中1 英語 Writing, Speaking【実践事例】(立命館守山中学校・高等学校)
REC(Real English Conversation)で、実際に使える英語学習をロイロノートで実現します。
まず、教師から送られてきた質問に対する「自分の考え」を、3文以上の英文で書きます。次に自分で作成した英文を音読して発音練習を行い、ロイロノートの録音機能で音読を録音し、教師に提出します。
教師は集まった回答の中から、間違いを抜き出し、間違いだらけの英文を作成して、生徒に提示します。生徒はグループで議論し、英文の間違いを訂正し、教師に提出します。提出後、教師は回答比較機能を用いて、各生徒の回答を比較して、解説します。
最後に本時の振り返りをロイロノートで行い、教師に提出します。自分たちの失敗を協力して見つけ、そこから学ぶことで英文の精度が上がっていきます。
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ロイロノート導入のメリット
ロイロノートを活用してRECの活動を行い始めてから、家庭で英文を書くことや、発音の練習をする機会と量が増えたことで、生徒の自己表現力と発音が向上しました。発音に関しては、録音して教師に提出するために何度も家で練習をしたのだろうと推測できるほど、生徒の発音が変わっていきました。
授業自体も、『学ぶ場』から『自分の考えを発表する場』に変わっていきました。単なるコミュニケーションツールである英語を使うため、学習した内容を自己表現に取り入れ、授業では友人同士で使い、間違っているところはグループで議論し、訂正し合うことを行いました。教師が一方的に説明するより、記憶定着力が高かったです。
週2回の実践の結果、教師の添削する量が減少しました。ロイロノートを活用したRECの取り組みは、学びあいを促進させるだけでなく、まさに『生徒主体』の授業スタイルに変えることができました。
実践の目標
英語の質問に対し、学習した内容を使って自分の考えを英作し、発表できる。
また、グループ活動を通し、自分達の失敗(よくある間違い)を協力して見つけ、そこから学ぶことで英文の精度を高めることができる。
実践の場面
1. 教師から生徒へ質問を送信する
教師は、ロイロノートの「新たに質問する」から、質問と締切期限を記して生徒に送信する。
【中1の質問例(一部)】
What club are you in?
Which season do you like the best?
What do you do on Sundays?
Where did you go last year?
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2. 質問に対する『自分の考え』を英作文にする
教師から送られてきた質問に対する『自分の考え』を、3文以上の英文で書く。
【重要ポイント】
英作時間を『10分間』と設定する。
短時間で集中してREC(Real English Conversation)に取り組むことで、負担が軽減され、モチベーションを維持することができる。 また、英文を書くことの習慣化を図ることもできる。
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3. 英作文の発音練習をし、録音をしてから教師へ提出する
自分の英作の発音練習を行い、1分以内で録音して教師に提出する。
【重要ポイント】
無声音(声帯を振動させずに出す音)を意識する。
母音、 r / l 、 f / v 等の発音に注意する。
イントネーションをつける。
ロイロノートは、1分以内であれば録音の長さを設定できる便利な点がある。また、何度も簡単に録音をし直すことが可能なので、生徒は録音した自分の発音を聞いて、納得いくまで録音することができる。
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4. 教師が英作文と音声をチェックして生徒へ返答する
教師は生徒の英作文と音声をチェックする。
訂正時、ペン機能を使用し、生徒の英作に追記する。音声の発音チェックに関しては、授業中にフィードバックを返す。
(教師によるモデル発音を生徒に送り、それを真似して再提出させる場合もある)
【重要ポイント】
授業中にも大体の生徒が共通して間違う点について考える活動があるため、教師は訂正し過ぎない方がよい。(生徒だけでなく、教師も負担を感じない程度に行うことが大切)
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5. 共通する間違いをグループで考える
生徒の共通する間違いを授業に生かす。
共通する間違いをまとめ、授業中に生徒に提示する。
生徒はグループで議論し、ペン機能を使って間違いを訂正する。
リーダーは、訂正したものを教師に送る。
教師は比較機能を使い、グループ毎のカードをスクリーンに提示する。
生徒自身が、共通した間違いの解説を行う。
【重要ポイント】
授業中の教師の説明を極力減らし、生徒達で議論して、答えを導き出すことが大切だ。
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6. 毎時間の帯活動で作成した英作文を発表し合う
RECの活動で作った英文を、何も見ずに言えるようペアで練習して発表する。
【重要ポイント】
毎時間の帯活動(授業全体のうちの5分間や10分間を利用して、教科書から離れて行う継続的な活動)をすることで、英語で自己表現をする機会を増やす。
できる限り、短時間で沢山の人と会話ができるようにする。
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