小5 国語 すいせんします【実践事例】(京都市立錦林小学校)
京都市立錦林小学校
長野 健吉教諭
自分の言葉で伝え、お互いに評価をし合うことで、学び合いを促します。
ロイロノートのカードを使って、グループで順番に自分の好きなものを推薦するプレゼンテーションをしていきます。
カードには要約としてのキーワードだけを書いて、自分の言葉で伝えられるようにします。プレゼンテーションが終わったら、聞く側は、P(良い)M(改善すべき点)I(面白い)の観点で、カードに評価を書いて相手に伝えます。グループでのPMI評価を受けて、自分の推薦に必要な改善点をロイロノートのカードに書いて、自分の足りなかった部分を意識して文章化していきます。
そして、これまで毎時間ごとに書いてきた、「単元で学んだ大切なこと」をまとめたポートフォリオカードを見直します。
各ポートフォリオカードの大切なキーワードや、文に線を引き、グループ内で互いに説明し合います。
話し合いをしたことを踏まえて、「単元で学んだ大切なこと」を文章にまとめてカードに書きます。最後に、そのカードを教師に提出します。
ロイロノート導入のメリット
「話す」ということは、話を構成する要素と、接続詞がはっきりしていれば良いので、それをカードにしてスワイプすることで、自然な形の「話す」を実現できました。
学びの蓄積(LOPP)について、毎授業で推薦に必要なことを従来の「振り返り」としてロイロノートのカードにデータとして残しておくことによって、学習を継続して行うことができます。
紙に書くこととは違い、カードに書きながら自分の文章を練り直す様子も見られ、確かな文章を書く力を育成することができます。
学習後に単元をまとめて文章化する時に、過去に書いたカードから重要なものに線を引いて抜き出すことができます。そしてカードをスワイプしながら友達に説明することでアウトプットし、考えていることを「話す」という段階が可能になりました。まとめて書くよりも、話す行為を入れることで、より確かな学びに繋がります。
単元の学びの話し合いを実現することで、友達の不足を補うアドバイスをすることができ、学び合いを促すことも可能になりました。
実践の目標
推薦されたものを聞き合い、推薦するときに必要な要素をまとめることができる。
実践の場面
1. 本時の学習のめあてと、その到達点、評価指標(ルーブリック)を設定する
めあてである、「お互いの推薦を聞き合い、学習をまとめよう」を分析する。
(まず、「聞き合う」とはどんなことが必要か問い、次に、「まとめる」とは何かを問う。)
上記の分析をもとに話し合って、評価指標(ルーブリック)の設定をする。そして、ゴールを明確にし、何を習得すべきか捉えて学習を進めていく。
本時のルーブリック
【A評価】・・・お互いの推薦を聞いて、構成、表現、考えを見つける。
【S評価】・・・自分の推薦に取り入れる
2. 評価の観点を知る
考え、表現は明確かどうか、構成は効果的であったかどうかの観点で、P(良い)M(改善すべき点)I(面白い)で評価し合う。
推薦を聞いた後で、PMI評価をロイロノートのカードで相手に送信する。
聞く観点が明確になっていることで、自分が話すときにも意識することができるようにする。
3. 推薦する
グループのリーダーの指示のもと、順番にプレゼンをしていく。
カードを自分でスワイプしながら話す順序を確認し、相手に伝わりやすいよう意識しながら話すようにする。
カードは、自分で考えた推薦をする時に効果的な構成があるようにしておく。自分の言葉で伝えられるようにするため、カードには要約としてのキーワードを書くだけに留めておく。
4. 評価し合う
PMIの観点に従ってカードに評価を書いて送信し合い、言葉を補いながら相手に伝える。その際、推薦の構成や、話す技術について言及できるようにする。
もらったアドバイスカードはデータとして残るので、最後のまとめの時間に、自分の改善点として記述できるよう整理しておく。
カードにない部分はノートにメモをしておくようにする。
5. 自分の推薦の改善点を、学習のポートフォリオに文章としてまとめる
グループでのPMI評価を受けて、自分の推薦に必要な改善点をロイロノートのカードに書く。(200字程度)
もらったカードを見たり、アドバイス時にメモしたことを見たりして、自分の足りなかった部分を意識して文章化していく。
また、友達の推薦で良かった部分について、取り入れたいことがあればそれも記述する。
6. 単元で学んだことを自分の言葉で話し、まとめる
単元目標である、「理由を明確にして、推薦したり、それを聞いたりしよう」について、これまで毎時間ごとに書いてきた、「単元で学んだ大切なこと」をまとめたポートフォリオカードを見て、文章化します。そのために、各ポートフォリオカードの大切なキーワードや、文に線を引く。まず、それを見ながらグループ内で互いに説明し合う。
この時、線を引いたカードをスワイプさせながら、自分の言葉で話すことでさらに学びを深めたり、友達の説明で足りない部分に付け足すことで、互いの学びのずれを修正する話し合いを展開できるようにする。次にそれを受けて、各自、単元のまとめとして「単元で学んだ大切なこと」を文章にまとめて、学習後のカードを書いていく。
最後にカードを先生機に提出する。