(高鍋町立高鍋西中学校)100日後に死ぬワニ~作者が伝えたかったことは?~【実践事例】

(高鍋町立高鍋西中学校)100日後に死ぬワニ~作者が伝えたかったことは?~【実践事例】


基本情報
授業担当者染矢 直樹
ICT環境4人以上で1台
学年 / 教科中学校1年生 道徳
単元【内容項目】D (22) よりよく生きる喜び
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〈実践の概要〉
道徳の授業と言うと、生徒にとって堅苦しいものになりがちである。話題となった「100日後に死ぬワニ」を教材として取り扱うことにより、終わり(死)を意識することでより良い方向に進んで欲しいという作者の意図を生かして「よりよく生きる喜ぶ」について考えさせた。授業ではセリフを予想させたり、なぜこの作品が人気になったかを思考支援ツール(ピラミッドチャート)でグループごとに思考させたりすることにより、より深い学びを目指した。本時のまとめとして、作者への手紙を書かせることにより、本時の学びをより身近なものと感じさせ、一人一人がアウトプットする手法をとった。

〈ロイロノート・スクール導入の効果・メリット〉
難しいイメージのある道徳授業のハードルを下げて、取り組ませることができる。
グループごとに思考支援ツール(ピラミッドチャート)を使って、「この作品の人気の理由」を考えることができる。
グループごとの意見を、テレビ画面を使って全体で共有することができる。

〈実践の目標〉
「100日後に死ぬワニ」を使って、人間には自らの弱さや醜さを克服する強さや気高く生きようとする心があることを理解し、よりよく生きることの大切さを理解させる。
本時で学習したことを作者(きくちさん)への手紙の形式でまとめさせることにより、人間は最後(死)を意識することで、より良い方向に進むことに気付かせる。

【 グループごとに人気の理由を考える 】   【 ピラミッドチャートを使ってまとめた意見 】

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〈場面1〉「100日後に死ぬワニ」とはどんな作品か知ろう
この作品はきくちゆうき氏がTwitterで毎日更新していった「4コマ漫画」である。100日後に死ぬことを主人公のワニは知らないが、読者が終わり(死)を意識することにより、日常のたわいもない会話、生活の積み重ねに大きな意味があるという示唆に富んだ作品である。この作品を使って、一日一日を大切に生きること(よりよく生きる喜び)を考えることをねらいとした。

〈場面2〉3日目と88日目のマンガのセリフを予想しよう
3日目は道路を横断中のひよこを、事故に遭う寸前に助けたワニが注意する場面、88日目はもらったゲームを「死んだらあげるよ」と発言したことを、友人のネズミからたしなめられる場面である。両場面ともに、ワニの100日後を示唆する内容となっており、セリフを予想させることで、作者の意図に気付けるようにした。

〈場面3〉この作品が人気になった理由を考えてみよう
「なぜこの作品が人気になったのだろうか?」を中心発問として、グループごとに思考支援ツール(ピラミッドチャート)を使って、この作品の本質に迫らせた。A3の用紙(ピラミッドチャート)に、グループごとに考えた意見を記入させ、ロイロノートのカメラ機能を生かして意見を集約した。最終絵的に、各グループが考えた理由をシートに録音させ、テレビ画面を使って全体で共有した。

〈場面4〉この作品のラストシーンを見てみよう
「100日目のワニのようす」を、スライドを使って全員で各場面を確認した。その後、作者のインタビュー記事から、作者が伝えたかったこと(終わり(死)を意識することで、日々の生活をより良い方向に進めて欲しい)を、各グループの意見と関連付けて理解させた。

〈場面5〉学んだことを作者への手紙にまとめてみよう
余韻を残すためにいきものがかりの「生きる」を聴きながら、本時で学習したことを作者への手紙の形式でまとめさせた。実際に生徒の感想を手紙として作者に送ったところ、イラスト付きのメッセージをいただいた。お礼のイラストを見た際の生徒の笑顔が印象的であった。

〈授業写真〉
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