小5 社会 食料生産を支える人々~複数の資料を比較・関連付けて思考する~【実践事例】(横浜市立みなとみらい本町小学校)
授業担当者 | 高原 洋介 |
ICT環境 | 1人1台タブレット |
学年 / 教科 | 小学校5年 / 社会 |
単元 | 食料生産を支える人々 ~南魚沼での米作りではどんな工夫をしているのだろう~ |
〈実践の概要〉
これまでの学習で南魚沼の米作りについて学んできました。本時では、南魚沼市が今のような国内有数の生産地になるために行なってきた取り組みについて調べました。調べた情報をもとにレポートを作成し、全体発表を行いました。
ロイロノート・スクールを活用し、教科書や資料集を中心に資料を集め、足りない資料はインターネットから引用をしました。自分の考えを説明するために、「どの資料を使って自分の考えの根拠とするのか」「どのように資料をつなげていけばよいか」を考えながらまとめました。また、提出箱に集められたのクラスメイトのレポートを自由に見て参考にし各自のレポートを最高しました。本取り組みを通して、資料の効果的な活用法や資料を関連づけてとらえることを学ぶことができました。
〈ロイロノート・スクール導入の効果・メリット〉
自分に必要な資料を求めて、教科書や資料集に掲載されている情報をじっくりと読み込んだり、インターネットから引用したりしながら、主体的に情報を取捨選択することができる。
資料に直接書き込めるので、ノートにまとめることが苦手な児童でも進んで取り組める。
まとめたことを論理的につなげられるので、資料を根拠に自分の考えを説明する力を伸ばすことができる。
〈実践の目標〉
米作りの工夫に対して自分なりの考えをもち、根拠となる資料を教科書や資料集、インターネットから探し、情報をまとめることができる。
資料から読み取った事実と自分が考えたことを分けて、整理することができる。
複数の資料から分かったことを自分の考えに関連付けながらまとめることができる。
〈場面1〉資料の読み取り
「お米の生産量」と「作業時間の推移」の2つの資料から、分かることを全体で読み取った。2つの資料から南魚沼市が今のような国内有数の生産地になるためにさまざまな工夫や取り組みをしてきたのではないかという考えが出された。工夫の内容として、「機械化」「品種改良」「水田の形」というキーワードがあがり、根拠となる資料をもとに自分の考えをレポートにまとめることとした。
〈場面2〉教科書や資料集にもとづく情報収集
「機械化」「品種改良」「水田の形」のキーワードをもとに情報を集めた。教科書や資料集を中心に資料を集め、足りない資料はインターネットから引用した。カードを追加したり写真を撮ったりして、読み取ったことや大切だと思ったことを記録した。
例えば「品種改良」に関して生産量に着目した児童は、「病気に強い稲に品種改良することで、生産量を高めた」と予想をし資料を集め始めた。「機械化」に関してメリットとデメリットに着目した児童はそれぞれをカードに書き出し始めた。
〈場面3〉資料の読み取りでわかったことをまとめ、自分の考えを言語化する
複数の資料から読み取ったことを関連づけて考えたりその理由を考えたりしながら、カードにまとめていった。後の発表活動のことも考え、色や文字の大きさを工夫していた。発表資料としてのカードの最大枚数は13枚までに制限した。最後の数枚は必ず今回の学習のまとめのシートにすることとし、「つまり」や「よって」などの接続詞を使って、最後に自分の考えをまとめるよう促した。
例えば「水田の形」に関して、耕地整理をして長方形にしたことを読み取った児童は、次のカードに「水田の形が正方形ではなく長方形であるのは、きっと機械を回転させる回数を減らし、効率的に作業するためではないか」と考えをまとめていた。
〈場面4〉クラスメイトの提出物を参考に再考する
残り時間15分の段階で提出を開始した。「提出箱の回答を共有する」することで、各自がロイロノート・スクールで提出したものをクラス全体で共有することができる。先に提出した児童のレポートを参考にし、参考になったところは自分のレポートに書き足して「再提出」をさせた。同じ資料を使っていても切り口が違っていたり、シートの順番が異なっていたりして、児童一人ひとりの個性が表現されたレポートとなった。
〈場面5〉全体発表を行う
最後に全体の場で発表を行った。発表者は大型テレビに自分の作成したレポートを映し、聞き手の児童たちの手元タブレット端末には「画面配信」機能を用いて発表を進めた。大型テレビが見やすい児童、手元のタブレット画面が見やすい児童など、各自が見やすい形でクラスメイトの発表を聞いた。発表後、感想を伝え合い自分の意見との共通点や相違点を見出し、見方や考え方を広げた。