中1 社会 縄文時代から室町時代までの変化を発表しよう~歴史分野の振り返り~【実践事例】(十和田市立第一中学校)
十和田市立第一中学校
村口 明子教諭
ロイロノート・スクールを使ったプレゼン活動を通して、時代の流れを大観するとともに、多面的に時代の特色を捉える授業を行います。
「時代の変化を発表しよう」というテーマで、ロイロノート・スクールを使って発表する授業を行いました。
まず、縄文時代から室町時代までの中から発表する時代と、何に着目して時代の変化を発表するのか各自で考えます。伝えたい変化を示す資料を教科書や資料集から選び、タブレットで撮影します。原則として各時代につき1つの資料を使うことで、学習内容を思い起こしながら吟味して選ぶことができました。
そして、ロイロノート・スクールを用いて、資料の写真や発表テーマ、説明のカードなどをつなげてスライドを完成させていき、プレゼンテーションの準備をしました。
発表は、一人ひとり選んだ時代順に行います。同じ時代であってもそれぞれテーマが異なるので、多面的に時代を捉えることにつながりました。発表を聞きながら、変化のポイントをワークシートに記入します。これにより、ただ発表を聞くのではなく、聞いたことを自分の学びに結びつけることができ、歴史の流れを大観するとともに、各時代の特色と共通性を理解することができました。
最後に、古代から中世の歴史学習を通して気付いたことや、さらに調べたいと思ったことをワークシートに記入させました。また、学んだ手順や何に注目して学んだのかなど、理解を深める学び方のポイントについても記入させ、今後の学習につなげるための振り返りを行いました。
ロイロノート導入のメリット
発表用のスライド作成において、資料挿入や書き込みなど様々な操作を一つの画面の中で進めることができ、利便性が高い。操作方法が分かりやすく、感覚的に操作していく中でイメージができあがっていくので、生徒の主体性を引き出す効果がある。また、複数のカードを自在につなげられる機能は、分かりやすく伝えるための構成を考える力の育成にも効果的である。
プレゼン資料の作成、発表、振り返りなど一連の活動を行うには、時間の確保が大きな課題だが、ロイロノート・スクールを活用することで効率的に活動を進められる。
実践の目標
時代の変化について、これまでの歴史分野の授業で学んだ時代の特色を捉える視点や、資料活用の技能を生かしてプレゼン資料を作成し、発表することができる。
友達の発表を聞いて時代の変化のポイントを表に整理することで、各時代の特色や共通性に気付くことができる。
歴史分野の学習を振り返り、理解を深めるために手順や方法、視点などの学び方のポイントに気付くことができる。
実践の場面
1. 発表する時代とテーマを考える
縄文時代から室町時代までの中で、連続する2~3つの時代を各自で選ぶ。さらに、何に着目して時代の変化を発表するのかテーマを考える。その際、「政治」「争い」「衣食住」「文化」「産業」「外国との関わり」などこれまでの学習の視点を参考に考えさせることによって、生徒が主体的にテーマを設定でき、さらに終末場面での学習の振り返りにつなげることができた。
2. 資料を選んで、スライド作成の準備をする
伝えたい変化を示すために適切な図、写真、表などの資料を、教科書や資料集から選び、タブレットで撮影する。
原則として各時代につき1つの資料とすることで、生徒はテーマに迫るためにどの資料を使うのか、学習したことを思い起こしながら吟味して選んだ。
3. 発表のためのスライドを作成する
ロイロノート・スクールを用いて、実践の場面2で撮影した資料の写真や発表テーマ、説明カードをつなげてプレゼンテーション用のスライドを作成する。
発表テーマや説明カードの作成では、短い作業時間の中で生徒一人ひとりが工夫を凝らしていた。
4. 選んだ時代順に全員が発表する
選んだ時代順に一人ずつ発表を行う。細かな発表原稿を用意しなくても、準備したスライドの順番で時代の変化を説明できた。また、同じ時代を選んだ生徒がいても、それぞれテーマが異なるので多面的に時代を捉えることにつながった。
5. 時代の変化について整理する
発表を聞きながら変化のポイントをワークシートの表に記入する。ただ聞くのではなく、聞いたことを自分の学びにつなげる活動である。これにより歴史の流れを大観するとともに、各時代の特色と共通性を改めて理解できた。
6. 歴史分野の振り返りを行う
古代から中世の歴史学習を通して、気付いたことやさらに調べたいと思ったことをワークシートに記入する。さらに、どのような手順で学んだか、何に注目して学んだのかなど理解を深める学び方のポイントについて記入し、今後の学習につなげるための振り返りを行う。