中2 音楽 音楽のよさや美しさを可視化させることにより,表現方法の具体化を図る【実践事例】愛知教育大学附属名古屋中学校 水谷 佳那子

中2 音楽 音楽のよさや美しさを可視化させることにより,表現方法の具体化を図る【実践事例】愛知教育大学附属名古屋中学校 水谷 佳那子


基本情報
授業担当者水谷 佳那子
ICT環境1人1台タブレット
学年 / 教科中学2年 /音楽
題材「校歌」のよさや美しさを感じて歌おう
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〈実践の概要〉
音楽のよさや美しさについて考えるためシンキングツールを用いる。その後,シートを共有し音楽を聴いた印象を感性だけで捉えるだけでなく,音楽を形づくっている要素とその働かせ方に着目させ,音楽のよさや美しさについて根拠をもって論理的に捉えさせていく。また,シートを使って論理的に捉え,楽曲分析で習得した知識を表現活動に活用することで,表現活動がより充実し,深い学びとなるのではないかと考え,本実践を行う。
本題材では,音楽のよさや美しさを理解する場面と,習得した音楽のよさや美しさを活用・探究する場面の二場面に分けて実践を行う。実践の随所でロイロノートを活用していく。

〈ロイロノート・スクール導入の効果・メリット〉
生徒の意見を共有させることで,クラス全体の意見を共有することができ,多様な意見を取り入れやすい。
「送る」機能を使って全生徒に音源を配布することで,個々の実技の探究活動が行いやすい。
テキスト入力や画像への書き込みを用いることで,楽曲への理解を深めやすい。

〈実践の目標〉
音楽を聴いて知覚・感受したことを可視化させ,よさや美しさを,根拠をもって説明させる。
よさや美しさについて共有することで,音楽表現方法について具体化させる。

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〈場面1〉音楽のよさや美しさを理解する場面
(1)音楽のよさや美しさを考える
シンキングツールのシートを用いた,右図のような楽曲分析シートを配付した。前半・中間部・後半と3つに分け,右図は前半部の分析シートである。左の黄色のテキストに捉えた曲想を入力させ,真ん中の緑のテキストには音楽を形づくっている要素名を,右には楽譜を載せた。曲想と音楽を形づくっている要素の働きが,どのように関連し,また楽譜のどの部分からその働きを捉えることができるのか,自分なりに分析したことを付け加えながらまとめさせた。これまでは分析したことを文章で書かせてきたが,楽譜に自由に書き込みができることで,より根拠を明確にして,よさや美しさを捉えることができた。

(2)音楽のよさや美しさを共有する
(1)でまとめたシートをグループで生徒間共有させ,分析結果をグループ内で説明させた。生徒はテキストを足して情報を整理したり,要素の働きごとに色分けをして記載したり,楽譜から線を引いて具体的に説明したりする様子が多く見られた。以前は,よさや美しさを「紹介文」や「批評文」としてまとめ,共有させてきたが,楽譜から音楽を形づくっている要素の働きを可視化させることにより,生徒は他の生徒の意見に興味深く耳を傾けることができた。

〈場面2〉音楽のよさや美しさを活用・探究する場面
(1)音楽のよさや美しさを活用する
この場面では,楽曲分析で習得した本楽曲のよさや美しさを,歌唱表現で実現できるように「表現のめあて」を設定させた。前場面で楽曲について論理的に説明をさせたことにより,「表現のめあて」をより具体的な言葉を用いて表すことができた生徒が多かった。また,「表現のめあて」を提出させた後に,全体共有を行うことで,自身の表現に生かそうとする生徒もいた。

(2)音楽のよさや美しさを探究する
(1)で設定した「表現のめあて」を基に,歌いながら表現方法を探究する場面である。下図のような「校歌」の音源を5種類(混声3部合唱・伴奏・パート3声分)配布し,個やパートに応じた練習が行えるように環境を整えた上で,音楽表現を探究させた。これまでパートに一つの音源であったが,音源を全員に配布することで,個に合わせた取り組みが可能となり探究しやすそうであった。

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