小3 情報「プログラミングを生活で活用する」授業第3弾帰りの会の時間を守る【実践事例】(日本女子大学附属豊明小学校)
日本女子大学附属豊明小学校
田中 栄太郎教諭
ロイロノート・スクールを活用して帰り支度を手早くする工夫を話し合い、帰り支度のアルゴリズムを全員で考え、クラスの課題を解決します。
プログラミング的な思考を意識させ、それを児童の生活の中で役立てることを目標に3つの授業を計画しました。本時は3つ目の授業です。これまでに学んだプログラミング・アルゴリズムの考え方を元に、帰りの会をスムーズに始められるよう、帰り支度を効率よくできるアルゴリズムを考えました。
まず、児童それぞれが帰り支度で「必ずすること」を1つ以上考え、ロイロノート・スクールのカードに入力します。ペアになって互いに考えたカードを見せ合い、1つ選んで発表し、良い意見は提出箱に提出します。提出されたカードを繋ぎ、「必ずすること」のカードとして資料箱に保存します。今度は4人グループになって、これ以外に「これもしておくと良いこと」はないかグループで話し合います。まとまった意見をカードに入力し、「必ずすること」のカードと繋げます。それから8人グループを作り、元の4人で考えたことをグループの中でお互いにプレゼンテーションし合います。そして、「帰り支度を手早くする工夫」をカードにまとめて提出し、クラス全体にプレゼンテーションをしました。それからクラスの「帰り支度のアルゴリズム」を完成させ、印刷して配布し、教室内にも掲示しました。
ロイロノート導入のメリット
ペアでの話し合いの中で、個々の意見をカードで示し、説明することができました。
良い意見のカードを提出して繋げることで、全体の意見をまとめることができました。
このクラスの児童は3年2学期にロイロノート・スクールを用いたプレゼンテーションを経験しているので、少人数のグループ内で即座にプレゼンテーションを行うことができました。また、その後に行った全体でのプレゼンテーションもスムーズに進めることができました。
実践の目標
プログラミング的な思考を踏まえて、帰りの会までに済ませることを、効率よく進める順番を考える。
クラス全体で共通のアルゴリズムを作り、意識させる。
個々からグループへ話し合いを展開し、全体で意見を共有する。
実践の場面
1. 個々からペアでの意見交換を行う
今回はプログラミング的な考え方をもとに「みんなが余裕を持って帰り支度をするためのアルゴリズムを考える」ことに取り組んでいった。まず、児童それぞれが帰り支度で「必ずすること」を1つ以上考え、ロイロノート・スクールのカードに入力する。
次にペアを組み、互いに考えたカードを見せてそこから1つを選ぶ。選んだカードは挙手して発表し、良い意見はピンク色のカードで提出箱に提出した。提出されたカードを繋ぎ、「必ずすること」のカードを資料箱に保存した。
2. 4人グループで話し合う
席を組み替えて4人グループになり、資料箱から「必ずすること」のカードを取り出して、これ以外に「これもしておくと良いこと」はないかグループで話し合った。まとまった意見は水色のカードに書き、「必ずすること」のカードにつなげていく。
3. 8人グループ内で、お互いにプレゼンテーションをし合う
更に席を組み替えて、4人グループを2つ合わせて8人グループを作った。元の4人で考えたことを、8人グループの中でお互いにプレゼンテーションし合った。このクラスでは社会科の授業で一人ひとりプレゼンテーションを行っているので、発表に対して戸惑いは少なく、スムーズに取り組んでいた。
4. 各グループで提案をまとめる
グループ内でのプレゼンテーションを終えた後は、8人で「帰り支度を手早くする工夫」をまとめた。まとめたカードは提出し、それをもとにクラス全体に向けてプレゼンテーションをする。グループ内で役割分担などを考え、準備を進めていった。
5. グループから全体へプレゼンテーションを行う
各グループからクラス全体にプレゼンテーションをした。良い工夫には拍手を送り、お互いのアイデアを共有して確認した。聞き手の反応が良かった工夫を、教師がカードを繋いで1つにまとめた。
6. アルゴリズムを完成させる
プレゼンテーションで出された工夫を取り入れてまとめ、クラスの「帰り支度のアルゴリズム」を完成させた。これは印刷して配布するとともに、教室内にも掲示した。このアルゴリズムを行い始めてから、児童達に様子を聞いたところ、複数の児童から「今までより帰り支度にかかる時間が早くなった」と回答があった。