小6 理科 ものの燃え方【実践事例】(京都市立錦林小学校)

小6 理科 ものの燃え方【実践事例】(京都市立錦林小学校)

京都市立錦林小学校
長野 健吉教諭
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LOPPで学習の理解を深め、パフォーマンス課題を解決しよう

今までの知識をロイロノートにためて、ポートフォリオ作成やパフォーマンス課題の解決をし、学びの連続性をつくる授業を実現します。

初めに「燃えるとはどういうことか」の学習前の問いに答え、何を学びとるべきなのかという授業の意義を見出します。
そして「消防士となって後輩にバックドラフトを説明する」というパフォーマンス課題文(参照:単元構想図)を提示し、具体的に何を解決するために学習するのかを認識します。パフォーマンス課題を解決するため、毎授業での実験や結果を蓄積していき、特に燃える三要素(酸素・温度・燃える物)について把握していきます。
また、毎時間の学習を約200文字で自分の言葉でまとめ、それをカードにして蓄積し、ポートフォリオ化します。最終的にパフォーマンス課題について根拠をもって説明することや、視点のはっきりした記録を残すことで、「再現性」の観点から説明しようとする姿勢を育て、確かなプレゼンテーションを展開できるようにします。単元の最後には、蓄積したポートフォリオシートを見ながら「燃えるとはどういうことか」についてお互いに話して、学習を確かなものにしていきます。



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ロイロノート導入のメリット

毎時間の学習をカードにしてポートフォリオ化することで、自分の言葉で論じたものを残すことができます。

さらに、今までポートフォリオ化してきたカードを見ながら、大切な部分を抜いて学習の本質の問いに答えるよう、相手に話すこともできます。

また、話した後にパフォーマンス課題に取り組むという流れになることで、学びの度合いを揃えて課題に取り組むことができ、より高い学び合いが実現できました。

1単元の授業は連続して行われるわけではなく、他教科や行事を挟むのが現実。そこでカードを自分自身で蓄積し、自分自身の並びかえによって繋げることができるので、時間の壁を越えて思考を繋げることができます。 その学びの連続性が、より高く、深い学びを実現できたと考えます。 また、手元に根拠となるものがあることで、自信のない状況を超えることができ、活発な学びをすることもできました。


実践の目標

これまでの燃える3条件をまとめ、パフォーマンス課題への情報を収集・整理・編集することができる。


実践の流れ

1.学習のめあてと、ルーブリック(評価指標)を設定する
「これまでの学習をまとめ,パフォーマンス課題への情報を整理・編集しよう」という学習のめあてを分析する。
まず、「これまでの学習」で学んできた燃える3条件を出す。そしてパフォーマンス課題の現象、「バックドラフト」を確認する。 また、「情報を整理・編集」の際に必要な説明の仕方について問い、推論することや、粒子モデル、論証の方法を確認するなどを出す。これらのキーワードを文にして本時のルーブリックを作成する。

本時のルーブリック
【A評価】・・・これまでに習った酸素・温度・燃えるものの3条件をまとめ、バックドラフト現象の情報を今までの学習から推論・粒子モデルを使って説明できる。
【S評価】・・・バックドラフト現象を自分の言葉で根拠を示して説明する。




2.「燃えるとはどういうことか」についてまとめる
まず、単元の初めに答えた自分の内容を確認する。
そしてこれまでのLOPPとしてのカードを広げ、この単元を通してどのように学びが変化したか実感する。 そのカードを読み返して、「燃えるとはどういうことか」の観点で重要なキーワードに線を引き、問いに答えるように考える。 線を引き終わったものをグループで共有するため、カードをめくりながら自分の考えを説明する。
そこで友達の説明に足りない部分があれば指摘し、より確かな学びをお互いで導くように学び合う。




3.パフォーマンス課題に取り組む準備をする
バックドラフト現象を再度動画で確認する。
起きた証拠として挙げられること、そしてその根拠(カードの中に集めてきた情報)を繋げるという説明の仕方として、論証のスタイルを確認する。 そのカードの様式を教員から児童個人へ送信し、論を組み立てやすくする。




4.パフォーマンス課題への情報を集める
パフォーマンス課題に挙げられたバックドラフト現象の状況を知るため、知りたい情報を考える。
知りたい情報を考えた後、グループで相談して質問事項を決め、全体で情報を共有する。得た情報はカードに書いておく。
(情報を集める観点は、3条件を満たすかどうかを考えることと同じであるため、 教師は児童が、燃えるということを理解しているかどうかがわかる。 また、リアルな文脈で考えられているかどうかも分かる。)




5.パフォーマンス課題に取り組む
これまでの授業で蓄積したカードを整理し、先ほど得た情報と繋げる。 そして「バックドラフト現象が起きた」という主張に対して根拠付けをし、プレゼンテーションを作成する。この時、ペアで情報の整理が正しく行えているかを確認し合うことで精度を上げるようにする。 文章化するのではなく、カードを見て言葉を補っていくように作成することで、情報の整理や、根拠のある説明に集中できるようにする。




6.解答を全体で共有し、学びを深める
グループ内でプレゼンテーションを共有し、不足部分がないか確認する。その後、クラス全体で共有する。
その時、使っているこれまでの実験結果の効果や、粒子モデルの使い方、得た情報の出し方など、より精度の高いものを追求するため、いくつか選択して共有するようにする。
最後に自分のプレゼンテーションの推敲を行い、教師に提出する。次の時間には実際に、B4の紙に整理してレポートを書いていくことを伝える。





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