【イベントレポート】CREATE the NEXT-ICTの「次」を使う・知る・創るー大商学園高等学校 イベントレポート
2023年11月11日の大商学園高等学校でのイベントレポートです。
ロイロ認定校である同校の授業実践のほか、全国のロイロ認定ティーチャーの先生方によるICTセミナーが実施されました。
ICTを使ってどのように授業を変えていくのか、じっくりと学ぶことができた同イベントをレポートします。
目次
ICTを活用した公開授業
ロイロ認定校である大商学園高等学校の先生方による公開授業が実施されました。当日は全学年・全教科の取り組みが公開され、さまざまな実践を自由に見学することができました。
デジタルとアナログの使い分け
板書はデジタルをうまく使って
板書では、ロイロノートを積極的に活用する先生が見られました。ホワイトボードにロイロの画面を投影し、板書もロイロで行っていました。さらには、ロイロの画面配信の機能を使って、先生の画面を生徒の画面に配信しながら進めている授業もありました。
投影された内容にホワイトボードマーカーで書き込みをするなど、アナログと融合した板書を活用している先生も多くおられました。
参考リンク 画面配信機能
アナログでテスト・回答はデジタルで
ICTの利活用の推進を進めている同校ですが、デジタルとアナログをうまく使い分けることによってより高い教育効果を上げる試みがなされていました。
試験の実際の形式に合わせて、紙に回答を書く、しかし、回答はデジタルで配信し、答え合わせするなど、実態に即した形式での実践が行われていました。
実技教科でもデジタルとアナログを使い分けて
書道のような実技教科でも、デジタルとアナログの使い分けがなされていました。まずは、先生から手本がロイロで送信され、生徒はiPad上で手書き機能を使いながらお手本をなぞり、筆の動きを確認します。その後、お手本を見ながら、実際に清書を行います。
やり直しのきくデジタルで練習をしてから、アナログで実際に作品を仕上げることで、効果的に技能を習得することができていました。
スライドや資料をロイロで作って発表!
ロイロを使ってプレゼンテーションを作成し、発表する活動が積極的に取り入れられていました。
手軽にプレゼンテーションを作成できるロイロの機能を活用することで、生徒のプレゼンテーション能力を育むことができていました。
シンキングツールを活用して意見を共有・協働的な活動も
シンキングツールを活用して思考をまとめる活動も積極的に行われていました。自分で意見をまとめるだけでなく、協働的に学ぶ活動も積極的に取り入れられていました。
また、シンキングツールの切り替えを用いて思考を編集し、考えをまとめる取り組みがなされました。ツールを切り替えることで視点を切り替えてより深い考察を加えることができていました
参考リンク シンキングツールの切り替え
共有ノートを使って協働的に学ぶ
共有ノートを用いて、クラス全員の意見を集約し、協働的に学ぶ取り組みが行われていました。
クラス全員の意見を集約してシミュレートするなど、共有ノートならではの取り組みが行われていました。
大商学園の先生方による事例発表
大商学園の先生方から、実践の取り組みについてお話しいただけました。
「入れ子構造」的な国語科授業実践の報告 原田 秀一 先生
パフォーマンス課題、逆向き設計、シンキングツールなど、さまざまな授業スタイルを取り入れてアップデートされていった国語の授業の実践についてお話しいただけました。
国語の授業を通じて、どのような技能を学ぶのかを整理し、それを実際に身につけてくためにどのように授業を組み立てていくのかをお話しいただけました。
大商学園の探究、「次」も含めて話します。足らなかったら香川へ続く・・・ 熊崎 世奈 先生
大商学園の探究の学年ごとの取り組みについてお話しいただきました。学校紹介動画・ロゴシールづくり・モチベーショングラフ作成など学年ごとに特色のある探究活動を実施されていました。
これまでの実践紹介だけでなく、来年実施される予定の探究活動についてもご紹介いただき、先生方にも体験いただきました。
未来が現実になった!(仮称)Cluster × 大商学園メタバースプロジェクト 中村 天良 先生・大商学園生徒
大商学園の情報処理研究部の生徒がメタバースプロジェクトについて発表しました。生徒が主体となって進めたメタバース文化祭の概要や創作物を紹介しました。
プロジェクトを通して身についた力やこれから制作したいもの・展望を力強く宣言していました。
大商学園実践紹介
英語 太田 智美 先生・櫻井 善崇 先生・大西 凛弥 先生
大商学園での英語の実践についてお話しいただきました。
英語の4技能の習得には、生徒自身が積極的に英語を使って発話をしたりライティングを行う時間を取ることがとても大切です。録画・録音、シンキングツールや共有ノートなど、ロイロの機能を活用しつつ、協働的かつ、主体的に生徒が活動する時間を増やしていくためのさまざまな工夫についてお話しいただけました。
社会・商業 岡本 開登 先生・村上 嘉朗 先生・永田 萌乃 先生
大商学園での社会、商業についての事例についてお話しいただけました。
社会的な事象に目を向けさせつつ、共有ノートなど、協働的に学べるツールを活用して生徒が実践的に学んでいく実践をご紹介いただけました。また、授業での活用のみならず、HRなど、学級運営上での活用についてもお話しいただけました。
理科 坂本 光男 先生・加登 大河 先生
大商学園での理科の実践についてお話しいただけました
発表活動なども取り入れることで、生徒が主体となって生徒の好奇心を伸ばしつつ、さまざまな挑戦を行った実践についてお話しいただけました。ICTやロイロの活用のみならず、生徒の主体的な活動を行いつつ、知識技能の定着を図るための授業の設計などについてもお話しいただけました。
認定ティーチャーによるICTセミナー
全国のロイロ認定ティーチャーによるICTセミナーも実施されました。ICTを活用した授業でのロイロのさまざまな事例をお話しいただけるとともに、Chat GPTやFig Jamなど、他アプリも取り入れた活用についてお話しいただけました。
〇〇機能で単元をふり返ろうテストカード(ゲーム機能・アンケート機能)・ルーブリック日本大学櫻丘高等学校 田中忠司先生
ゲーム機能、アンケートカードを活用して単元の振り返りテストを行う事例についてお話しいただけました。グラフがリアルタイムに表示される、多い順番に並べ替えられる、問題がシャッフルできるなどなど知識技能の確認に便利な機能をご紹介いただけました。さらに、ゲームモードなど、実際に単元の確認で使える機能なども体験していただけました。
また、英語教科におけるルーブリック評価の例についてお話しいただけました。「ルーブリックは通年で同じ評価を提示する(評価軸をぶらさない)」「事前に評価を示しておく」など、効果的にルーブリック評価を活用するポイントをお話しいただけました。
数学で協働!?ロイロ共有ノート活用そして、学習意欲を高めるには!横浜市立高等学校 齋藤先生
生徒同士がお互いに問題を解き合う作問大会のご紹介いただきました。生徒自身が学習内容をもとに、問題と回答を作成し提出します。
個人戦ではなく、共有ノートを使って班ごとに問題に取り組むことで、自然と協働学習が生まれます。
ICTの活用が当たり前になって見えてきたこと〜理科の授業デザインを通して考える授業者のBeing〜 大手前高松中学高等学校 田中 滉己 先生
生徒が主体となる授業デザインについてお話しいただけました。ご自身の教員としての経験から、授業者主体から生徒主体の授業観に変わっていった様子をお話しいただけました。
「先生が教える」ことではなく、しっかりと知識を伝達しながら、「生徒が自ら学ぶ」ための授業デザインをどのように作っていくのかお話しいただけました。
友と共に学ぶ国語~教室でICTを使って学ぶ意味~福岡雙葉中学校・高等学校 森田 亜紀先生
学校でどのようにICTを利用されてきたのかについて動画や写真を交えてご紹介いただきました。
ICTを「自走できる学びの支援」のために利用されていて、国語科では思考を可視化するツールとしてロイロノートを利用されているというお話をしていただきました。
子どもが自己選択・自己決定する授業デザイン~小学校理科を事例に~宝仙学園小学校 吉金 佳能先生
小学校での理科の授業実践を動画や写真などで紹介いただきました。
とりあえずやってみるマインドを育てるには「探」の時間が極めて大事など、どのように探究的な学びを進めていけばいいかについてお話しいただきました。
【ICTの「次」の世界】FigJamで作る授業デザイン東奥義塾中学高等学校 井上 嘉名芽先生
ロイロとFigJamそれぞれの特徴についてご説明されました。それぞれの特徴と授業場面を重ねて、ツールを使い分けることが大切だと語られました。
保護者との資料共有や生成AIとの併用など、FigJamのもつ可能性を紹介されました。後半は参加者も実際にFigJamを操作体験をしながら、授業での活用について考えを深めていました。
これまでの思い込みから脱却!ただ今挑戦中!可視化の効果大⁉︎小学校思考編! ノートルダム学園小学校 梅下 博道先生
子どもたちが主体的に学ぶ授業デザインの重要性についてお話しいただきました。さらに、デザインした単元計画を教師だけが理解するのではなく、子どもと共有することで、目標を明確にするだけでなく、安心感につながると話されました。
梅下先生は共有ノート内を理科室の座席表を再現し、グループごとの協働学習を促進されています。「活動スペースを確保しておく」という共有ノートを使う上でのキーワードもご紹介されました。
数学の授業において生徒の思考を止めない為には。そして、数学とICTを活用した先に。 日本体育大学柏高等学校 中村 亮介先生
数学の授業において、どのようにICTを活用できるかお話しいただけました。「期待値」の授業など、実際に先生の実践を体験する形で、生徒が思考し続ける数学授業について学ぶことができました。
協働的な学びを取り入れることで数学の知識だけでなく、コミュニケーション能力をつけたり、学級経営にもプラスになる授業実践をお話いただけるとともに、一斉指導を適宜取り入れつつも、ロイロ以外のツールも活用して、生徒同士が学び、常に思考し続ける取り組みについてご紹介いただけました。
ChatGPTと一緒にロールプレイ・ディスカッションをしてみよう! 愛光学園中学高等学校 松下直樹 先生
ChatGPTを活用して、対話的に学ぶ取り組みをご紹介いただけました。Chat GPTの仕組みを具体的にご説明いただきました。また、実際に、松下先生が実施されたChat GPTを活用した対話型の授業を体験していただけました。
ロールプレイ形式のディスカッションをChat GPTとともに行うことで、生徒の思考活動を促進する事例をお話しいただけました。また、実際に参加者同士でロールプレイディスカッションの一端を体験していただくことで、新たな学びを体験していただくこともできました。
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ロイロで磨こう、リスニング&スピーキング 〜生徒の端末が個別LL教室に〜 フリーランス 徳千代 太一先生
英語科でのロイロノートの活用についてお話しいただきました。
音声読み上げソフトとロイロノートを組み合わせた活用やロイロのマイク機能を使って、正しい発音になっているかを確かめる活動などをご紹介いただき、先生達にも実際に体験いただきました。
国・理の視点から教科横断型汎用的思考スキルについて考える 田中 滉己 先生・原田 秀一 先生
国語と理科、それぞれの視点から、どのように汎用的思考スキルを身につけていくかについてお話しいただきました。
教科横断型汎用的思考スキルを身につけさせるためのポイントとして、「五感」を働かせる、「比較」する、「多面的・多角的」にみる、という3つを挙げられ、それらについて実践をもとにお話しいただきました。
参加者みんなで考える、今求められる教育・これから求められる力~学習指導要領・観点別評価などを踏まえて~ サイトウ マヨネ先生・熊崎 世奈 先生
自己肯定感を高めるための評価や振り返りについて実践を交えながらお話しいただきました。
主体的に学習に取り組む態度とは?児童・生徒の何の力を育んでいきたいのか?校内で広めていくための観点・ヒントをお話しいただけました。
まず使うから創造へ!関東・関西のある小学校の実践! 吉金 佳能 先生・梅下 博道 先生
ロイロ認定校である、ノートルダム学院小学校と宝仙学園小学校の事例をお話しいただけました。ロイロだけでなく、他アプリの活用も含めた実践もご紹介いただけました
ICTを活用して、授業実践を、そして児童を変えていった取り組みについてお話しいただけました。
教科の持ち味を生かしたPBL・横断型授業 田中 忠司 先生・森田 亜紀 先生・松下直樹 先生
情報科、国語科、地歴公民科、それぞれの教科におけるPBLの実践をお話しいただけました。
各教科のお話だけでなく、教科横断型の授業の実践についてもお話しいただけました。探究的な観点で、さまざまな教科の活動にも取り組むことで、生徒が主体的に学ぶ授業デザインが提示されました。また、Chat GPTを使って生徒の回答へのフィードバックのアイデアを出す方法など、他アプリも活用した事例をご紹介いただけました。
全て見せます!学校全体ICT化への課題と挑戦 〜10年間の軌跡と奇跡〜 中村 亮介 先生・徳千代 太一 先生・坂本 光男 先生
共有ノートを使って、参加者から聞きたいテーマを投票してもらいます。
特に多かったテーマについて、登壇者が実際の事例を交えながらそれぞれの学校の取り組みを紹介をされました。
あなたは公立派?私立派?教員を目指す方におくる、現場で感じているそれぞれの魅力 井上嘉名芽 先生・中村 天良 先生・黒川 智子先生
公立学校・私立学校それぞれの立場からどのようにICTを推進しているのかご紹介いただきました。ICTを導入する留意点だけでなく、ICTを受け入れていくための学校の風土づくりなど、それぞれの学校で取り組まれた実践を紹介いただきました。
これから教師を目指す大学生も参加し、登壇者に直接質問を投げかけるなど、活発な意見交流が行われました。
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