小6 算数 データの特ちょうを調べて判断しよう 「その結論、本当に正しい?」視点を決めて結論を考察しよう【実践事例】 (村上市立村上小学校)
授業担当者 | 加藤 光 |
ICT環境 | 1人1台タブレット |
学年 / 教科 | 小学校6年 / 算数 |
単元 | データの特ちょうを調べて判断しよう |
〈実践の概要〉
代表値の選択やグラフや表での表し方によって導かれる結論が変わってくることを児童同士の話し合いによって気付かせる。ロイロノート・スクールの回収と比較の機能を利用し,結論や問題解決の過程の妥当性を話し合ったり,結論を批判的に考察したりすることで,代表値の選択やデータの表し方によって結論は変わること,理由を明確にして判断することの大切さに気付かせる。
〈ロイロノート・スクール導入の効果・メリット〉
結論ごとに色の違うテキストを用意することで,意見交流の際に問題に対する児童の立場を明確にすることができる。
比較機能を用いて教師が意図的に選んだ代表児童の結論を画面配信することで,焦点をしぼった話し合いが行うことができる。
回収と共有が瞬時に行えるため発表にかかる時間が減る。
発表画面が児童の手元にあるため個々が児童の考えを理解しやすくなる。
回答共有の機能を使うことで課題を提出できた児童から他の児童の考えを見ることができるため,個々のペースにあった学習が可能になる。
〈実践の目標〉
同じ結論であっても判断の理由には様々な内容があったり,着目する代表値によって結論が異なったりすることに気付き,結論や問題解決の妥当性について考察することができる。
〈授業写真〉
〈場面1〉学習意欲の高まり
本時までに学習した平均値や最頻値といった代表値を表にまとめた。児童がじっくりと考えたいという意欲をもてるように考える時間をあえて与えずに優勝する組を予想させた。児童から「じっくりと理由を考えて結論を出したい。」「理由があると説得力が増す」といった考えがでた。これまでに学習した代表値を使うことで説得力のある理由にできると見通しをもち,本時の課題「理由をはっきりとさせて優勝する組を予想しましょう」を設定した。
〈場面2〉優勝チームの予想
優勝チームの予想と理由はノートに記述させた。予想と理由を記述できた児童からノートの記述を写真で撮り,資料箱に保存されている優勝予想ワークシートに貼り付けた。これまでの学習で用いた資料も資料箱に用意しておき,優勝予想ワークシートに貼り付けた。提出された資料を分類しやすくするため,優勝予想ワークシートは予想した組によって色が違うものを用意した。
〈場面3〉結論の妥当性の検討
提出されたワークシートから優勝予想がちがう3つを選び,比較機能を用いて,結論の妥当性についての検討を行った。始めは少人数で話し合わせ,ハンドサイン(正しいはグー,正しくないはチョキ)を使って一人一人の考えを確認した。それぞれの予想で着目した代表値がそれぞれ違うことを確認し,着目する代表値によって結論が異なることに気付くことができた。
〈場面4〉批判的な視点で考察する
結論の妥当性の検討が終えた後,1位にはなれないという結論を導ける代表値に着目し,批判的な視点を用いた考察を行った。どの組についても1位にはなれないという結論が導ける代表値も存在していることに気付き,データには様々な見方や考え方があることに気付くことができた。
〈場面5〉学習のまとめ
本時の学習を終えて,改めて学習課題である「理由をはっきりさせて,優勝するチームを予想しましょう」に立ち返った。「優勝するチームを決めるのに大切なことは?」と問いかけると児童から「代表値を使って理由を考えること」「反対の意見も考えて予想すること」の2つがでたため,児童の言葉を使い,本時のまとめを行った。
〈授業写真〉