大1 ゼミ 保育基礎演習 研究レポートの作成(後編)【実践事例】(名古屋短期大学)
授業担当者 | 杉山 実加 |
ICT環境 | 1人1台タブレット |
学年 / 教科 | 保育科1年/ゼミ |
単元 | 1年次 保育基礎演習(ゼミ) |
〈実践の概要〉
前期までに研究テーマを決定した学生は、夏休みからは本格的な文献調査や目次作成及び本文執筆に取り組みました。ロイロの提出機能を活用して課題を提出させ、個別指導を行いました。各学生が提出期限に向けて個別に進めていくため、進捗状況が大きく異なる課題ですが、ロイロを活用することで、各学生の進捗状況を瞬時に判断できるとともに、意欲的な学生の学習をより促進することにもつながりました。必要なサイトや書籍の出典情報、教員からの添削結果をロイロにまとめておくことで、レポート執筆中の振り返りが容易になりました。
〈ロイロノート・スクール導入の効果・メリット〉
各学生から提出された画像やカードを「カードインカード」の機能でまとめることで、各学生の進捗や内容の深まりを教員側もいつでも確認できた。
個別指導が容易になったため、早めに課題を完了させたい学生の要求にも応える指導が可能となった。
カードの色を変更することで、教員は、各学生の進捗状況を一目で把握できた。
出された課題の内容を簡単に確認することができる。(紙媒体のように紛失もない)
〈実践の目標〉
修了レポートに必要な文献を探す。
修了レポートの目次を作成する。
修了レポートを執筆する。
〈場面1〉本や論文の調べ方を学ぶ
文献を集めるために、教員からは以下のカードを学生に配付した。(1)大学図書館、県立図書館、論文検索サイトのHPをカードにしたもの、(2)検索の仕方についての説明カード。授業時間内に全員でそのカード内容を確認するとともに、実際にキーワード検索を行った。授業後に図書館で本を探すために、検索結果をスクリーンショットで保存する姿が見られた。
〈場面2〉文献を収集する
2週間を期限として文献収集を課題とした。学生の中には、検索した後に「完了」を押さずにロイロを閉じてしまうため、サイト表示がエラーになってしまった学生もいた。そうした場合は、使用方法を個別に再確認するとともに、カードを再配付した。複数の検索サイトをカードでまとめてあるため、学生の空き時間に検索することが容易になるとともに、無意識に複数のサイトで検索行うこととなり、本だけでなく、論文も資料として活用する姿が多くみられた。
〈場面3〉主要文献5冊を提出する
文献の出典をカードにまとめて教員に提出する。学習目的であり、第三者への提示は行わないものであったため、書籍の出典ページの写真を提出することも許可した。学生から提出されたカードを見ながら、適切な文献であるかを教員が個別にコメントを返した。文献を授業に持参する必要がなくなったため、PDF化された論文を活用した学生もいた。
〈場面4〉個別の進捗状況を教員が把握する
教員側は随時提出される学生から課題を把握するために「カードインカード」機能を用いて、学生ごとにカードをまとめた。また、背景となるカードの色を変更させることで、各学生がどの段階まで進んでいるかを一目で判断できるようにした。一斉提出や指導をやめた結果、かなり早い進度で執筆を進めたいと考える学生がいることが分かり、個別の学習意欲が把握しやすくなり、指導や成績に反映されることが可能となった。
〈場面5〉目次を作成しレポートを執筆する
目次をロイロで提出した学生からレポート執筆の段階へと進んだ。執筆はWordを用いたが、執筆中もロイロのカードを用いて振り返りや自己確認をするよう促した。特に、日本語表現については、前期の段階で間違えやすい表現をカードにして送っていたため、それを見ながら、自身の文章に間違いがないかを確認するよう指示した。教員から指示され直すのではなく、自主的に表現を確認するため、他の課題でも学生の文章表現能力が向上している様子が確認できた。