小5 国語 読んだ「伝記」の人物を紹介するために効果的な資料を集め、ポイントを明確にした考えをまとめて発表する【実践事例】(加藤学園暁秀初等学校)

小5 国語 読んだ「伝記」の人物を紹介するために効果的な資料を集め、ポイントを明確にした考えをまとめて発表する【実践事例】(加藤学園暁秀初等学校)

加藤学園暁秀初等学校
三浦 貴史教諭
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伝記を通して学んだことをプレゼンテーション資料にまとめ、「聞いてもらう」から「参加型」のプレゼンテーションを展開する力を育てます。

2学期中盤の国語の授業において、「百年後のふるさとを守る」(国語5年銀河:光村図書)という学習をしました。ここでは教科書で紹介された浜口儀兵衛の伝記の他に、道徳の教科書に掲載される偉人の伝記も活用して、「個々が読んだ「伝記」の内容を、自分の考え方と比較しながら文章を書く」という学習を進めました。そして、冬休み中に各家庭の近くにある本屋さん・図書館などにご家族でお出掛けいただき、好きな人物の伝記や、保護者の皆様が自分のお子様に是非読ませたい伝記(小学生が読みやすいものであれば、過去の偉人であろうと現代のスーパースターであろうと人選は自由)を選んでもらって休み中に読み進め、レポートにまとめるという課題を出しました。
休みが明けて3学期、このレポートをもとにロイロノート・スクールを使ってプレゼンテーション資料を作成します。必要な資料などをWebから集め、調べた人物に関するクイズを作成するなどの編集作業を進めました。そして発表用の「アウトライン原稿」(話す内容の概要だけを要点に即してまとめた原稿)に基づき発表の練習を重ね、学習発表会において学習した成果を保護者の前で発表しました。

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ロイロノート導入のメリット

児童が作成した発表作品を、教師とクラスの児童全員が回答共有により同時に見ることができます。また、画面配信機能・プロジェクターを活用して、誰かのノートに注目を集めることも容易にできます。

例年、年度末の学習発表会に向けて多くの時間が費やされます。しかし、1人1台タブレット&ロイロノート・スクールの機能を最大限に活用することにより、時間の有効活用が実現できました。また、日を跨いでも前回の活動の続きからスムーズに取り掛かることが可能なので、思考の流れに歯止めをかけることなく、活動をスムーズに進めることができました。

ロイロノート・スクールを活用することで、カードとカードの間をつなぐような言葉の説明をする必要が無くなったので、保護者の方やお客さんの目を見て発表ができるようになりました。相手の反応によってはカードの説明順をとっさに入れ替えるという高度なスキルを手に入れた児童も出てきました。「聞いてもらう」という発表の形式から脱却し、まさに「参加型」のプレゼンテーションを展開することができました。


実践の目標

伝記を読み、自分の生き方について考えることができる。

対象となる偉人について、ポイントを明確にして紹介・推薦したり、それを聞いたりすることができる。


実践の場面

1. 読んだ伝記についてのレポートを作成する
読んだ伝記の対象の人物について、以下の5点をポイントにレポート(紙ベース)にまとめた。

①「人生」や「人がら」、「性格」や「名言」、エピソードについて。
② 業績(その人物がした仕事や研究・後世に残したものなど)について。
③ この伝記を読むことで学んだことや見習いたいと感じたことについて。
④ その人物の似顔絵を描く。
⑤ その人物の年表を調べまとめる。



2. 紹介するための資料を作成する
手書きのレポートを項目ごとにロイロノート・スクールのテキストカードにまとめる。紹介するのに効果的な順番を考えてカードの入れ替えをしたり、文章を推敲して資料を作成する。



3. 調べた人物の似顔絵を描き、年表をまとめる
手書きの持つ「良さ」も発表をする資料の中に取り入れたかったので、調べた人物の似顔絵と年表作りにおいては画用紙に描き、写真を撮り、それぞれカードとして取り込んだ。



4. 紹介する際に効果的な資料をWebから探し、編集する
自分の調べた人物の出生地や主に活躍した都市などの場所を地図で紹介したり、その都市の風景や名所の写真を取り込んだり、愛用の道具や衣装を紹介したり…と、主にその人物を視覚的な面から詳しく紹介することが出来るような資料をWebカードを活用して作成した。



5. 発表資料のカードをつなぎ直し、発表練習を繰り返す
自分が調べた人物について、発表をしっかりと聞いていれば答えることが出来るような3択クイズを数問作成し、これを最後のカードとした。これまで作成してきた様々なカード全体を見渡し、カードをつなぎ直し、より説得力のある構成とはどんなものであるのかを各自が考えた。カードをつなぐ順番が決定したら、アウトライン原稿に従って、少人数での発表練習を何度も繰り返し行った。



6. 保護者の前で発表会を行う
教室の中に6つのブースを作り、各ブースに3~4人の児童を配置して発表会を行った。冬休みに同じ人物の伝記を読んだという児童もいるため、同一人物の伝記が同じブースで紹介されることがないように分けた。また、なるべく紹介される人物がバラエティに富んだラインナップになるように配慮して、チーム分けをした。
ICT機器を流暢に操り、ロイロノート・スクールの機能(ラインマーカーの機能など)を効果的に使う児童たちの発表を、保護者の方々はじめお客さん達が感心しながら食い入る様に参観して下さった姿が印象深い。



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