中2 国語 漢詩の風景【実践事例】(松阪市立三雲中学校)
松阪市立三雲中学校
坂口 友視教諭
漢詩を読み取ろう
ロイロノートで簡単に個人の考えを共有できるので、目的意識を持ったコミュニケーション力が身につきます。
グループで漢詩を1つ選び、4句を1句ずつ担当を決めて、漢詩から読み取った個人のイメージを絵にします。
絵にしたものをロイロノートで送り合い、4句の絵を組み合わせて、訂正しながら班でひとつの漢詩を完成させました。
また、作者の思いを想像して1枚のカードにまとめました。
完成したカードを教師に送り、班ごとに発表をして全体で共有しました。
発表を聞く前に評価シートを生徒に配信し、発表に対する評価をシートに記入しました。
最後に、評価シートを教師と、該当する班に送信して授業をまとめました。
ロイロノート導入のメリット
ロイロノートの使用により、漢詩の読み取りの目的意識を持った交流を円滑にすすめることができました。
個人活動のあとグループ活動を行うと、ある個人の考えに焦点があたり、その個人を代表の意見として発表する場合や、個人の意見をつなげて発表する場合などが多くありました。
ロイロノートの活用により、意見の共有が容易にでき、再思考の時間を確保することができました。
また、発表やその評価シートについても配信、回収が円滑にできるため、生徒の思考の時間の確保ができました。
ロイロノートは、カメラロールの画像を取り込むことができるため、紙ベースで絵を描きたい生徒も、画像やアプリを使いたい生徒も自分で自分にあったツールを選ぶことができました。
漢詩のイメージを絵にしていく中で、自分のイメージをより的確に表現出来る方法を選ぶことができ、絵が得意な生徒もそうでない生徒も表現することができたと思います。自分の考えや思いを絵でも、言葉でもどんなかたちでも表現することの楽しさを生徒たちが学び合う姿がありました。
実践の目標
漢詩の読み取りを通して、作者の気持ちを想像することができる。
漢詩に込められた思いと、現代に生きる自分たちの思いを比較し、共通する思いを見つけて漢詩を身近に感じることができる。
他の人の読み取りを聞くことで、自分の考えを広げることができる。
実践の場面
1. 書き下し文の確認をする
訓読文のみの資料をロイロノートで配布し、書き下し文にする。ペアでの音読で、誤りのチェックを互いに行う。
自分の誤りを後で振り返られるように、誤った箇所にマーカーでチェックを書き込むよう指示をした。
2. 漢詩から想像される情景を絵に表現する
3つの漢詩の中からグループで1つ選び、4句を1句ずつ担当を決めて漢詩から想像できるイメージを絵にする。
そうすることで、文字から読み取ったことをより具体的な情景として想像することができる。
アプリを使用しても、紙ベースでも、自分の得意なものを使いながら多様な情景を表現できるようにした。
3. グループで漢詩のイメージを完成させる
絵にしたものをカメラロールに保存してロイロノートに取り込んで個人に送り合い、4つのシーンをつなげた。
内容を確認し合い、訂正や考え直しがあればグループで調査をした。
また、作者の思いを想像して1枚のカードにまとめた。
それぞれの解釈をつなげて1つの漢詩を完成させることで、それぞれの考えを交流することができた。
その交流の中で作者の思いを読み取るヒントがたくさん出てきて、良い学び合いができた。
4. 完成した発表資料を教師へ提出する
漢詩から読み取った情景4枚と、作者の思い1枚を組み合わせた5枚の発表資料をつなげて、教師に提出した。
5. 資料をもとにグループでの考えを発表する
評価シートを生徒に配信する。シートに記入してある評価基準を確認して評価観点を明確にした上で発表を聞いた。また、机上のノートや教科書を閉じて、発表に集中できる環境にした。
6. 発表を振りかえる
評価シートを、教師と該当のグループに送信する。各グループへの送信を行うことで、発表者も振り返りのときの参考にできるよう、自由記述欄にも必ず書き込むようにした。