小3 社会 住みよいくらしをつくるⅡ 東京のゴミ【実践事例 】(日本女子大学附属豊明小学校)
日本女子大学附属豊明小学校
田中 栄太郎教諭
考えを表現し、伝える力を養うことで、言葉で伝えることの大切さを学ぶ授業を展開します。
ごみの学習を深めるために、テーマを決めて、自分が伝えたいことは何かを考えて、初めてのプレゼンテーションに取り組みます。
まず、ごみの行方について、図書室やインターネットを利用して個々に調べ学習を行い、ワークシートにまとめます。次にロイロノートの使い方を学びながら、ワークシートにまとめたことを基に、発表に必要な資料を集めてカードを作成していきます。使い方はスムーズに習得でき、使い方を教え合う児童も多く見られました。発表時間は1人2分間とし、ペース配分を考えて練習を行い、発表用のカードを作りこんでいきます。カードとして使用する画像や文字はできるだけシンプルにして、口頭で説明することを心がけさせます。
発表では、タブレットを手に持ち、画面はプロジェクターで黒板に映し出します。テレビ画面にはタイマーを映し、時間が確認できるようします。「発表する時のめあて」と「聞く時のめあて」を意識させて、相手を見て話すことや、発表のどこが良かったかなどを考えながら聞くことを促します。それぞれの発表ごとに2人ずつ意見を求め、良かったところのコメントをもらいます。
全員の発表が終わった後は、振り返りを行い、本時の感想や振り返りを提出します。
ロイロノート導入のメリット
本校ではICT機器を使用するプレゼンテーションは、6年生が2人1組で行うのが例年の取り組みである。しかし、今回タブレットとロイロノートを使えば4年生で、更に1人ずつでもプレゼンテーションは可能だろうと考えて実践を行った。児童の今までのタブレット使用回数は数回で、ロイロノートは初めてであったが、操作に大きな問題は無く、授業の目標を良く意識して発表を行うことができた。
操作が簡易な分、説明の時間が短時間で済んだため、発表の準備に十分な時間を取ることができ、検討や練習の時間も確保できた。
児童達の多くが、「とても緊張したけども、また発表をやりたい」というやる気を見せた。また友達の発表を意識して聞き、その内容や発表の姿勢から多くのことを学んだことが嬉しかった。
実践の目標
一人ひとりの発表を通して、既習事項を更に深め、情報をまとめる力、考えを表現し、伝える力を養う。
ロイロノートの基本操作を身につけ、ワークシートにまとめた知識を基に、発表に必要な資料を集めてカードを作成することができる。
相手に何を伝えたいのかを意識して、よりシンプルにカードを作成し、言葉で相手に伝えることを学ぶ。
実践の場面
1. ごみの行方について調べる
各自で図書館の本とインターネット(iPad)を利用して、ごみの行方について調べ、ワークシートにまとめた。
どの資料が自分の求めているものか、内容を考えながら調べた。
2. 発表に必要なカードを作成する
ロイロノートの使い方を学びながら、発表に必要なカードを作成した。
話すことを全てテキストで打ち込んでしまう人もちらほらいたが、どんなカードが見やすく分かりやすいのか、アドバイスを受けて、改良しながら作った。
使い方はスムーズに習得し、お互いに教え合う場面も多く見られた。児童たちはとても集中して作業していたのが印象に残った。
3. 練習を重ねる
発表時間は1人2分間とした。時間内に話しきれるようにペース配分も考え、短かったり長すぎたりした場合はページをめくるタイミングを考えたり、写真を削ったりして調整した。さらにレーザーポイントツールを使って要点を説明するなど、より効果的に伝える方法を自分で考えて工夫し、作り込んでいった。
4. 発表する時のめあて、聞く時のめあてを意識して取り組む
発表では、発表者はもちろん、聞き手もめあてを持って取り組むことを心がけた。
発表する時のめあては、「お天気お姉さん」のように顔を聞き手に向ける。「たこはまひ」は「正しく、声を大きく、歯切れ良く、間をとって、表現豊かに」。
発表を聞く時のめあてである「ウメライス」は「頷きながら、目を見て、ラストまで、一生懸命に、スマイルで」。
5. 発表!
タブレット端末を手に持ち、画面はプロジェクターで黒板に映し出して発表した。テレビ画面にはタイマーを映し、時間が確認できるようにした。
それぞれの発表ごとに2人ずつ意見を求め、良かったところのコメントをもらった。
6. 発表を終えてから振り返りを行い、感想を提出する
全員の発表が終わった後、それぞれの感想や振り返りをロイロノートで提出した。
ごみの学習の感想はもちろんだが、それ以上にロイロノートを使ったこと、みんなの前で発表したことについての内容が多かった。またこの様にロイロノートを使って発表したいという意欲も多く見られた。