小2 生活科 もっとなかよし まちたんけん 【実践事例】 (深圳日本人学校)
授業担当者 | 藤田 真紀子、江連 紀子 |
ICT環境 | 4人1台タブレット 1クラス1台電子黒板 ロイロノート |
学年 / 教科 | 小学2年生/生活科 |
単元 | もっとなかよし まちたんけん |
〈実践の概要〉
地域で働いている人々と自分たちの生活との関わりについて、グループごとにまとめ、報告し合う単元である。本年度は学校内で働いている人々と自分たちの生活とのかかわりについて学習する活動を行った。本実践では、個別最適化学習レベル1(本校が定義した個別最適化学習の階層性より)を目指した。グループで撮ってきた写真を取捨選択し、その写真に合わせた報告文を考え、まとめた。成果としては写真を使うことで自分たちの伝えたいことをより分かりやすく伝えられたこと、課題としては、タブレットの扱いに慣れるまでに時間がかかり、作業時間の確保が難しかったことがあげられる。
〈電子黒板やロイロノート・スクール導入の効果・メリット〉
①ロイロノートに作品(写真を含む)を収めることで、写真の取捨選択や発表する原稿が自由に変えることができ、児童の思い通りに構成を作ったり変えたりすることができた。
②電子黒板に作品(インタビューや体験のまとめ)を映すことで、写真を拡大しながら強調したいところや共有したいところ示すことができ、伝えたいことをよりよく共有することができた。
③遠隔で指導する教員からまとめたい用紙を作業と同時に提示したり、児童からの作品の共有もその場でスムーズにできた。
〈実践の目標〉
①インタビューしたり一緒に何かをしたりするなどして、地域の人々と関わることができる。
②地域には働いている人がいることや自分たちの生活と関わり合っていることに気付く。
③地域の人々に親しみをもちながら、人々と接したり、安全に生活したりすることができる。
〈場面1〉第1次【探検に行き写真を撮る】
児童に学校で働く人々にはどんな人たちがいるのかを考えさせた後、探検に行く3~4人のチームを作った。役割分担を決めたり、探検に行くときのルール自分たちで設定したりした。チームで1台 のタブレットを持ち、写真を撮影し、教室に戻って全員で写真を見ながらどんなものがあったか振り返った。第1回発表の際にみんなに提示する写真を選び、ロイロノートで提出した。
〈場面2〉第2次【第1回発表】
ロイロノートと電子黒板を利用して、撮った写真について発表した。また、個々に疑問に感じたことや、さらに聞いてみたいことについて話し合った。その発表をもとに、自分が興味を持ちインタビューに行きたいと感じた仕事を選び、新しくチームを作った。
〈場面3〉第3次【インタビューに行こう】
お仕事探検に出かけ、インタビューをした。その際、インタビュー内容や分かったことに関係のある写真や、体験している場面をタブレットで撮影し、教室に戻ってチーム全員で写真を見ながらどんなものがあったか振り返った。発表する内容を話し合い、学習プリントにまとめた後に、選んだ写真とともにロイロノート内でつなげて共有した。在日本からの遠隔の指導も行い、共有の仕方やつなげ方を学んだり、日本と深圳の間で同時に資料を共有したりすることも可能であった。
〈場面4〉第4次【発表と振り返り】
書き上げた発表資料をロイロノートで共有し、それを電子黒板に映し出しながら発表をした。児童の発表の後、質疑応答の時間を設け、互いに理解を深めさせた。その際にも、回答の内容や見せたい写真によって、ロイロノートの資料を再度提示したり、拡大して電子黒板で見たりするなどしてお互いに確かめ合った。
〈授業写真〉
成果としては、児童の発表・発信力や考えを深める力が高められたことが挙げられる。この成果は、児童の意欲が単元を通して持続できたことも大きく起因している。 ICT機器を取り入れたことで、児童の思いや考えが容易に表現できたり共有できたりする経験ができた。自分たちで見てきたもの聞いてきたものを作品としてまとめ、それらを電子黒板に映し、伝えられたことは魅力ある活動となった。また、伝えたいことの焦点化もしやすく、発表する児童はもちろん、聞く児童も意欲的に参加することができた。その結果、意見交換も活発にでき、それぞれが自分の考えを深めることができた。遠隔指導する教員にとって、机間指導やノートのチェックが難しいことがこれまでの課題であったが、プリントそのものも撮影しロイロノートで共有することで、スムーズに児童の作業が把握できた。課題としては、学校のタブレット・スマートフォン・パソコンそれぞれによってロイロノートのアプリ上で出来ることに差があり、出来ることと出来ないことの共有ができておらず作業が中断することがあったが、グーグルクロームからログインすることですべての機能が使えることが分かった。新しい学習スタイルということもあり、機器間で生じる互換性への対応など課題は多いと感じるが、ロイロノートの有効性が感じられた。