小6 筆者の主張や意図をとらえ、自分の考えを発表しよう 主張と事例の関係をとらえ、友達と⾃分の考えを伝え合おう 【実践事例】 椙山女学園大学附属小学校 橋口愛美
授業担当者 | 橋口愛美 |
ICT環境 | 1人1台タブレット |
学年 / 教科 | 小学校6年 / 国語 |
単元 | 筆者の主張や意図をとらえ、自分の考えを発表しよう |
〈実践の概要〉
2教材で構成された説明的な文章の単元を既習し、身近な課題「昼休みは長いほうがいいか、短いほう がいいか。」について発表する場面を設定した。まず、説得力をもたせる文章の書き方において、具体 的で聞き手の共感を得やすい事例を挙げるとよいことや事例の順序にも効果があることを振り返りまし た。そして、文章の構成メモ(ピラミッドチャート図)に整理し、視覚的に主張と事例の関係を捉え、自 分の考えをまとめたた。グループ発表では、事例の内容やそれらによる主張が課題に沿っているかなど を確かめ合ったり、よさを認め合ったりして、考えの表し方を共有した。最後に、友達が聞き取った構
成メモと自分の構成メモを見比べたり、グループ以外の友達の考えも読んだりして、反省や次に生かし たいことを振り返り、学習内容を理解することができた。
〈ロイロノート・スクール導入の効果・メリット〉
● 教師と児童、児童同士でも繋がることができる双方向性により、学び合いの意識を高めることが できる。
● 教師が作ったワークシートをカード化することができ、教材に自由度がある。 ● 配布や提出、共有が容易で、発表の場面でも友達と自分の構成メモや文章を見比べることがで き、効率よく学習を進めることができる。
〈実践の目標〉
● 身近な課題について自分の考えをもち、主張と事例の関係を意識しながら考えをまとめて、伝え 合うことができる。
● 友達の考えを知り、共通点や違いに気付き、友達に伝え合うことで考えを深めることができる。
〈授業写真〉
〈場面1〉前時までの学習を振り返り、本時の課題を設定する
ロイロノート・スクールのノートを開き、これまで配布した資料やワークシートを見ながら、説得力の ある考えを主張するには、聞き手の共感が得られる事例が効果的であることを振り返った。 普段の学校生活において、休み時間の必要性を問うと、学級全員が「休み時間は必要である」と答え た。しかし、休み時間の長さについて「長いほうがよいか、短いほうがよいか。」を問うと、意見が分 かれた。どんな課題にもさまざまな考えがあることを確認した上で、自分の考えをまとめる活動をする という見通しをもたせた。
〈場面2〉説得⼒のある⽂章を考える
ロイロノート・スクールに、カード化したワークシート(構成メモ)を配布し、教材の文章では、どのよ うな主張と事例により構成されているかを視覚化して振り返った。今回の課題について、自分の立場を 決め、具体的で共感できるような実際の経験や現状を数多く考えることができた。その中でも、分かり やすいものを事例として3つ挙げていた。
〈場面3〉主張と事例の関係をノートにまとめる
「初め・中・終わり」の3部構成と双括型の文章構成を基本とすることを確認し、作成した構 成メモを基に、手書きでノートにまとめた。これまで学習してきた、聞き手・読み手に対し、 効果的な文章表現や技法を意識しながら、活動する様子が見られた。
主張や事例の説得力をよりもたせるため、資料を活用したい児童は、ノートにスペースを設 け、書き終わった文章をスキャニングしたあと、画像化した資料を合成させていた。
まとめたノートをスキャニングし、PDF 化したものをロイロノート・スクールに提出した。
〈場面4〉グループ発表をして、考えを伝え合う
発表者が提出したまとめをロイロノート・スクールの提出箱の一覧を回答共有して、各自タブレットに 表示する。そして、友達の発表を聞き取りながら、主張や事例の関係を確かめた。 一人ひとり順番に発表し、それぞれの考えについての感想や主張や事例の関係について良かった点を伝 え合った。「事例が分かりやすかった!」「その言い表し方がとてもいいね。」「資料が分かりやす い。」など、数多くの認め合う発言が挙がった。
〈場面5〉学習を振り返る
友達が自分の発表を聞いて書いた構成メモを全てもらい、自分が作成した構成メモと見比べ、伝えたか ったことが友達に伝わっているかを再度確認した。次に、グループの友達以外のまとめを見て、自分と 同じ意見の友達、異なる意見の友達の主張や事例の挙げ方を確認した。伝え合ったり、考えの違いを知 ったりすることで、新たな発見や学びに気付くことができた。さらに、自分の考えに説得力をもたせる には、事例が必要となることや聞き手にとって分かりやすい、共感しやすい事例が大切であることを理 解することができた。
〈授業写真〉