中学 家庭科 オリジナルスープを作ろう「どんな時でもこの一杯!」【実践事例】(お茶の水女子大学附属中学校)
お茶の水女子大学附属中学校
有友 愛子教諭
ロイロノート・スクールでショートムービーを作成する取り組みを通して、学習の要点をつかむ授業を実現します。
オリジナルスープのレシピ作りを通して、サスティナブルクッキングについて考える授業を行いました。
まず、グループに分かれて、地域の一員として中学生ができることを実現するための企画を考えます。そして企画した行事の中で地域の人に食べていただくスープをテーマに、オリジナルスープを作ります。いつでもある食材で、手軽に素早く、最小限の熱源で調理するという3つのポイントを抑えて、この一杯ならいつでもどこでも作れるスープを目指します。また、グリーンコンシューマーについて学び、地場産の食材として東京の野菜(ブロッコリー・大根・小松菜・キャベツ)から1つを選んでスープに入れます。
本時までに、オリジナルデジタルテキスト「お茶中 秘伝レシピ ―オリジナルスープ編―」で紹介されているレシピを参考に、材料と分量・作り方を考えて、実際にスープを試作しました。
本時では、スープの材料と分量、作り方、スープに込めた想い、試作後の振り返りと友達からのアドバイスをロイロノート・スクールにまとめて発表しました。その後、ロイロノート・スクールでまとめた情報を整理し、ナレーションを加えて、来年度の1年生に参考にしてもらうためのオリジナルデジタルテキストに取り込むショートムービー制作に取り組みました。最後に完成したショートムービーを全員で鑑賞しました。
ロイロノート導入のメリット
グループ活動で参考になる資料の配布や成果物の回収がしやすくて便利です。
様々な情報を可視化してグループ内で共有しながら話し合いを進めることができるので、話し合いの内容が深まります。
学習の過程をベースにして、ナレーションを加えたり、スライドの提示時間を設定したりして書き出すだけで、手軽にそして短時間でショートムービーを作成できます。
ショートムービーをオリジナルデジタルテキストに挿入することで、下級生の学習に活かす教材になります。
学習の過程がベースになっているので、上級生がどのように問題を解決していったのか分かりやすく、学習の見通しが持てます。
実践の目標
話し合いの内容や試食をしてくれた人からの意見やアドバイスを整理して、レシピの改善に取り組む。
ショートムービーに仕上げるため、ナレーションとして加える台詞を考えることで、調理のポイントに気付かせる。
ショートムービーを視聴しあうことでスープに込めた想いを共有し、食に対する多様な見方や考え方があることを知る。
実践の場面
1. 前時までの活動内容を振り返る
今回の授業のポイントである、「サスティナブルクッキング*1」「ローリングストック法*2」「グリーンコンシューマー*3」などについて復習しながら、前時までの活動の流れを振り返る。
*1.サスティナブルクッキング:目の前のエコから自給率や世界の食事情まで視野を広げ、継続可能な地球環境の視点で調理すること。
*2.ローリングストック法:日常の中で消費しながら備蓄する方法のこと。普段から少し多めに食材や加工品を買っておき、使ったら使ったぶんだけ新しく買い足していくことで、常に一定量の食料を家に備蓄する。
*3.グリーンコンシューマー:価格や利便性だけでなく、環境のことを考えて商品や店を選ぶ消費者。
2. グループの取り組み内容を発表する
オリジナルスープのテーマ
材料と分量、試作時の写真
スープに込めた想い
試作後の振り返り、友達からのアドバイス
これらの情報をスライドにまとめ、グループの取り組みをクラス全体に発表する。
3. ショートムービーの制作について説明する
来年度の1年生に参考にしてもらうためのオリジナルデジタルテキストに入れる、レシピや取り組み内容をまとめたショートムービーを制作する課題を出す。
はじめての人にも伝わるように、このレシピを読んで同じものが作れるような内容にすることが重要だと伝える。ロイロノートの録音機能を用いてナレーションを入れる方法を説明する。
4. グループでショートムービーを制作する
分かりやすい手描きイラストや詳しい説明を書き込み、工夫してまとめる。スライドが完成したらナレーションを加えたり、スライドの提示時間を設定したりして、ショートムービーとして完成させていく。
5. ショートムービーを視聴する
各グループのショートムービーを、クラス全員で視聴する。授業の最後に、本時の感想や気が付いたことをノートにまとめておく。