小5 理科 植物の発芽と成長 ~発芽に必要なものを探そう:対照実験~【実践事例】(加藤学園暁秀初等学校)
加藤学園暁秀初等学校
青山 典義教諭
ロイロノート・スクールを活用して、ヨウ素液の色の変化の実験から分かることをシンキングツールにまとめることで学習を深める授業を行います。
植物の種子が発芽し実や花をつけることは、児童たちにとって当たり前のことです。しかし、どうやって発芽するのか、発芽をするためには何が必要なのか、種子とは何なのか、ということはよく理解していません。そこで、児童の「なぜ?」、「どうして?」という疑問を大切にしながら、植物の観察・実験の様子や結果をロイロノート・スクールにまとめて学習していきました。
前時までに6種類の条件を作り、植物の発芽には何が必要なのかという実験を行い、わかったことを確認します。そして、種子の中にあるものを考えるために、ヨウ素液、ニンジン、ジャガイモ、インゲンの種子を用意して実験を行い、結果から分かることや気づいたことを考えるため、ロイロノート・スクールで変化前と変化後を写真で保存し、比べてみました。その後、種子にもヨウ素液をつける実験を行い、栄養素がもともとあることを紹介し、「栄養素=でんぷん」であることを伝えました。実験結果をまとめるため、シンキングツールの中からキャンディ・チャートを使用して、それぞれ考察します。
キャンディ・チャートをロイロノート・スクールで提出し、共有して比較しました。ヨウ素液がでんぷんに反応すること、そして種子の中にはでんぷんがあることを一枚のシンキングツールに見やすくまとめることができました。
ロイロノート導入のメリット
シンキングツールを使うと、実験前や実験後など変化を見やすくすることができる。
シンキングツールのシートも提出できるので、考えを共有することができる。
実践の目標
種子の中には何があるのか、ジャガイモ・ニンジン・種子を比較しながら考えることができる。
ヨウ素液の変化から分かることを、シンキングツールでまとめることができる。
実践の場面
1. 6つの対照実験からわかったことを確認する
前時までに、6種類(土とコットン、水をあげるとあげない、日光を当てると当てない、空気に触れていると触れていない、冷蔵庫に入れると入れない)の条件を作り、植物の発芽には何が必要なのかという実験していった。最終的には、植物が発芽するのは「水・空気・適当な温度」が揃っている場合であると発見できた。ここから、種子の中には何があるのかを考えていく。
2. ヨウ素液を使って実験し、結果から分かることを考える
種子の中にあるものを考えるために、ヨウ素液、ニンジン、ジャガイモ、インゲンの種子を用意して実験をした。
ヨウ素液を薄めてジャガイモにつけると色がすぐに青紫色に変化。ニンジンもヨウ素液につけたが、あまり変化がみられなかった。このことからわかることや気づいたことを全員で考えるため、ロイロノート・スクールで変化前と変化後を写真で保存し、比べてみた。
3. ヨウ素液は何に反応して色が変化しているか考える
ニンジンとジャガイモの実験後、種子にもヨウ素液をつける実験を行った。種子の色の変化は、ジャガイモよりは少なく、ニンジンよりも変化があった。
ここで、ヨウ素液は何に反応して色の変化があるのかを考えさせたところ、「栄養素に反応するから」という意見が多かった。児童たちが分かりやすいように、種芋を例に栄養素がもともとあることを紹介し、「栄養素=でんぷん」であることを伝えた。
4. シンキングツールで変化の結果と原因をまとめる
今回は、シンキングツールの中からキャンディ・チャートを使用して、実験の結果をまとめ、考察した。
左にヨウ素液につける前の写真、右にヨウ素液につけた後の写真を置く。中央には、今回の実験結果(変化)と変化した原因(理由)を書いていった。
5. ヨウ素液の色の変化から分かることをまとめる
実験を通して、ヨウ素液が反応するということはでんぷんがあるということが分かった。種子にもでんぷんがあり、それを使うから植物が発芽するのは「水・空気・適当な温度」だけでいいということに気づくことができた。早く結果をまとめ終わった児童から、発芽した子葉の変化も見ていった。
植物が大きくなるにつれて、しおしおになっている子葉は、発芽にでんぷんを使ったからということまで、まとめることができた。
6. それぞれの考えを共有する
一人ひとりのキャンディ・チャートをロイロノート・スクールで提出し、それを共有して比べてみた。右と左の写真の変化から自分の意見を書いていったので、グループによっては実験結果が変わっていて、議論している様子もみられた。
今回は、ヨウ素液がでんぷんに反応すること、そして種子の中にはでんぷんがあることを一枚のシンキングツールに見やすくまとめることができた。