中1~3 国語 ロイロノートによる「書くこと」の学習の深化【実践事例】福島県白河市立五箇中学校 藤井 香澄
授業担当者 | 藤井 香澄 |
ICT環境 | 1人1台タブレット |
学年 / 教科 | 中学校1~3年/国語科 |
単元 | 1年:「意見と根拠」 2年:「字のない葉書」「(書写)行書の書き方を学ぼう」 3年:「君待つとー万葉・古今・新古今」「人工知能との未来/人間と人工知能と創造性」「(書写)学習したことを生かして書こう」 |
〈実践の概要〉
ロイロノートを使用し、生徒から提出された「考えや意見」の回答を共有することで、班活動で行うよりも多くの意見に触れて「書くこと」に生かしていく。また、作った作品をロイロノートで級友に送って他己評価をしてもらう。自由に線を引いたり書き込んだりできるので、作品自体を汚すこともない上に、多くの人に評価をしてもらっても煩雑になることはない。作品を作っている最中に教師に提出をすれば、アドバイスも容易である。このような実践を通して、生徒の書く力を育てていく。また、生徒の学びを蓄積することで、教師も生徒の変容を捉えたり評価の蓄積をしたりすることが容易になる。
2年「字のない葉書」 作品から伝わる印象を級友が評価した。
〈ロイロノート・スクール導入の効果・メリット〉
生徒の学びの蓄積ができる。(評価の蓄積ができる。)
生徒が、より多くの意見や考えに触れることができる。
(教師)授業準備の効率化。(生徒)宿題提出の簡易化、効率化。
印刷の減少による省資源化。
〈実践の目標〉
生徒の学びをこまめに提出させ、学びの蓄積をする。
生徒の回答を共有し、より多くの意見や考えに触れさせて多角的・多面的な視点を与える。
添削等をロイロノートで行うことによって、省資源化と仕事の効率化を図る。
〈場面1〉1年「意見と根拠」
生徒は「意見」「理由」を述べることはできるが、その根拠を明確にして書けていなかった。根拠を明確にした意見文を書く前に、ノートに構成メモを書かせた。そのノートを撮影してロイロノートで提出させ、理由と根拠の整合性や根拠の過不足、書く際のアドバイスなどを記入してから返却した。指摘された点を修正しながら意見文を書くことができた。(下図1枚目)
〈場面2〉2年「字のない葉書」
ロイロノートで「直接的な表現を使わずに人柄を表現」した。身近な人の人柄を書いたあと、評価用のシートを生徒自身で作成し、級友に評価をしてもらった。級友は送られてきた作品のどの文章からどんな人柄が読み取れるか書き込み、返却をする。返却されたいくつかの作品を参考に、作品がより伝わりやすくなるように書き直した。(実践の概要 写真1枚目)
〈場面3〉3年「人工知能との未来/人間と人工知能と創造性」
教科書の教材について「批判的な読み」をし、意見文を書く授業を行った。本文を疑い、反論を考えて意見を形成する過程で、様々な意見や視点が必要だった。本文への疑問点やその反例、人工知能のメリットやデメリットを書いたワークシートを提出箱に提出させ、回答共有をした。回答共有をしたおかげで、班での話し合い以外の考えを吸収して意見文を書くことができた。
〈場面4〉3年「君待つとー万葉・古今・新古今」
古典短歌を現代詩化し、互いに評価し合った。現代詩化に合う写真もつけたので、今までは評価の際に級友のパソコンの前に移動したりカラーコピーしたりして手間がかかっていたが、ロイロノートを活用することで手間がなくなった。また、回答の共有で級友の作品が一覧になり、ぱっと見の印象も感想に書き加えられた。同じ短歌を選んだ友達の作品を比較しながら鑑賞することもできた。
〈場面5〉3年「(書写)学習したことを生かして書こう」
書いた作品を撮影し、直すべきところに書き込みを行った。学習したこと(点画の長さや向き、入筆のしかた、筆脈など)を生かし、どこをどう直すのか明確にすることで、生徒は課題意識をもって学習に臨めた。また、自分の字と向き合ってよりよい作品を仕上げようとする意欲を喚起できた。(下図2枚目)
〈場面6〉2年「(書写)行書の書き方を学ぼう」
最初に書いた作品を撮影し、出来上がった清書と比べることで変容を捉えさせた。今までは最初に書いた作品を取っておくしかできず管理が大変だったが、ロイロノートに保存をしておくことで容易になった。また、それらを見せながら「できたところ・課題が残るところ」の発表もできた。そしてテキストシートに反省点を書いて提出させることで、変容を確実に評価できた。(下図3枚目)