中2 数学 数学における「逆転」授業【実践事例】(多治見西高等学校附属中学校)
多治見西高等学校附属中学校
小木曽 賢吾教諭
教えることは学ぶことなり
生徒自身が問題解説動画を作成することで、問題を深く理解し、その上で自分の考えを相手に伝えることができる学びを実現します。
今回は夏休みの課題を利用して、自分たちで解説動画を作成させます。
2~3人1組の各グループに夏課題の問題を割り振ります。
グループで1台のiPadを使い、ロイロノートのカメラで動画を撮影します。
解説できた問題から教師に送信します。
教師や他の生徒がその動画を見て、解説がわかりにくければ撮り直しをして再び教師に送信します。
出来上がった動画から順次、YouTubeに限定公開(URLを知っている人だけが閲覧可能)をし、学校のホームページにリンクを貼ります(この部分だけをパスワードを知っている人だけが閲覧可能とする)。
夏休み中に数学の問題でわからないことがあれば、ホームページからこの解説動画を見て学習が可能となるばかりでなく、次年度の反転授業の動画として利用することができます。
ロイロノート導入のメリット
本校では共用のiPadを使っていますが、iPadが変わっても自分のIDでログインすることで、前時の続きから作業が行うことができます。また、動画は容量が多くなることもあり、扱いが難しいことも多いのですが、ロイロノートで提出することでとてもスムーズに行えました。
提出状況や内容把握がとてもしやすいので、生徒への声掛けが行いやすいです。
実践の目標
ひとつの問題を深く理解する。
内容をまとめる力を磨く。
聞き手を意識した話ができる。
協働して取り組む。
コミュニケーション能力を育てる。
主体的に取り組む。
夏の課題を復習の良い機会とさせ、自ら意欲的に学ぶきっかけを与える。
実践の場面
1. 取り組みの目的と概略を説明する
夏休み中であっても、仲間の分からない問題を自分達が先生となって学び合える取り組みであると伝える。
また、仲間と協力して問題解決を目指すこと、聞き手のことを考えた話し方を意識してほしいことなどを伝える。
2. 2~3人のグループを作り、取り組む問題を決める
トランプを使ってグループを決め、2~3人で1グループを作る。
そして、数学の取り組みたい問題を話し合って決める。
3. 動画作成時の注意点を確認する
動画を作成する際に注意することとして、以下の7項目をあげた。
①動画の最初に問題文を読むこと。
②解説している部分をペンなどで指し示すこと。
③黒板を使って解説してもいいし、ノートで解説してもいい。形式は問わない。
④できたらロイロノートで提出すること。
⑤1動画5分以内を目安に作成すること。
⑥納得がいくまで何度も撮り直しをしてもいい。
⑦できた動画は夏休み中にお互いが見るだけでなく、後輩の学習教材としても利用するので、そのことも意識しながら作成すること。
4. グループで解説動画作成を開始する
まずは、一通り問題を解いてから動画作成を始める。
撮影したものを自分達で確認すると、自分達の説明がうまくできてないことが分かり、何度も撮り直しをして、完成するまでに4~5時間ほどかかった。
5. YouTubeにアップして、ホームページにリンクを貼る
この作業は生徒はできないので、教師が行う。
YouTubeは限定公開なので、URLを知っている人だけが動画を閲覧できる。
そのURLが本校「在校生限定」のページにあり、さらにその部分にもパスワードロックをかけてあるので、一般の人は見られないようになっている。YouTubeにアップして、ホームページにリンクを貼った後、生徒にはパスワードを伝えた。
6. 他グループの動画を見て評価しあう
ホームページから他のグループが作成した解説動画を見て、お互いに評価をし合った。
クラスメイトが解説していると、生徒の受け取り方も大きく異なることが分かった。
この解説動画を、長期休暇中の家庭学習に利用した生徒も多くいた。