中1 社会科 単元名 ロイロノートの活用を通して、生徒それぞれの充実した追究へとつなげた単元開発【実践事例】 (深圳日本人学校)
授業担当者 | 樋口 康彦 |
ICT環境 | 1人1台タブレット 電子黒板 ロイロノート |
学年 / 教科 | 中学1年生/社会科 |
単元 | 古代文明と宗教 |
〈実践の概要〉
本校の定義付けした個別最適化の階層レベル3を意識した学習活動である。古代文明や宗教のおこりの類似性について考えをもつことを目的とし、ロイロノートや電子黒板を活用した。具体的には発表する際、聞き手にとってより効果が高くなるように電子黒板や、生徒の考えをまとめやすくなるようにロイロノートを用いた。生徒は資料をまとめ、発信する力だけでなく、現代社会とのつながりも意識するなど充実した学習活動につなげることができた。
〈電子黒板やロイロノート・スクール導入の効果・メリット〉
①ロイロノートの活用で、テーマに応じた調べ学習の内容を効果的にまとめることができる。
②ロイロノートの共有機能を用い、まとめた内容の共通点を考えることにつなげることができる。
③電子黒板を活用することで、発表の場面で、プレゼンテーション力が高めることができる。
〈実践の目標〉
①古代文明や宗教のおこりの類似性について考えをもつことができる。
②時代背景等を理解し、学習した内容を比較したり、関連付けたりするなどして、言葉や図で表したり、意見交換したりすることができる。
〈場面1〉第1次【古代文明の類似性に迫ろう】
人類の出現について学んだ後、生徒に、「人はその後何を求め、どのような生活を送ったのか」を予想させた。その予想をもとに、学習単元が始まった。人は生き抜くために、食を必要とし、個から集団へと生活スタイルを変えた。また、集団生活を送る中で、リーダーが生まれ、対立、和平、交易など多くの人との交わりや行き来へとつながった。文明とは、そのような人の知恵が詰まったものであると生徒たちは予想した。具体的にどのような知恵が生まれたのか、どのような場所で起こったのか、調べまとめる活動に取り組んだ。
まとめる際には、ロイロノートを活用した。その中で地図や写真を効果的に用いることを伝え、相手意識をもたせる視点を確認した。文明を調べ考えたことを共有する中で、共通点や相違点に注目することを確認し、話し合いを行った。
文字や遺跡、学問、生きていく術等、文明が発達した地域では起こっていることを生徒たちは気付くことができた。また現在でも謎が解明されていない多くの出来事があり、現在とのつながりに興味をもつ生徒もいた。
〈場面2〉第2次【宗教の起こりを捉えよう】
古代文明について学んだ生徒らは、民主制や共和制のある文明との比較を行い、その中で宗教に関する動きに目を向けた。歴史の進展には人々の活動、そして宗教も大きく関わっていることに気付いた。三大宗教と言われる「仏教・キリスト教・イスラム教」はいったいどのような経緯で始まり、広まったのか、どのような特徴があるのかを調べ、整理した。
今回の活動でもロイロノートを用いて、まとめていった。提出箱での共有は、一覧性があり、共通点や相違点に目を向けたり、資料を見た上で、質問事項を考えたりすることが容易にできた。また、質問事項やアドバイスカードをロイロノート上で送り、相互評価につなげることができた。
〈授業写真〉
〈成果と課題〉
歴史単元の導入として位置付けた今回の単元では、生徒の興味や関心を大切にしながら追究活動に取り組んだ。その中で、文明の共通点や相違点などに気付かせること、宗教のおこりを大きく捉えることなど、学習指導要領で示されている基準を網羅することを押さえることができるように意識した。ロイロノートや電子黒板の活用は、情報の整理や発信、共有や相互評価の場面で効果的であったと感じている。学んだ知識をつなぎ、生徒自身の考えに到達させる。このような単元構想や学習課題の設定が非常に重要であるといえる。