ICTを活用した学び〜オンライン学習に向けて〜(立命館守山中学校・高等学校 國領 正博 先生)

ICTを活用した学び〜オンライン学習に向けて〜(立命館守山中学校・高等学校 國領 正博 先生)

ICTを活用した、オンライン学習にむけての実践的な取り組みの発表です。
発表動画 


なぜ、オンライン授業をするのか?
そもそもなぜオンライン授業をする必要があるのでしょうか?
その目的をはっきりさせることが、オンライン授業を考える第一歩となります。

オンライン授業と「学びの保障」
オンライン授業の目的は「学びの保障を目指す」ことであり、オフラインでの授業の全てを代替することではありません。
また、「学びの保障」=「オンライン授業」をすることでもありません。
オンフライン、オンライン問わず学校が元々果たしてきた機能を、なるべくはやく復活することの総称が「学びの保障」です。

オンライン授業で大切にしたいこと
オンライン授業では、「健康保障」・「つながり保障」・「教育保障」の3つの保障が大切です。
健康保障:生活リズム、健康に暮らす
つながり保障:生徒同士のつながり、「見守られている」という感覚
教育保障:学力の担保や学びの保障

オンライン授業3つのタイプ
オンライン授業にはA:課題出題・提出型、B:動画視聴型 、C:リアルタイム双方向型の3つのタイプがあります。
1つの講座の中でそれぞれを組み合わせることで授業をすすめていきます。

オンライン授業の3つのタイプ
A 課題提出型
課題を先生から生徒におくり、生徒は課題に回答して提出する形式です。
B 動画視聴型
生徒が先生の授業動画などを視聴し、その後、課題などに提出する方式です。
C リアルタイム双方向型
zoomやmeetをつかって、リアルタイムの双方向型の授業を行う形式です

3つのタイプの特性と使用するツール
3つのオンライン授業のタイプの特性と使用するツールをまとめました。

B動画視聴型授業での動画作成のポイント
学習動画は、iPadの画面収録や zoomの録画機能をつかうことで簡単に作成できます。
動画作成に便利な方法
Clips:字幕付きの動画が簡単につくれます
zoom:録画機能をつかうと動画を簡単につくれます
画面収録(iPad):画面収録機能をつかうことで先生が操作している様子をそのまま音声つきで動画にまとめられます
Assensive toch(ポインターを表示する機能)を使うと便利です。

ロイロの授業案検索をつかう
ロイロではさまざまな授業を公開しています。そちらをご利用いただくことで授業を検索することができます
また、オンライン授業に特化したノウハウサイトもございます。
授業案検索:授業案を検索する
オンライン授業の授業案まとめ:オンライン授業での各科目ごとの活用法

C リアルタイム双方向型オンライン授業実施のポイント
リアルタイム双方向型を配信するための環境作りについて説明します。
オフラインの授業を完全に再現することは難しいですが、少しのLIVE感(リアルタイムでのやりとり)と、確認テストのセットで効果的にオンライン授業をおこなえます。

授業教室からの配信がおすすめ
リアルタイム双方向型のオンライン授業は、先生方が使い慣れている授業教室での実施が望ましいです
自宅などでの配信とちがい、他教科の先生の授業を見学することもできます

オンラインならではのよさもある!
生徒にとってはいつでも最前列で受けているのと同じ(前の子の頭でみえにくいとかがない)
一人一人の反応も実は対面より拾いやすい(チャットやロイロなど)

ヘッドセットは必需品
リアルタイム双方向型の授業は「ハウリング」などの音トラブルが発生しやすいです。
ヘッドセットがあると、ハウリングがなく、きれいに音声を配信できます

オンライン授業実施の準備
オンライン授業の実施のためには、アカウントの準備、時間割作成、 zoomなどの権限設定など様々な準備が必要です。
また、保護者・生徒からの連絡方法やトラブルの対処方法も決めておく必要があります。

時間割の準備
立命館守山中学・高等学校では、通常の時間割とは別にオンライン授業専用の時間割を作成しました。
また、 zoomのIDなど、授業の参加に必要な方法をまとめた時間割を作成して、情報を共有しました。

オフラインの環境での練習
1日でも投稿する日があるのであれば、オフラインでオンライン授業の練習をしておくと安心です。
生徒が登校できない場合でも、先生方の練習をおこなうだけでも効果的です。特にホスト権限をもって zoomやmeetをひらく練習をしておくと安心です。

zoomはパーソナルアカウントで固定!
先生方がご利用いただく zoomのアカウントは一人一人固定しておくと便利です。詳細は以下の小木曽先生の記事もご参照ください。

連絡方法の確保
家庭との連絡方法を確立しておくこともとても大切です。ロイロだけではなく、学校のHPやメール・SNSなども活用して、家庭と確実に連絡が取れる方法を確保します。

保護者からの問い合わせ
保護者からの問い合わせの電話は、誰がどこで受け取るかわかりません。そのため、全教員が問い合わせから対応できるよう、
Q&Aサイトをつくって運用しました。
寄せられたノウハウについては以下のページもご参照ください
オンライン授業でのお困りごとまとめ オンライン授業「あるある」!

不参加者への対応
体調不良・ネットワークのトラブルなど、様々な理由で参加できない生徒がいる可能性があります。
そのため、安心して「後追い学習」ができるようにアーカイブの配信などの準備も大切です。

後追い学習の例
配布資料の用意(資料箱の機能を使うと便利です)
録画データの共有など

また、対面授業と同様に欠席生徒の様子を確認したり、生徒の姿勢なども授業の中で声をかけるといった「普通の授業」でおこなうことも大切です。

まとめ
オンライン授業では生徒の姿が直接みえず、また、対面での授業をそのまま再現するとうまくいかないこともたくさんあります。「オンライン授業」という方法にこだわるのではなく、「学びの保障」として置かれた状況で最適な方法は何か?を考えることでそれぞれの学校に応じた方法がみえてくるはずです

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