中3 美術 「メッセージを持ち歩く」表現 メッセージを持ち歩く~社会問題解決のメッセージをエコバッグにたくす~【実践事例】 (北海道教育大学附属釧路中学校)

中3 美術 「メッセージを持ち歩く」表現 メッセージを持ち歩く~社会問題解決のメッセージをエコバッグにたくす~【実践事例】 (北海道教育大学附属釧路中学校)


基本情報
授業担当者更科 結希
ICT環境1人1台タブレット
学年 / 教科中学校3年生/美術
単元「メッセージを持ち歩く」表現
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〈実践の概要〉
本単元(題材)は、未だ解決されていない社会問題に目を向け、自らが周囲に伝えたいメッセージを考えロゴデザインに表現し、エコバックにシルクスクリーンで印刷し、実際に街中で持ち歩くことでそのメッセージを伝えるといった授業である。ロゴを表現するためには、スケッチや絵画的表現から形の省略やデフォルメを行ったり、色彩においても自分が好きな色を選択するのではなく、メッセージにあった配色を考えることや多くの人が見やすく遠方からでも分かる配色が必要となる。他者から見てわかりやすく、伝わるロゴデザインを構想していくために多くの仲間の意見を基にデザインを再考することや、自分の感覚と他者の感覚の違いについて認識することが必要となるため、協働学習は欠かせない。

〈ロイロノート・スクール導入の効果・メリット〉
着目した社会問題に対しメッセージ(主題)を考える際に、調査活動で資料を蓄積したり、シンキングツールを活用したことにより最も伝えたいことをまとめていく思考過程がスムーズにおこなわれたことが効果的であった。
アイデアスケッチから原画となるデザインを構築する段階で、生徒間通信を行い、他者のアイデアスケッチに直接アドバイスを書き込み返信することにより、デザインの改善が行われた。
制作過程を、1時間ごと表現の結果を撮影したものとその時々の目標に照らし合わせた振り返りを記入し蓄積することができる。

〈実践の目標〉
解決していない社会問題に目を向け、人々に伝え体メッセージから発想し、簡略化した形の形成や色彩に意味を持たせロゴデザインの構想をねることができる。また、他者が感じ取るイメージを考えながら試行錯誤して表現する。そして生活をより裕にするデザインの役割について考える。

〈授業写真〉

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〈場面1〉取り上げたい社会問題に着目し、調査を行う
解決していない社会問題に対するメッセージをデザインして他者に伝えることを学習課題とした。山積する問題から扱いたい課題を見つけ、様々な資料を収集しながら他者に伝えたいメッセージを構築していった。その活動ではシンキングツール「情報分析シート」を用いまとめていった。

〈場面2〉ロゴデザインの役割を考え、発想する
ロゴデザインは他者に伝えるために、形の簡略化や意図的な配色などについて参考作品を鑑賞した。その上で、伝えたいメッセージを形に置き換えるために、メッセージが「~がダメ」とするのではなく、「~していこう」と他者の行動に訴えかけるものに精査していった。そして、いくつかのアイデアスケッチにまとめた。

〈場面3〉形や色の効果を理解しながら、最適な表現を構想する
アイデアスケッチを他者に見てもらい、「他者に伝わるようにするためには」といった視点で、互いのスケッチの簡略化できる箇所や配色案を検討し、改善策を練りシルクスクリーン技法の原画を作成した。シルクスクリーンの版表現の特徴や、様々な作家のメッセージに触れるなどして、より伝わる形や配色について意見交流しながら構想をまとめた。

〈場面4〉エコバックに印刷する
シルクスクリーン感光法を用い版を作成し、エコバックへの印刷をした。その際、配色の計画で決定した色作りの目安のために、ロイロノートで蓄積していた資料を参考に、色作りをおこなった。版を刷る場面では、他者と協力しながら取り組んだ。

〈場面5〉メッセージとSDGsの関係をまとめ、ポスターを作成
授業の振り返りと完成した作品を1枚のポスターにまとめた。内容は、完成した作品を実際に校内で作者がモデルとなり撮影した写真と着目した社会問題とそれに対するメッセージの意図、そしてそうした問題がSDGsにどう関わっているかを考えながら作成した。

〈授業写真〉
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