中学 歴史 鎌倉幕府滅亡の原因を考えよう【実践事例】(大分県佐伯市立直川中学校)
大分県佐伯市立直川中学校
立石 俊夫教諭
ロイロノートで広がる、インタラクティブな中学歴史分野の「協調学習」
ロイロノートとアクティブラーニングで、「学びの自立」のための授業展開を目指します。
本時の学習課題である「鎌倉幕府の滅亡原因」について、エキスパート班に分かれて資料を読み込みます。
エキスパート班から1人ずつ組み合わさってジグソー班を作ります。
それぞれ、資料の内容をジグソー班のメンバーに説明し、調べてきたことを話し合って議論します。
その後、それぞれのエキスパート班に戻ってジグソー班での話し合いを交換し合います。
そして、生徒が選択した思考ツールを用いて、学習課題を多角的、多面的にまとめました。
最後に個人で文章化した後、その要約を書いて、リレー発表を行いました。
ロイロノート導入のメリット
暗記中心と思われがちな中学歴史分野の学習において、協調学習をベースとし、思考ツールを活用したアクティブラーニングに取り組ませることで、「学びの自立」をめざした授業を行いましたが、特に有効だったのがICT機器の利活用です。
ロイロノートによるインタラクティブな学習形態は、このような学習には必要不可欠なアイテムです。
多くの活動(ペア学習→グループ学習2編成→発表→評価)を1時間に組み込むことは、従来の歴史学習や紙でのワークシート配布や回収そして発表という形の授業展開では時間的に不可能でした。しかし、ロイロノートのようなインタラクティブな学習が直感的にできるアプリを使用することで、より「密度の濃い」授業内容が可能となりました。
タブレット端末とロイロノートの組み合わせは、生徒にとっても教師にとっても非常に扱いやすく、ベストな授業をつくりだすことができるアイテムだと思います。
実践の目標
歴史事象について自然と友達と協調しながら、多角的、多面的に考察できるようになる。
実践の場面
1. 本時の授業前に、ペアで帯活動を行う
毎時間の最初に帯活動として、事典調べをしたり、ロイロノートなどのアプリを使用したりする、本時の授業とは別の学習をペアで行う。
2. ジグソー法を用いた協調学習を行う
ジグソー法の流れとして、まず、エキスパート活動を行う。
本時の学習課題である「鎌倉幕府の滅亡原因」について、複数の異なる視点で書かれている資料をエキスパート班に分かれてそれぞれ読み込む。
その班から1人ずつ組み合わさって新しいグループとなるジグソー班に分かれる。
それぞれが担当した資料の内容をジグソー班のメンバーに説明し、資料について調べてきたことを話し合って、議論する。
このジグソー法を通して、グループで協調的な学習をしながら学習課題を解決していく。
3. 思考ツールを活用して学習課題の答えをまとめる
ジグソー班で話し合った後、それぞれのエキスパート班に戻ってそれぞれのジグソー班での話し合いを交換し合う。
そして、10の思考ツールから自分たちで選択したツールを用いて、学習課題である滅亡の原因を多角的、多面的にまとめていく。
4. 学習課題の答えを文章化し、要約を送信する
思考ツールで考察後、滅亡原因を総合的に考え、それを個人で文章化する。
その内容について(要約を作成し、ロイロノートで教師に送信する。
要約させることで、全文を書くよりも短い時間で書くことができ、さらに文章をまとめる表現力も育成できる。
5. リレー発表を行う
教師に送られてきた要約を、ロイロノートで一覧表示する。
最初の発表者が発表後に、次に聞いてみたい要約を書いた発表者を順次指名していくリレー発表を行う。
6. 本時のまとめをする
教師による最終プレゼンで、授業評価を行い、本時のまとめとする。