧客が自力で解決に近づけるようサポートできるでしょう。これにより、チャットボットの対応範囲を超えた質問でも顧客満足度をキープし、スムーズな問い合わせ対応につなげられます。
また、FAQシステムにチャットボットの機能を組み込むことで、顧客の課題解決をサポートする方法も効果的。画面の端にチャットウインドウを開く仕組みを使うことで、関連する情報への案内や追加の検索をサポートできます。
これらのシステムを活用することで、顧客が問題を解決した後に追加の提案をする機会も生まれます。FAQやチャットボットで顧客が探している情報は、基本的にはその時点で顧客が抱えている疑問点・不明点に限られますが、システムを通じて新たな解決策や、顧客がまだ知らない商品・サービスの情報を提供することが可能です。
このように、適切なシステムを導入して顧客の課題や悩みを解決することで、アップセル・クロスセルにつながるケースも少なくないといえます。
前述したように、チャットボットとFAQシステムは、いずれも問い合わせ件数の削減を目的としたITシステムという点が共通していますが、それぞれ異なるメリット・デメリットがあります。
FAQはユーザー自身で質問と回答を探す必要があるものの、基本的に一度の質問で回答にたどり着けるのが特徴です。チャットボットは質問内容によって入力や選択を繰り返す必要があるため、検索機能などが充実したFAQシステムならチャットボットよりも素早く情報を提供できるでしょう。
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FAQは情報を探す手間や曖昧な質問への対応が難しいというデメリットがありますが、感覚的な文章で検索しても最適な情報を提供できるHelpfeelならこれらの課題もクリアできるでしょう。
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