中2 数学 連立方程式の利用【実践事例】(鹿児島市立吉田南中学校)

中2 数学 連立方程式の利用【実践事例】(鹿児島市立吉田南中学校)

鹿児島市立吉田南中学校
野口 豪教諭・竹内 慶司教諭・古市 正直教諭
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ロイロノート・スクールを用いて、多様な考えを比較検討させることで、それぞれの考えのよさに気付かせる授業を展開します。

「20個の碁石で『さっさ立て』を行う。右の皿には何個の碁石があるか」という学習問題を出します。
「さっさ立て」を解くにはどんな方法を使えばよいか、個人で色々な解決方法を考え、プリントに書きます。そして自分の考えが「正しいかどうか」をグループ内で確認し合い、正しければプリントをカメラで撮影し、教師のタブレットに送信して提出します。そして生徒の回答から、教師が比較検討させたい考えを取捨選択し、各グループに送信して様々な考えを比較検討させます。このときグループのリーダーが解き方の説明を行い、グループ全員が理解できるようにします。
次に、各グループに送信した考えをTVに映し、学習内容の理解が更に深まりそうなものを中心に、発表します。最後に考えを全体で比較検討して、どの考えでも学習問題を解決することができ、それぞれに良さがあることに気付かせます。「さっさ立て」を解くには、表、面積図、方程式を使えばよいこと、また連立方程式はどんな数にも対応できることを確認します。

【さっさ立て】ルール
数個の碁石と2枚の皿がある。この碁石を1個か2個ずつ取る。2個なら右の皿に、1個なら左の皿に分ける。分けるときは「さっ」と声を出す。このルールで、右の皿と左の皿にある碁石の数をあてる。

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ロイロノート導入のメリット

これまでは、まずグループでそれぞれの考えを比較検討し、次にその考えの一つをグループの代表者が全体に発表して、最後に全体で比較検討するという学習内容を取り入れることが多かった。そのため、グループ内で多様な考えに触れることができなかったり、全体での発表内容を十分に理解できないまま比較検討が始まることがあった。
また、発表準備のためにグループ活動で多くの時間を費やしたり、発表後の比較検討の時間が不足することもあった。
しかし、ロイロノートを導入することで、次のようなメリットがあった。

教師が生徒一人ひとりの考えを見取りやすくなり、それぞれの解決の状況に応じた手立てを講じることができた。

教師の意図的・計画的な比較検討が可能になり、グループでの比較検討に深まりが見られた。また、今までに比べてグループでの比較検討に多くの時間を費やすことができた。


実践の目標

「さっさ立て」を通して、連立方程式を利用することのよさに気付くことができる。


実践の場面

1. 個の考えをカメラで撮影し、教師へ(その都度)送信して回答する
まず、「さっさ立て」を解くための色々な解決方法を考える。
その後、個の考えが「正しいかどうか」をグループ内で確認し合い、正しければプリントをカメラで撮影し、教師へ送信する。

2. 全ての回答から、考えを取捨選択し、各グループに送信する
生徒から提出された回答から、教師が比較検討させたい考えを取捨選択し、各グループに送信する。
生徒は明確な目的意識をもって話し合ったり、自分の考えに根拠をもって説明したりすることができる。

3. 各グループで、送信された複数の考えを見る
比較検討を意図的・計画的に行わせるために、事前に本時の学習内容に応じて視点に基づいた分析をしておく。そうすることで、視点が焦点化され、生徒が自分なりの考えを表出しながら話し合い、本時のねらいに即した比較検討ができる。

【比較検討のポイント】
整合性:正しいか?
一般・共通性:どんなときもつかえるか?似ているか?
能率性:かんたんか?わかりやすいか?


4. 各グループに送信した考えをTVに映し、全体で発表する
学習内容の理解が更に深まりそうな考えを中心に、必要に応じて発表させる。

5. 各グループに送信した考えをTVに映し、全体で比較検討する
考えを全体で比較検討して、どの考えでも学習問題を解決することができ、それぞれに良さがあることに気付かせる。
また、どんな場合でも対応しやすい考え方は、連立方程式であることも確認する。

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