中1 社会 北海道地方【実践事例】(愛光中学・高等学校)

中1 社会 北海道地方【実践事例】(愛光中学・高等学校)

愛光中学・高等学校
松下 直樹教諭
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『銀の匙』に描かれる「離農」について、さまざまな資料から重層的に考察し、シンキングツールで考えをつくり、論じます。

農業高校が舞台の学園漫画『銀の匙』を題材に、北海道地方の地域的な特色を踏まえ、「離農」についての考えをグループで考察しました。
本作品は、北海道地方のエッセンスが詰まったとても素敵な地理の学習材です。物語の中で、主人公の同級生の実家が、離農を余儀なくされてしまいます。離農の要因はどこ/何にあるのか、という学習問題を提示しました。北海道地方の零細・酪農家が離農する要因について、物語から背景や情報を読み込み、統計資料の分析結果を加味しながら、シンキングツールを用いてグループで考えをつくり出しました。最終的には、離農の要因を自分たちの言葉で論じました。

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ロイロノート導入のメリット

膨大な量の資料であっても、資料配布を速やかに行えるため、時間短縮につながります。

「回答共有」や「送る」といった機能により、授業時間の内外での協働的な学びが実現できます。

個々人の学びを振り返ることがスムーズに、そして楽しく行えているように感じます。

シンキングツールを活用することで、教科を超えてより汎用的に、思考のプロセスを学ぶことができます。

実践の目標

『銀の匙』および統計資料の分析結果をもとに、北海道地方の零細・酪農家の離農要因について、重層的に考察することができる。

多様な考えの中から、考えをつくり出し、各々の言葉で論じることができる。


実践の場面

1. 作品から要因を探る(個人思考)
ロイロノート・スクールを使い、『銀の匙』の2巻・3巻・8巻(抜粋)を配布する。生徒はそれらを読みながら、物語中に描かれる「離農」について触れる。物語を読み込みながら、離農の要因について、各々のウェビングマップを作成する。

2. 統計資料を分析する(個人思考)
ロイロノート・スクールを使い、作品の内容を補い、情報を裏づける統計データを配布する。生徒は統計データの分析を通じて、先に作成したウェビングマップに加筆修正しながら、重層的に要因を考察する。マップ上に出そろった要因を各自で付箋に書き出しておくこととした。

3. 要因を分類する(グループ学習)
4人1組のグループで、同心円チャートを活用して、離農の要因を分類する。同心円はそれぞれ地域的枠組みを意識し、中心の輪に「駒場農場」、中の輪に「国内の状況」、外の輪に「国外との関係」を配列した。生徒たちは、場面2で準備した付箋を使いながら議論を進め、要因のグルーピングを行う。


4. 要因の関連を見出す(グループ学習)
グループごとに議論しながら、場面3でグルーピングした要因同士の関連を見出し、それらを線で結んでいく。この過程を経ることで、離農の要因をめぐる考察内容の可視化を促すことができる。


5. 文章で表現する(個人思考)
離農の要因を考えるに当たり、「酪農家が抱える諸課題」および「酪農を取り巻く状況」に着目する。前者を内的要因、後者を外的要因と呼ぶこととして、場面4で作成した同心円チャートを参照しながら、駒場農場が離農した要因を個人で論述する。グループごとに色分けしたテキストをロイロノート・スクールの「提出箱」に提出する。提出されたテキストはその場で「回答共有」し、いずれにもアクセスできるようにする。

6. 解答の完成を目ざす
授業後、各グループから1人指名して解答を添削(教師からのコメント)する。これを参考にし、生徒同士で相互添削や議論を繰り返しながら、解答の完成を目ざした。本校では、普段からロイロノート・スクールの「生徒間通信」を解除しているため、学校以外の場所でも主体的・協同的な学びが展開されている。

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