小6 体育 跳び箱運動 よりよい「学習の進め方」を獲得する体育授業【実践事例】 (名古屋市立矢田小学校)
授業担当者 | 中川大輔 |
ICT環境 | 1人1台タブレット |
学年 / 教科 | 小学校6年 / 体育 |
単元 | 跳び箱運動 |
〈実践の概要〉
子どもが自らの「学習の進め方」について試行錯誤することができるよう、①学習のはじめに自分の取り組みたい動きを選ぶ ②学習の中盤に自分の活動がうまくいっているかを確認し、後半の「学習の進め方」を決める ③学習の終わりに実行した「学習の進め方」が自分の学習にどう影響したかを振り返る というサイクルで1授業時間の学習を展開した。
また、自分の動きを動画で撮影するとともに、易しい動きに取り組む段階から動きを評価するための視点を確認していくことで、動きの出来栄えを正しく判断し、自らの動きの高まりを把握できるようにした。
〈ロイロノート・スクール導入の効果・メリット〉
動きに関する動画やイラストを資料集としてシートにまとめて送ることで、子どもが自分の必要に応じて、動きのポイントなどをいつでも確認することができる。
動きを撮影した動画に、腰の高さや膝の伸び具合などを確認する線を書き込むことで、自分の動きの高まりを把握しやすくなる。
撮影した動画や振り返りなどをデジタルポートフォリオとして記録していくことで、自分の動きの変容や学びの履歴を確認することができる。
〈実践の目標〉
跳び箱運動の行い方を理解するとともに、自己の能力に適した切り返し系や回転系の基本的な技を安定して行うことができるようにする。
自らの動きの高まりを把握し、学習の進め方を試行錯誤する中でよりよい学習の進め方を獲得できるようにする。
〈授業写真〉
〈場面1〉易しい動きに取り組みながら、動きを評価する視点を確認する
単元のはじめは既習の易しい動きや感覚づくりの運動に取り組んだ。例えば、切り返し系の動きでは、評価の視点を「着手時の腰の高さと腰の開き」とし、易しい動きである開脚跳びに取り組みながら、自分の動きを動画で撮影し、腰の高さや腰の開き具合を動画に線で書き込むことで、自分の動きの出来栄えを判断できるようにしていった。
〈場面2〉自分の取り組みたい動きを選んで前半の活動を行う
単元中盤以降は、学習のはじめに取り組みたい動きを自分で選んでから、前半の活動を行った。動きを選ぶ際には、動きの系統性や類似する動きが分かるように一覧にしたシートを活用した。シートは、動きのポイントが紹介された動画やイラストが見られるようになっており、動きを選ぶときだけでなく、活動中にいつでも確認できるようにした。
〈場面3〉前半を振り返り、後半の「学習の進め方」を決めて実行する
前半の活動でのうまくいかなかったことをもとに、後半の活動について「学習の進め方」を決めて実行した。「学習の進め方」については、練習方法に関すること、友達とのかかわりに関すること、意欲に関することなど様々な観点から子どもが決めていった。また、それぞれが考えた「学習の進め方」を学級で共有したことで、様々な「学習の進め方」を考え、試すことができた。
〈場面4〉自分の動きを動画で撮影し、出来栄えを確かめる
場面2や場面3の活動の中で、子どもが必要に応じて、自分の動きを動画で撮影し、自分の動きの出来栄えを確かめていった。易しい動きに取り組む段階から動きを評価する視点を確認していったことで、自分の動きの高まりを把握しながら学習を進めることができた。
〈場面5〉実行した「学習の進め方」が有効だったか振り返る
後半の活動の最後に、実行した「学習の進め方」が有効だったかを振り返った。自分の動きの出来栄えと関連付けながら、「学習の進め方」について振り返ることで、次時の活動につなげていけるようにした。
〈場面6〉デジタルポートフォリオとして活用する
毎時の振り返りや自分の動きの動画をロイロノートのシートに整理し、デジタルポートフォリオとして活用した。今の自分の動きと前の動きをと比較して自分の動きの変化を捉えることができたり、蓄積した振り返りの記述から自らの「学習の進め方」について考えたりすることができた。
〈授業写真〉