(小値賀町立小値賀小学校)事実や経験を基に、随筆を書こう【実践事例】
授業担当者 | 富永 豊 |
ICT環境 | 1人1台タブレット |
学年 / 教科 | 小学校6年 / 国語 |
単元 | 随筆を書こう |
〈実践の概要〉
「随筆を書く」活動に、ロイロノート・スクールを活用した。児童にとって、随筆を書く活動は初めてのことであり、生活作文との違いをはっきりさせるための構成の工夫を行った。
具体的には、まず書くテーマを決め、一般的な言葉の意味や自分が考える言葉の意味、自分の体験や思いなどをたくさんカードに書かせた。
次に、書いたカードの中から必要な事柄を選び、カードをつなげて構成を考えさせた。
その後、考えた構成を友達に見せ合って交流し合うことで、カードをつなぎ直したり、新しいカードを挿入したりすることで、より良い文章構成になるようにした。
最後に、構成を基に随筆を下書き、清書させた。
〈ロイロノート・スクール導入の効果・メリット〉
自分の体験や思いなどを短い言葉でカードに書くことで、視覚化できる。
簡単にカードをつなげたり、切り離したりできるので構成の組み立てが行いやすい。
スライドで友達に自分の考えを提示して発表させることで、考えが伝わりやすい。
〈実践の目標〉
随筆がどのようなものかを理解し、書く事柄を決めて、事実と経験を基に構成を考えることができる。
構成を基に、友達と助言し合い、その助言をもとに構成を組み直して随筆を書くことができる。
〈場面1〉本時の見通しをもつ
前時までの随筆の学習を振り返り、随筆とはどんな文章か思い出させた。学習課題「事実や体験をもとに、随筆を書こう」を提示し、教科書を読んで随筆のイメージをもたせ、生活作文と随筆の違いについて押さえた。
さらに、これからの学習の流れを確認した。(①書く事柄を決める ②具体例を書き出す ③自分の考えをまとめる ④友達と交流をする ⑤随筆を書く ⑥互いに読み合う)
〈場面2〉書くテーマを決める
書きたいテーマをいくつか考えさせ、思いつくままにカードに記入させた。記入したカードを友達に見せ、仮のテーマについて二人組で話し合わせた。
その際、いくつか考えたテーマについて話し合わせることで、随筆として文章に書けそうかを考えさせて、一つのテーマに絞っていくようにした。
テーマが決まったら、カードを教師へ提出させ、学級全体でテーマを確認し合った。
〈場面3〉言葉の意味を調べたり、考えたりする
書きたいテーマを決め、その言葉の一般的な意味を調べて1枚のカードに記入させた。また、テーマに対する自分が考える意味を1枚のカードに記入させた。
見やすくさせるために、テーマ、一般的な意味、自分が考える意味を違う色のカードに書かせるようにした。
〈場面4〉体験やできごと、思いなどを書き出す
テーマに沿った自分の体験やできごとを想起させ、短い言葉でカードに記入させていった。その際、できるだけたくさんカードを作成させることで、随筆を書くための材料をたくさん集めさせることにした。
また、その体験やできごとを通して感じた様々な思いも、カード1枚1枚に記入させることで、自分の心の変化やなぜそう感じたのか、自分自身に問いかけながら考えを深められるようにした。
〈場面5〉カードを線で結び、構成をまとめる
作成したカードをつなぎ合わせて、随筆の構成を考えさせた。その際、テーマに対する自分の考えが伝わるために、よいよい具体例(体験やできごと・思いなど)をカードから選択したり、並び替えたりさせた。
つないだカードをスライドショーにすることで構成を見直したり、友達との交流につなげたりした。
〈場面6〉構成を見直し、随筆を書く
できあがった構成のスライドショーを友達に見せて、意見交換をさせた。「一般的な意味」「自分の解釈」「具体例」「独自の考え方」が明確に構成されているかを確認し合い、必要に応じて構成を組み直したり、新しいカードを付け加えたりさせた。友達の助言を全部取り入れるのではなく、やり取りの中で納得したものを生かすようにし、構成を決定していった。
最後に、構成を基に随筆を書く活動に取り組ませた。