小3 情報 プログラミング「ヒト型ロボットを活用して、よりよい学校にしていこう」【実践事例】(学校法人鶴学園なぎさ公園小学校)
学校法人鶴学園 なぎさ公園小学校
川人 祐介教諭
学校の課題を解決するヒト型ロボットの動き(プログラミングの設計)を考えます。
個人での思考活動や話し合い活動の中で思考の発散と収束を繰り返し行い、プログラミングの目的の深堀りと明確化を行います。
具体的には、①学校の課題を認識し、②課題の要因を考え、③その中からヒト型ロボットで解決すべき問題を抽出し、④めざす姿を設定して、⑤必要なヒト型ロボットの動き(プログラミングの設計)を考えます。
ロイロノート導入のメリット
一人ひとりが必要な時にいつでも前時までの流れを確認できることで、話し合いの目的や方向性を見失わずに進めることができた。
カードを送ったり、コピーしたりできるため、時間の短縮につながりました。
実践の目標
世の中に役立つものが自分たちの手で創り出せることを体験する。
「(アイデアを)出して、分けて、しぼる」というキーワードのもと、話し合い活動の中で、思考の発散と収束を意識できるようになる。
シンキングツールを活用することにより、思考の整理ができるようになる。
実践の場面
1. 学校の課題を共有・分類する
学校の中にどんな課題があると感じているか、グループごとに共有する。でてきたアイディアをKJ法でグルーピングし、その中で一人ひとりが解決すべきと考える課題を1つ選ぶ。
国語科の「提案文を書こう」の中で、すでに学校の課題について一度考えていることもあり、さまざまな意見が出た。提案文との違いは、自分たちで改善できるものという点であり、その違いを意識しながら、解決すべき課題を選んでいた。
2. 課題の要因を分類する
選んだ課題ごとのグループに分かれて、課題の要因を検討していく。出てきた要因をフィッシュボーン図を使って整理する。その中から「人が解決すべきもの」「ヒト型ロボットで解決できそうなもの」を選ぶ。フィッシュボーン図にまとめていく過程で新たな意見や、より具体的な意見が数多く出ていた。
本来、フィッシュボーン図では、主要因を出して、その後細かな要因へと移っていくが、その手順だと①児童間で「主要因」のレベル感がまちまちで議論が活発にならないこと、②グループごとに課題が異なるため、4Mなどの指標をしめすことができないことから、今回は課題の要因を自由に出してからまとめるという手順とした。
3. 選んだ要因に対して、あるべき姿・めざす姿を考える
選んだ要因に対して、学校のあるべき姿・めざす姿を相手や場面を想定しながら考える。具体的に考えられるように、「いつ」「どこで」「だれが」「どんな姿・思い」といった項目を入れたワークシートをカードとして用意した。
4. めざす姿を実現できるヒト型ロボットの動きを考える
ヒト型ロボットの先にいる相手を意識して、動きを考える。
具体的には「相手のどんな動きに対して」「どのセンサーで」「どんな動き」をヒト型ロボットがすればよいか、場面や相手をしっかりと想定しながら考える。
5. ロールプレイングとプログラミングの実施
ヒト型ロボット役と相手役に分かれてロールプレイングを行う。相手役には場面のみを伝え、いつも通りにふるまうようにしてもらい、ヒト型ロボット役が想定した通りに作動するか確認をする。
多くのグループで、相手の動きの想定が不十分なため、ヒト型ロボット役がまったく作動せずに終わったり、想定外の動きをしたりしていた。ロールプレイングでの情報をもとに、場面の想定などをより客観的な視点で考えながら話し合いを進め、その後自分たちで考えたヒト型ロボットの動きをカタチにするため、各自プログラミングを実施した。