【iPad】岐阜県多治見市教育委員会の取り組み
全小中学校でGIGA端末(iPad)を非常によく活用している岐阜県多治見市教育委員会の取り組みをまとめました。
インタビュー動画
2022年3月12日のイベントのアーカイブ動画です
多治見市の端末・環境整備状況
端末利用開始時期について
多治見市では、令和2年度に利用するICT機器や学習支援ソフトなどのアプリが選定され、令和3年度より本格的な利用がスタートしました。
多治見市での各学校の環境について
多治見市では、令和3年4月より、以下のような環境でGIGA端末の運用をスタートしました
端末
小学校、中学校ともに1人1台iPad
キーボードつきカバー、ペンを全員に支給
その他環境
各普通教室に65インチディスプレイを配備
校舎内のどこからでもつなげる高速ネットワークを整備
端末の利用状況
令和3年9月時点での多治見市内小中学校21校の端末利用状況
18校の学校が全職員がiPadを活用しており、残り3校もほとんどの職員が活用している
児童生徒についても小中学校でほぼ全員がiPadを活用している
(多治見市教育委員会校長会アンケート結果より)
多治見市では、端末導入からわずか半年で、全小中学校で高い端末の稼働率を達成することができました。
多治見市教育委員会での取り組み
多治見市教育委員会での取り組みについてまとめます。
教職員向け校内研修の充実
多治見市では端末導入当初、先生方のICTリテラシーの差が大きく、先生方同士の格差を解消することや困り感を解消することが課題になっていました。
そこで短時間の校内研修を頻繁に行うことで校内の全先生方が端末の活用をすすめていけるようにしました。
校内研修のポイント
短時間(15分程度)で行う
頻度を多く行う(月2回)
講義を聞くだけではなく、体験活動も組み込む
講師担当の先生だけが教えるのではなく、参加された先生方同士が教え合いを行う
失敗を恐れずに研修を行う
また、研修に必要な資料などは、教育委員会から、ロイロの自治体共有フォルダの機能をつかって全校に共有されました。
研修につかった課題にはロイロのサポートページや、Youtubeチャンネルで公開されている動画や資料も活用されました
参考リンク 資料箱を活用する
児童生徒の端末持ち帰りでの活用
多治見市では、新型コロナウイルス感染拡大防止や、家庭学習の推進の観点から児童生徒に端末を持ち帰らせて活用しています。
持ち帰り活用の実施のステップ
端末の持ち帰り活用は、以下のようなステップで進行しました。
5月から、先行実施校2校で持ち帰り実証のスタート
端末持ち帰りの際のルールづくりを行う
10月から、全小中学校で持ち帰りでの活用をスタート
家庭学習でも端末を活用する
端末を持ち帰ることによって、これまではなかなか、評価が難しかった、音読・リコーダーの演奏・家庭科の実習など実技をともなう課題や、家庭ではなかなか実施がむつかしかった調べ学習などの活動も行えるようになりました。
家庭学習でも端末の活用が進んでいくことで、児童生徒の利活用や、先生方の授業での端末の活用がより推進されました。
校務での活用
多治見市ではTeamsとロイロを併用することで、校内・自治体内での資料共有・会議の進行をおこなっています。
校務での活用例
職務部会・職員会議の資料はロイロの資料箱にいれてペーパーレス化
校内での連絡にはTeamsを活用
研究会での意見の集約や、出欠席はロイロで実施
ICTを活用することで、ペーパーレス化や業務負担を軽減できるだけではなく、先生方が日常的に端末を活用する機会が増え、授業での端末の利活用の推進にもつながりました。
また、ロイロの資料箱では校内の共有だけでなく、自治体内での資料共有ができるため、職務別部会など、学校を超えた会議でも活用することができました。
市内の先生方の反響と今後の展望
多治見市では、先生方・児童生徒の端末利活用を推進するさまざまな取り組みによって導入1年目から高い稼働率で端末を活用することができました。
意識的に端末を活用する場面を取り込むことや、参加しやすい短時間の研修を頻繁におこなうことで、先生方間のリテラシーの格差が小さくなり、全校での利活用が推進されました。
「まずは使ってみる」でスタートしたGIGA1年目から、2年目に向けて、今後はさらなる持ち帰り利用の拡大や授業改善・学校改革に向けて利活用の推進に取り組まれています。