小5 社会 情報化した社会と産業の発展 情報化した社会と産業の発展【実践事例】福島県白河市立小野田小学校 井上 雄騎

小5 社会 情報化した社会と産業の発展 情報化した社会と産業の発展【実践事例】福島県白河市立小野田小学校 井上 雄騎


基本情報
授業担当者井上 雄騎
ICT環境1人1台タブレット
学年 / 教科5年/社会
単元情報化した社会と産業の発展
hr
〈実践の概要〉
社会科の授業において、主に次の点で活用を図った。それは、「①教師による資料提示」「②児童自身による資料の読み取り」「③協働学習(発表・話し合い)」「④協働学習(協働での意見整理)」である。従来の紙媒体による授業と比較すると、容易に資料を配付・提示することができ、尚且つ気が付いたことを資料に直接書き込むことができるので、それをもとに話し合いを活発化させることができた。また、「作業」の時間を削減することで、より「思考を働かせる」時間を確保することができ、より深い学びを実現することにつなげることができた。

〈ロイロノート・スクール導入の効果・メリット〉
事前に資料や課題を提示し、事前に自分の考えをテキストカードにまとめた状態で、授業に臨むことで、話し合ったり思考を働かせたりする活動に時間をかけることができた。(反転学習)
児童一人一人がロイロノートを活用して考えをまとめ、共有することを前提に授業を行い、その分個々の児童の授業への関わりを多くすることができた。その結果、学びの場が活性化し、学習意欲を高めることに繋がった。
教師が板書したことを写すのではなく、常に情報を取捨選択し、レイアウトを考えながらノートテイクを行ってきたことで、思考を上手に整理することができるようになってきた。

〈実践の目標〉
情報産業で働く人々の、情報を集め発信するまでの工夫や努力などについて調べることを通して情報産業の様子を捉え、国民生活に果たす役割や影響の大きさを理解することができる。  
情報産業で働く人の情報を集め発信するまでの工夫や努力などに着目し、それらの産業が国民生活に果たす役割を考え、表現することができる。
情報産業と情報との関わりについて、主体的に学習問題を追求し、解決しようとするとともに、情報の受け手として正しく判断することや送り手として責任をもつことの大切さを考えようとしている。

〈授業写真〉

hr
〈場面1〉テレビでは、どのような番組がどのように組み立てられ放送されているのかを資料をもとに考える
新聞のテレビ欄を資料として配付・提示し、それぞれの放送局ごとにジャンルごとに色分けをし、その特徴について考えさせた。考えを書き込んだ資料を共有し、話し合うことを通して、放送局ごとに放送する内容は異なるが、視聴者のニーズ(年代・性別ごと生活時間帯等)に合わせて放送していることに気づくことができた。単に、視聴者の為ということだけではなく、視聴率というワードに着目し、スポンサーとの関係についても考えを広げることができた。

〈場面2〉番組をつくる放送局についての疑問を出し合い、学習問題を設定する
放送局の仕事について、一人一人が疑問に思ったことをテキストカードに表し、共有した。Xチャートを用いて調べる項目ごとに分類・整理をし、それをもとにして学習問題を設定した。

〈場面3〉どうして日本各地で起きた出来事をすばやく情報収集できるのか考える
新幹線放火事件のニュース報道を動画資料として提示し、なぜ日本各地の情報をすぐに収集することができるのかを考えさせた。生徒間共有の機能を生かし、調べた内容や考えについて情報交換を行った。1つの番組をつくるにも、多くのスタッフが取材の準備をしていることや、情報通信技術を生かし、ライブカメラの映像や人工衛星、インターネットを活用して情報を集めていることを理解することができた。

〈場面4〉放送局が収集した情報をどのようにまとめ、番組にして放送しているのかを調べる
ピラミッドチャートを用いて、前時に扱った「情報収集」から「編集」「放送」までの一連の流れやそれに伴う留意点について、視覚的にわかりやすくまとめた。放送は一瞬だが、そこに至るまでには多くの人が多くの作業に当たっていることを理解することができた。また、放送するにあたり、人権や公平・公正さを大切にしていることにも気づくことができた。

〈場面5〉メディアが与える影響の大きさを知り、報道被害や社会的混乱を防ぐためにはどんな工夫や努力が必要かを考える
松本サリン事件の新聞の報道記事を電子データとして児童に送り、情報を読み取らせた。気づいたことは資料に直接書き込ませ、事前に提出箱に提出させた。(反転学習として)あたかもK氏が犯人であるような書きぶりから、子どもたちも犯人と疑ってしまう。K氏の報道被害の内容を知り、メディアが与える影響の大きさに気づかせた。報道被害を防ぐためには、情報の送り手と受け手の双方が正しく情報を活用する意識を持つことが大切であることを理解することができた。

〈場面6〉学習したことを振り返り、新聞にまとめる
カードオンカード機能を活用し、放送局としての働きや、情報の送り手・受け手としての在り方について今までに使用した資料やノートの内容を生かしながら新聞にまとめる活動を取り入れた。日常的にシンキングツールを用いて考えを整理してきたことで、新聞の割り付けの能力はかなり向上したように思う。出来上がった新聞は、異学年間で見せ合い、ロイロノートを使った新聞・レポートづくりの技術向上に役立てている。
Powered by Helpfeel