特別支援学校 総合 話の内容を読み取ろう ~ないた赤おに~【実践事例】(茨城県立水戸飯富特別支援学校)
茨城県立水戸飯富特別支援学校
岡本 功教諭
ロイロノート・スクールを活用することで、思考が「見える化」し、生徒の学習が「主体的・対話的で深い学び」へと発展する授業を展開します。
本時の目標を確認した後に、他者の気持ちを考えるとはどういうことか確認し、活動内容を知ります。
写真を利用して気持ちを想定して自由に回答できる場面を設定します。次に前時で考えた、主な場面における心情の変化を再確認します。そして、ロイロノートで配信した「ないた赤おに」を黙読し、どの登場人物の心情を考えるのか確認して注意しながら読み進めます。ロイロノートで電子教科書として配信することで、挿絵などを参考にすることなく、考えて回答できるようになりました。
読み終わったら、登場人物の気持ちが分かる箇所に線を引き、教師に提出して回答を比較・整理します。類似した回答を並べて安心感や自信が持てるようにするとともに、違う意見を比較してディスカッションを行います。友だちの意見に共感できるときは「イイネ」カード、共感できない時は「ウーン」カードをロイロノートで配信して意見を出し合います。他者の意見を受け止め、より考えを深められるようにしました。
最後に授業の振り返りとして、ロイロノートでワークシートを配布し、本時にがんばったことなどを確認して教師へワークシートを提出します。残りの時間でロイロノートで作成したカードを繋いでまとめ、プリンターで印刷してファイルにまとめます。
ロイロノート導入のメリット
生徒の回答を、画面上で一覧表示できるので、クイズ番組のような雰囲気で授業を行うことができ、生徒が主体的に学習に取り組むことができる。
回答を類似しているものや対照的なもので整理できるので、ディスカッションを行う場面で、有効活用できる。
実践の目標
物語を正しく読み取り、登場人物の気持ちをとらえることができる。
気持ちを考える場面では、ロイロノートを用いて回答を比較し、考えを深めることができるようにする。
実践の場面
1. 活動内容を知る。「気持ちとは何か、考える」
本時の目標を確認した後に、他者の気持ちを考えるとはどういうことか確認する。
赤ちゃんが泣いている写真や、困った表情をしている犬の写真などを見て、自由に回答できる場面を設定した。慣れてくると、赤ちゃん言葉にしてみたり、動物の鳴き声に変化をつけて表現したりするなど、より気持ちを想定して表現しようとする姿が見られた。
2. 登場人物の心情を考える(1)「これまでの内容を確認する」
前時までの内容を思い出すことができるように電子教科書を読み返したり、前時で考えた主な場面における心情の回答を再確認した。回答を比較した画面を用いて再確認することで、内容を思い出すことができた。
3. 登場人物の心情を考える(2)「本時のあらすじを知り、黙読をする」
事前に、どの登場人物の気持ちを考えるか確認することで、注意しながら読み進める。先に読み終わった生徒には、内容を確認することを伝え、再度考えながら読めるようにした。
どこを読んでいるか分からなくなってしまう場合は、マーカー機能を使用し、黙読しているところに気付けるようにした。
4. 登場人物の心情を考える(3)「教科書の中に気持ちが分かる箇所を見つけ線を引く」
ロイロノートで配信した電子教科書に、マーカー機能で線を引いた後、教師に提出して、回答を比較する。
答えが分かれた場合には、それぞれの意見を聞きあうことからスタートしたが、繰り返し学習を進めることで、ディスカッションへと発展することができた。
5. 登場人物の心情を考える(4)「心情を考え、発表する」
気持ちが答えられた生徒には、より具体的に考えるよう言葉をかけることで、深く理解できるようにした。生徒の回答をロイロノートで整理したり、比較し、考え方を明確にした。友達の意見に共感できる時には「イイネ」カード、違うを感じた時には「ウーン」カードをロイロノートで配信することで意見を出し合い、考えを深めることができた。
答えが合っているか不安そうにしている生徒に対しては、正解はたくさんあることを伝えることで、安心できるようにした。
6. 授業の振り返りをする
ロイロノートでワークシートを配信し、本時に頑張ったことを確認することで、次時への意欲付けを図ることができるようにした。
ワークシートの提出が終わった生徒から、本時のスライドをロイロノート上で繋いだり、まとめたりする。まとめられた生徒はネットワーク上にあるプリンターで印刷し、ファイルにまとめる。