中2 社会 世界と比べた日本の地域的特色 資源や産業の特色【実践事例】(仙台市立広瀬中学校)
仙台市立広瀬中学校
齋藤 純教諭
ロイロノート・スクール(シンキングツール版)を用いた対話的な学習活動を通して、学習課題に迫ります。
本単元では、学習課題「産業の特色や課題を踏まえて、日本はこれからどのようなエネルギー政策を行うべきだろうか」について迫っていきます。
ルーブリックを効果的に活用し、教科の見方・考え方をしっかりと捉えつつ、情報活用能力(実践力)の育成にも焦点化した授業を実践しました。
本時では学習課題の解決に向け、「ピラミッドチャート」を活用したプレゼンテーション活動を行いました。化石燃料推進派と再生可能エネルギー推進派のペアに分かれ、それぞれの主張をスライドにまとめました。異なる推進派のペアに対してプレゼンテーションを行った後、「バタフライチャート」を用いて、学習課題をより深く追求する対話的な学習を行いました。
ロイロノート導入のメリット
ロイロノート・スクール(シンキングツール版)を導入したことで、紙と付箋紙で行っていた活動が全てタブレット端末上で行うことができるようになり、生徒の思考の整理に用いる時間が多く捻出できるようになりました。
デジタルシンキングツールを用いることで、Webカードやカメラなど既存の機能との組み合わせも容易にでき、活用の幅が広がりました。
ロイロノート・スクール(シンキングツール版)では、他者に情報送信や共有をした場合でも、個人のタブレットにも成果物が残るため、振り返り活動などで自分の考えの変容を認識することができます。
実践の目標
日本の資源・エネルギー問題について関心を持ち、意欲的に日本の産業や資源の特色や課題についての学習に取り組むことができる。【関心・意欲・態度】
日本のこれからのエネルギー政策について、様々な資料や既習事項を基盤に分析し、日本の産業的課題を考慮しながら、自分の考えを適切に表現することができる。【思考・判断・表現】
日本の資源・エネルギー問題や様残な発電方法について、Webの情報の信頼性を考慮しながら、適切に処理・活用することができる。【資料活用の技能】
実践の場面
1. 単元の学習課題を確認する
単元の1時限目に配布したルーブリックを確認させ、単元の学習課題を生徒に意識するよう促す。また、社会科における問題解決学習であることを意識づけるため、どのようなプレゼンテーションのスライドを作成することが望ましいのかなど、学習のゴールを教師と生徒が共有する。
2. 学習活動を行うペアを決める
学習課題の理解を深めるため、生徒を化石燃料推進派ペアと再生可能エネルギー推進派ペアに振り分ける。
この時、生徒には任意の意見を選ばせず、教師が振り分けを行うことで、自分の考えとは反対の意見についても深く考える機会を生徒に与えることができる。
3. 各ペアでスライドを作成する
ロイロノート・スクールの「ピラミッドチャート」を活用することで、三段論法を意識したプレゼンテーションのスライドを作成させる。
生徒が選択した発電方法について、各ペアで主張を展開させる。「根拠→理由→主張」の根拠部分が重要であることを留意させ、Webカードやカメラ機能を活用して、主張を展開するにふさわしい資料を収集・編集するように促す。
また、スライドの中に必ず異なる主張への反論主張を含むよう声かけを行った。
4. 「化石燃料推進派」と「再生可能エネルギー推進派」による発表活動を行う
異なる意見を主張するペア同士で発表活動を行わせる。
①化石燃料推進ペアの発表、②再生可能エネルギー推進ペアによるルーブリック評価、③再生可能エネルギー推進ペアの発表、④化石燃料推進ペアによるルーブリック評価、の順番で行った。
5. 発表・評価を行ったメンバーでグループとなり、学習課題を追求する
【場面4】で発表を行ったメンバーが集まり、学習課題についてより深く追求するために、対話的な学習を行う。教師が準備した「バタフライチャート」に両ペアの作成したスライドを組み替えながら活用することで、各発電方法の長所と短所について的確にとらえ、生徒たち自身が「エネルギーミックス」の大切さに気づくよう促す。
6. 学習活動の振り返りを行う
ルーブリックを活用して、それぞれ単元の学習に対する反省と振り返りを行い、ロイロノート・スクールで共有する。