中3 数学 y=ax²のグラフ【実践事例】(新潟県阿賀野市立安田中学校)
関数y=ax²のグラフを身の回りのもので検証します。
60個のクリップをつなげて、それを垂らした時にできる曲線が放物線であるかどうかを判定する授業を行いました。
グループで1台のiPadを使用し、ロイロノート・スクールのカメラ機能で、クリップを垂らした様子と放物線の違いを検証し、話し合いを記録したホワイトボードを撮影して提出させます。各グループの検証結果を共有し、そこから帰納的に放物線とは異なる曲線であることを確認し、検証方法の汎用性について学習します。
ロイロノート導入のメリット
瞬時に内容共有できるようになったことで、話し合いに十分な時間を費やすことができ、生徒がより積極的に話し合いに参加するようになりました。
道徳や学級活動でも、話し合い内容の記録として、ロイロノート・スクールを活用しています。生徒の気持ちや考え方の変容を容易に確認することができるようになりました。
実践の目標
既習の数学をもとに、数や図形の性質などを見いだし、発展させることができる。
数学的な表現を用いて、根拠を明らかにし筋道立てて説明し伝え合うことができる。
実践の場面
1. 授業開始前の「チャイム学習」
授業開始前よりタブレット端末のアプリを使用して、「チャイム学習」として既習事項の復習に取り組む。班活動で数学が苦手な生徒に対して、得意な生徒が教え合いながら行う。
2. y=ax²に関する既習事項の確認
班でホワイトボードを使用しながら、y=ax²に関する既習事項を出し合い、班の中で共有する。また、出し合った内容をロイロノート・スクールに提出し、全体でも共有する。この活動により、本時で使う知識の確認を短時間で行う。
3. 60個のクリップを使った実験
60個のクリップをつなぎ、座標軸上に垂らしてみる。その結果、どのような曲線になるかを確認する。一見、放物線のようだが、どうすればそれを確かめることができるか話し合う。
4. 既習事項を活用してy=ax²の判定をする
y=ax²の既習事項をロイロノート・スクールを使って確認し、y=ax²の判定に活用できることがないかグループで話し合う。提出箱は回答を共有して、他のグループがまとめた知識も確認できるようにする。
5. 各班の判定を共有し、全体で確認する
それぞれの班から判定とその理由を記したホワイトボードの画像を提出する。提出された回答をクラス全体で共有する。
6. 解答提示・解説
教員から、実はクリップが作る放物線は“カテナリー(懸垂線)”という、放物線とは異なる曲線であることを伝える。最後に、“カテナリー”を式で表すとどうなるかを確認する。中学校の学習範囲は超えているが、生徒の知的好奇心の向上を促すことができた。